| No |
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題名 |
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ひらがな |
巻 |
現代版 |
新装版 |
akaneの金子みすゞの旅 詩
(2017.07.28)
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検索語-1 |
検索語-2 |
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Ⅰ- 美しい町
（上） |
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Ⅰ |
Ⅰ |
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Ⅰ- 美しい町
（上） |
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Ⅰ |
Ⅰ |
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| 1 |
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障子 |
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しょうじ |
Ⅰ |
上10 |
3 |
お部屋（へや）の障子（しょうじ）は、ビルディング。//しろ（白）いきれいな石づくり、/空まで届く十二階（じゅうにかい）、/ |
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カタカナ（ビルディング） |
つくる とどく |
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お部屋のかずは、四十八（しじゅうはち）。//一つ(ひとつ）の部屋に蝿（はえ）がいて、/あとのお部屋はみんな空(から）。// |
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昆虫（蝿） |
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四十七間（しじゅうしちま）の部屋部屋へ、/誰がはいって（入って）くるのやら。//ひとつひらいたあの窓を、/どんな子供 |
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はいる くる
ひらく |
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(こども）がのぞくやら。//―
窓はいつだか、すねたとき、/ 指でわたし（私）があけた窓。//ひとり（一人）日永(ひなが） |
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のぞく すねる あける |
ながめる |
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にながめてりゃ、/そこからみえる青空が、/ちらりと影(かげ)になりました。 |
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| 2 |
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おさかな/お魚 |
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おさかな/おさかな |
Ⅰ |
上12 |
5 |
海の魚はかわいそう。//お米は人につくられる、/牛は牧場で飼われてる、/鯉もお池で麩(ふ）を貰う。// |
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新旧異題（おさかな） |
かう もらう |
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けれども海のおさかなは、/なんにも世話にならないし、/いたずら一つ（ひとつ）しないのに、/こうして私に食べられる。// |
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動物（牛）魚類（鯉・魚） |
たべる |
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ほんとに魚はかわいそう。 |
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| 2 |
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お魚/おさかな |
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おさかな/おさかな |
Ⅰ |
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5 |
海の魚はかはいそう。//お米は人につくられる、/牛は牧場で飼はれてる、/鯉もお池で麩(ふ）を貰ふ。// |
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新旧異題（お魚） |
かう もらう |
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けれども海のお魚は、/なんにも世話にならないし/いたずら一つ（ひとつ）しないのに/かうして私に食べられる。// |
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動物（牛）魚類（鯉・魚） |
たべる |
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ほんとに魚はかはいさう。 |
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| 3 |
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雲 |
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くも |
Ⅰ |
上14 |
6 |
私（わたし）は雲に/なりたいな。//ふわりふわりと/青空の/果(はて)から果を/みんなみて、.夜はお月さんと/鬼ごっこ。// |
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同題（雲
Ⅱ-上132） |
●（月） なる みる |
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それも飽きたら/雨になり/雷さんを/供につれ、/おうち（家）の池へ/とびおりる。 |
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遊び（鬼ごっこ）気象（雷） |
あきる とぶ おりる |
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| 4 |
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芝居小屋 |
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しばいごや |
Ⅰ |
上16 |
8 |
蓆(むしろ)でこさえた/芝居小屋、/芝居はきのう/終えました。//のぼり（幟）の立ってた/あたりでは、/仔牛（べえこ・こうし） |
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動物（牛・かもめ）植物（草） |
たつ |
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が草を/たべている。//蓆でこさえた/芝居小屋、/夕日は海に/しずみます。//蓆の小屋の/屋根のうえ、/かもめが赤く/ |
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気象（夕日） ●（日) |
たべる こさえる しずむ |
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染まってる。 |
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そまる |
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| 5 |
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八百屋の鳩/八百屋のお鳩 |
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やおやのはと/やおやのおはと |
Ⅰ |
上18 |
10 |
親鳩（おやはと）、子鳩（こばと）/お鳩が三羽（さんば）/八百屋の軒（のき）で/クックと鳴いた（ないた）。//茄子(なす)は |
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新旧異題（八百屋の鳩） |
なく |
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むらさき（紫）/キャベツはみどり（緑）/いちごの赤（あか）も/つやつや濡れて。//なァに（何）を買おぞ/しィろ(白）い鳩は/ |
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動物（鳩）ｶﾀｶﾅ（ｸｯｸ・ｷｬﾍﾞﾂ） |
ぬれる かう |
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知らぬかおして/クックと鳴いた。 |
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植物（茄子・キャベツ・いちご） |
しらない |
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| 5 |
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八百屋の鳩/八百屋のお鳩 |
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やおやのはと/やおやのおはと |
Ⅰ |
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10 |
おや鳩（おやはと）、子ばと/お鳩が三羽（さんば）/八百屋の軒（のき）で/クックと啼いた（ないた）。//茄子(なす)は |
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新旧異題（八百屋のお鳩） |
なく |
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むらさき（紫）/キャベツはみどり（緑）/いちごの赤（あか）も/つやつやぬれて。//なｧに（何）を買おうぞ/しィろ(白)いお鳩/ |
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動物（鳩）ｶﾀｶﾅ（ｸｯｸ・ｷｬﾍﾞﾂ） |
ぬれる かう |
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八百屋の軒で/クックと啼いた。 |
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植物（茄子・キャベツ・いちご） |
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| 6 |
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空のあちら |
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そらのあちら |
Ⅰ |
上20 |
11 |
空のあちらに何がある。//かみなり（雷）さんも知らないし、/入道雲も知らないし、/お日ィさま（お日さま）さえ知らぬこと。// |
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気象（雷・入道雲） |
● しらない |
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空のあちらにあるものは/海と山とが話したり、/人が烏になりかわる、//不思議な/魔法の世界なの。 |
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動物（鳥） |
はなす かわる |
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| 7 |
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楽隊 |
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がくたい |
Ⅰ |
上22 |
12 |
活動写真の楽隊が、/だんだん近くなってくる。//そっとみ返りゃ、母さん（かあさん）は、/あっちをむいてお裁縫(しごと) |
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新旧同題（楽隊Ⅰ-91） |
ちかい みかえる |
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よ。//活動写真の楽隊は、/ちょうど、表へ来ているに、// 「ごめんなさい」をいいましょうか、/だまって、かけて出てみよ |
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家族（母） |
くる いう だまる かける でる |
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か。//活動写真の楽隊は、/だんだん遠く消えてゆく。 |
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とおい きえる |
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| 8 |
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打出の小槌 |
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うちでのこづち |
Ⅰ |
上24 |
13 |
打出（うちで）の小槌（こづち）貰（もろ）うたら/私（わたし）は何（なに）を出しましょう。//羊羹（ようかん）、カステラ、 |
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童話的（小人・一寸法師） |
もらう だす |
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甘納豆（あまなっと）、/姉さん（ねえさん）とおんなじ腕時計（うでどけい）。/まだまだそれよりまっ白な、/ |
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カタカナ（カステラ）家族（姉） |
なっとう とけい |
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唄(うた）の上手（じょうず）な鸚鵡（おうむ）を出して、/赤い帽子（しゃっぽ）の小人（こびと）を出して、/毎日 |
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動物（おうむ） |
だす |
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踊り（おどり）を見ましょうか。//いいえ、それよりおはなしの/一寸法師(いっすんぼうし）がしたように/背丈(せたけ）を出して |
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みる |
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一ぺん（いっぺん）に/大人(おとな）になれたらうれしいな。 |
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なる |
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| 9 |
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雛まつり |
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ひなまつり |
Ⅰ |
上26 |
14 |
雛（ひな）のお節句（せっく）来たけれど、/私（わたし）はなんにも持たないの。//となりの雛はうつくしい、/けれども |
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季節行事・遊び（雛まつり） |
きた もつ |
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あれはひとのもの。//私はちいさなお人形(にんぎょう）と、/ふたりでお菱（おひし）をたべましょう。 |
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ひしもち |
ちいさい たべる |
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| 10 |
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こぶとり |
こぶとり |
Ⅰ |
上28 |
15 |
正直（しょうじき）爺さん（じいさん）こぶがなく、/なんだか寂しく(さびしく）なりました。/意地悪(いじわる）爺さん（じいさん） |
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童話的（こぶとり） |
さびしい |
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-おはなしのうたの一- |
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こぶがふえ、/毎日わいわい泣いてます。//正直爺さんお見舞（おみまい）だ、/わたし（私）のこぶがついたとは、/ |
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ふえる なく つく |
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やれやれ、ほんとにお気の毒(きのどく）、/も一度(いちど）、一しょ（いっしょ）にまいりましょ。//山から出て来た |
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まいる でる くる |
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二人（ふたり）づれ、/正直爺さんこぶ一つ(ひとつ）、/意地悪爺さんこぶ一つ、/二人でにこにこ笑ってた。 |
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わらう |
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| 11 |
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かぐやひめ |
かぐやひめ |
Ⅰ |
上30 |
16 |
竹のなかから/うまれた姫は、/月の世界へ/かえって行った。//月の世界へ/かえった姫は、/月のよるよる（夜々）/ |
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童話的（かぐや姫）） ● |
かえる |
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-おはなしのうたの二- |
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下見て泣いた。//もとのお家（おうち）が/こいしゅて泣いた、/ばかな人たち/かわいそで泣いた。//姫はよるよる/ |
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なく こいしい かわいそう |
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変わらず泣いた、/下の世界は/ずんずん変った。//爺さん（じいさん）婆さん（ばあさん）/なくなって（亡くなって）しもうた、/ |
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かわる なくなる しまう |
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ばかな人たちゃ/忘れてしもうた。 |
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わすれる |
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| 12 |
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一寸法師 |
いっすんぼうし |
Ⅰ |
上34 |
18 |
一寸法師（いっすんぼうし）でなくなった/一寸法師のお公卿(くげ）さま、/お馬に乗って、行列で/うまれ故郷へ |
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童話的（一寸法師） |
なくなる のる |
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-おはなしのうたの三- |
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おかえりだ。//父さん(とうさん）、母さん（かあさん）、にこにこと、/一寸法師のおむかえに、/ちいさなお駕籠(かご）を仕立て |
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動物（馬・ねずみ）家族（父・母） |
かえる むかえる したてる |
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ましょ、/駕籠昇（かごか）きゃすばやい野ねずみ（鼠）だ、/えっさ、えっさと出てみれば、/おや、おや、大した（たいした） |
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でる |
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お行列、/どなた様じゃとよく見れば、//一寸法師でなくなった/一寸法師のお公卿さま。 |
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みる |
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| 13 |
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海のお宮 |
うみのおみや |
Ⅰ |
上36 |
20 |
海のお宮（おみや）は琅玕（ろうかん）づくり、/月夜のような青（あァお・あお）いお宮、/青いお宮で乙姫（おとひめ）さんは、/ |
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童話的（浦島太郎） |
● |
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-おはなしのうたの四- |
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きょうも一日、海みています。/いつか、いつかと、海みています。//いつまで見ても、/浦島(うらしま）さんは、/ |
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みる |
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陸(おか）へかえった/浦島さんは
―//海のおくに（国）の静かな昼を、/うごくは紅（あか）い海くさ（海草）ばかり、/ |
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かえる しずかな うごく |
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うすむらさき（紫）のその影（かげ）ばかり。//百年たっても、乙姫さんは/いつか、いつかと、海みています。 |
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たつ |
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| 14 |
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雀のおやど
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すずめのおやど |
Ⅰ |
上38 |
22 |
雀（すずめ）のお宿に春が来て、/お屋根の草も伸びました。//舌を切られた子雀は、/ものの言えない子雀は、/ |
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童話的（舌切り雀）動物（雀） |
くる のびる きる いう |
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-おはなしのうたの五- |
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たもと重ねて、うつむいて、/ほろりほろりと泣いています。// |
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かさねる うつむく なく |
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父さん（とうさん）雀（すずめ）はかわいそで、/お花見振袖（ふりそで）購（か）いました。//母さん（かあさん）雀もかわいそ |
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家族（父・母・子）植物（草・花） |
かわいそう かう |
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で、/お花見お団子(だんご）こさえます。//それでも、やっぱり子雀は、/ほろりほろりと泣いてます。 |
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こさえる なく |
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| 15 |
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月日貝 |
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つきひかい/つきひがい |
Ⅰ |
上40 |
24 |
西のお空は/あかね（茜）色、/あか（赤）いお日さま（おひさま）/海のなか。//東のお空/真珠いろ、/まるい、黄色い/ |
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魚貝類（貝）気象（あかね空） |
●● |
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お月さま。//日ぐれ（日暮れ）に落ちた/お日さまと、/夜あけに沈む/お月さま、/逢うたは深い/海の底。//ある日/ |
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おちる しずむ あう ふかい |
★（すきな詩） |
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漁夫(りょうし)にひろわれた、/赤とうす黄の/月日貝。 |
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ひろう |
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| 16 |
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まつりの頃 |
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まつりのころ |
Ⅰ |
上42 |
26 |
山車(くるま）の小屋が建ちました、/浜にも、氷屋できました。//お背戸(せど)の桃（もも）があか(赤）くなり、/蓮田(はすだ） |
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祭り（仙崎・祇園祭） |
たつ できる |
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の蛙（かえろ・かえる）もうれしそう。//試験もきのうですみました、/うすいリボンも購い（かい）ました。//もうお祭りがくる |
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植物（桃） |
うれしい すむ かう |
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ばかり、/もうお祭りがくるばかり。 |
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動物（かえる）ｶﾀｶﾅ（リボン） |
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| 17 |
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雀のかあさん |
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すずめのかあさん |
Ⅰ |
上44 |
27 |
子供(こども）が/小雀（こすずめ）/つかまえた。//その子の/かあ（母）さん/笑ってた。//雀の/かあさん/それみてた。// |
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動物（雀）家族（母・子） |
つかまえる わらう みる |
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お屋根で/鳴かずに/それ見てた。 |
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なく みる |
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| 18 |
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月と雲 |
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つきとくも |
Ⅰ |
上46 |
28 |
空の野原の/まん中で/ぱったり出あった/月と雲。//雲はいそぎで/よけられぬ、/月もいそぎで/とまられぬ。// |
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であう いそぐ よける
とまる |
● |
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ちょいとごめんと/雲のうえ、/すましてすたこら/お月さん。//あたま（頭）踏まれた/雲たちも/平気のへいざで/えっさっさ。 |
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すます ふむ |
|
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| 19 |
|
泣きむし |
|
なきむし |
Ⅰ |
上48 |
30 |
「泣きむし、毛虫/つまんで捨てろ。」//どっかで誰かいうような。//そっとあたりをみまわせば、/青い桜の葉のかげ(蔭・陰） |
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植物（桜・葉）昆虫（毛虫） |
つまむ すてる みまわす |
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に、/毛虫がひとつ居たばかり。//廻旋塔（かいせんとう）のかげ（影）をさす、/運動場のひろいこと。//遠い校舎のオルガ |
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カタカナ（オルガン） |
いる |
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ンの/音もしずかにひびき出す。//いまさらうちへははいれ（入れ）ない/さくらの葉っぱをむしってる。 |
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ひびく でる はいる むしる |
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| 20 |
|
小さなうたがい |
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ちいさなうたがい |
Ⅰ |
上50 |
32 |
あたし（私）ひとりが/叱られた。/女のくせにって/しかられた。//兄さん(にいさん）ばっかし/ほんの子で、/ |
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家族（私・兄） |
しかる |
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あたしはどっかの/親なし子。//ほんのおうち（家）は/どこかしら。 |
|
どこか |
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| 21 |
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にはとり |
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にわとり |
Ⅰ |
上52 |
33 |
お年をとった/にわとり（鶏）は、/荒れた畑(はたけ）に/立っている。//わかれたひよこは/どうしたか、/畑に立って/ |
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動物（鶏・ひよこ） |
あれる たつ わかれる |
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おもって（思って）る。//草のしげった/畑には、/葱（ねぎ）の坊主（ぼうず）が/三四本(さんしほん）。//よごれた、白(しろ） |
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植物（草・葱ぼうず） |
おもう
しげる よごれる |
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い/にわとりは/荒れた畑に/立っている。// |
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| 22 |
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夕顔 |
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ゆうがお |
Ⅰ |
上54 |
34 |
お空の星が/夕顔（ゆうがお）に、/さびしかないの、と/きき（聞き）ました。//お乳(ちち）のいろの/夕顔は、/さびしか |
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植物（夕顔） ★（星） |
きく さびしい |
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| 23 |
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ないわ、と/いいました。//お空の星は/それっきり、/すましてキラキラ/ひかります。//さびしくなった/夕顔は、/だんだん |
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カタカナ（キラキラ） |
いう ひかる |
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下を/むきました。 |
|
むく |
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| 23 |
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箱のお家 |
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はこのおうち |
Ⅰ |
上56 |
36 |
箱のお家（おうち）が出来ました。//もう、石鹸(せっけん）の箱でもないし、/お菓子箱でもありません。/それは私わたし)の |
|
できる |
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お家です。//表に白（しろ）い石の門、/裏にはきれいな花畠（はなばたけ・はたけ）、//お部屋はみんなで十一間 |
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（じゅういちま）/とてもきれいなお家です。//そして私はそこに住む、/小さい（ちさい）かわいいお嬢さま(おじょうさま）。// |
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すむ |
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きれいなお家がこわされて/かさねた箱になったとき、/私は、古びた、かたむいた、/お部屋の柱を拭いてます。 |
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こわす かさねる ふるい |
かたむく ふく |
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| 24 |
|
栗 |
|
くり |
Ⅰ |
上58 |
38 |
栗(くり）、栗、/いつ落ちる。//ひとつ（一つ）ほしいが、/もぎたいが、/落ちないうちに/もがれたら、/栗の親木(おやき）は/ |
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植物（栗・木） |
おちる もぐ おちない |
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怒るだろ。//栗、栗、/落ちとくれ。/おとなしいよ、/待ってるよ。 |
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おこる まつ |
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| 25 |
|
さかむけ |
|
さかむけ |
Ⅰ |
上60 |
39 |
なめても、吸っても、まだ痛む/紅さし指（べにさしゆび）のさかむけよ。//おもい(思い）出す、/おもい出す、/いつだかねえ |
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なめる すう いたむ |
おもいだす |
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やにきいた(聞いた）こと。//「指にさかむけできる子は、/親のいうこときかぬ子よ。」//おとつい、すねて泣いたっけ、/ |
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きく きかぬ すねる なく |
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きのうも、お使いしなかった。//母さん(かあさん）にあやまりゃ、/なおろうか。 |
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家族（母） |
あやまる なおる |
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| 26 |
|
お祭すぎ |
|
おまつりすぎ |
Ⅰ |
上62 |
40 |
お祭りすぎの/笛の音、/鉦（かね）や太鼓（たいこ）と/はなれては、//なんだかさみしい/笛の音、/紺（こん）の夜ぞら |
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祭り（鉦・太鼓・笛） |
はなれる |
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（夜空）に/ひびきます。//紺の夜ぞらの/天の川、/このごろ白（しろ）く/なりました。 |
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ひびく なる |
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| 27 |
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げんげ畑 |
|
げんげばたけ |
Ⅰ |
上64 |
41 |
ちらほら花も/咲いている、/げんげ（れんげ）畑（ばたけ・はたけ）が/犁(す）かれます。//やさしい瞳(め）をした/黒牛に/ |
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植物（花・れんげ・葉） |
さく すく |
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曳かれて犁(すき）が/うごくとき、/花も葉っぱも/つぎつぎに、/黒い、重たい/土の下。//空じゃ雲雀（ひばり）が/ |
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動物（牛・ひばり） |
ひく おもい |
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ないてるに、/げんげ畑は/犁かれます。 |
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なく |
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| 28 |
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瀨戸の雨 |
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せとのあめ |
Ⅰ |
上66 |
43 |
ふったり（降ったり）、止んだり、小ぬか雨、/行ったり、来たり、渡し舟（わたしぶね・ふね）。//瀬戸（せと）で出逢った潮 |
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乗物(舟） |
ふる やむ いく くる
であう |
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（しお）どうし、/「こんちはお悪いお天気で。」/「どちらへ」/「むこうの外海(そとうみ）へ。」/「私は、あちらよ/さようなら。」/ |
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さよなら |
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なかはくるくる渦（うず）を巻く。//行ったり、来たり、渡し舟、/降ったり、止んだり、日が暮れる。 |
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まく くれる |
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| 29 |
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内海外海 |
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うちうみそとうみ |
Ⅰ |
上68 |
44 |
内海(うちうみ)さらさら/外海(そとうみ)どうど、//内海砂原(すなはら)/外海石原、// 内海こみどり（緑）/外海藍（あい） |
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いろ、//内海いじわる/外海おこりんぼ、//内海女の子/ 外海男の子。//瀬戸(せと)じゃけんか（喧嘩）の/ 渦（うず）が |
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まく |
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巻く。 |
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| 30 |
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海のこども |
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うみのこども |
Ⅰ |
上70 |
46 |
海のこども（子供）みィつけた（みつけた）、/大きな岩の上に。/になの子供(みィつけた、/海のこどものなかに。//海の |
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みつける ★（注目ポイント） |
★ 海のこども＝潮だまり |
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こどもかわいいな、/になのこどもかわいいな。 |
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| 31 |
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麦藁編む子の唄 |
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むぎわらあむこのうた |
Ⅰ |
上74 |
49 |
私の編んでる麦藁（むぎわら）は、/どんなお帽子(ぼうし）になるかしら。//紺青（こんじょう）いろに染められて、/ |
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カタカナ（リボン） |
あむ 紺青=あお色 そめる |
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あか（赤）いリボンを附けられて、/遠い都(みやこ）のかざりまど（飾り窓）、/明るい電灯(でんき）に照らされて、/やがて |
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つける かざる てる |
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かわいいおかっぱの、/嬢ちゃん（じょっちゃん）のおつむ（頭）にかぶられる・・・・・・。//私もついてゆきたいな。 |
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お嬢ちゃん かぶる ゆく |
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| 32 |
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もくせい |
|
もくせい |
Ⅰ |
上76 |
50 |
もくせい（木犀）のにおいが/庭いっぱい。//表の風が、/御門(ごもん)のとこで、/はいろうか、やめよか、/ |
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植物（木犀） |
はいる やめる |
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相談してた。 |
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| 33 |
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睫毛の虹 |
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まつげのにじ |
Ⅰ |
上78 |
51 |
ふいても、ふいても/湧いてくる、/涙（なみだ）のなかで/おもう（思う）こと。//―
あたし（わたし・私）はきっと、/ もらい児 |
|
気象（虹） |
ふく わく おもう |
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（もらいご）よ ―//まつげ（まつ毛）のはしの/うつくしい、/虹(にじ）を見い見い/おもうこと//― きょうのお八つ（おやつ） |
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みる おやつ |
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は、/ なにかしら ― |
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| 34 |
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洋灯
（らんぷ) |
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らんぷ |
Ⅰ |
上80 |
52 |
田舎(いなか)のまつり（祭）に/来てみたが、/みじかい秋の/日が暮れて、//神輿(みこし)の声の/遠いころ、/洋灯（らんぷ） |
|
祭り（神輿）昆虫（虫） |
くる みる くれる |
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のくらさ（暗さ）/たよりなさ・・・・・・。//みつめていれば/どこやらで、/ひそひそ虫が/ないている。 |
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くらい たよりない みつめる |
なく |
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| 35 |
|
どんぐり |
|
どんぐり |
Ⅰ |
上82 |
53 |
どんぐり山で/どんぐりひろて、/お帽子（ぼうし）にいれて、/前かけにいれて、/お山を降りりゃ、/お帽子が邪魔（じゃま）よ、/ |
|
植物（どんぐり・花） |
ひろう いれる おりる |
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辷（すべ）ればこわい、/どんぐり捨てて/お帽子をかぶる。/お山を出たら/野は花ざかり、/お花を摘めば、/前かけ邪魔よ、 |
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すべる すてる かぶる でる つむ |
前かけ=エプロン |
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とうとうどんぐり/みんな捨てる。 |
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| 36 |
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はつ秋 |
|
はつあき |
Ⅰ |
上84 |
54 |
涼しい夕風ふいて来た。//田舎（いなか）にいればいまごろは、/海の夕やけ、遠くみて、/黒牛ひいてかえるころ。// |
|
同題（はつ秋
Ⅲ-上68） |
● ふく とおい みる ひく |
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水色（みずいろ）お空をなきながら、/千羽がらすもかえるころ。//畠（はたけ）の茄子（なす）は刈られたか、/稲のお花も |
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気象（夕やけ） |
なく かる
からす＝青海島 |
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咲くころか。//さびしい、さびしい、この町（まち）よ。/家と、ほこり（埃）と、空ばかり。 |
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動物（牛・からす）植物（なす・稲・花） |
さく |
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| 37 |
|
こほろぎ |
|
こおろぎ |
Ⅰ |
上86 |
55 |
こおろぎの/脚(あし)が片っぽ/もげました。//追っかけた/たまは叱って/やったけど。//しらじら（白々）と/秋の |
|
昆虫（こおろぎ）動物（たま＝猫） |
もげる おいかける しかる |
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日ざし（ひざし）は/こともなく、//こおろぎの/脚は片っぽ/もげてます。 |
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| 38 |
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なまけ時計 |
|
なまけどけい |
Ⅰ |
上88 |
56 |
柱時計のいうことにゃ、/きょうは日曜、菊日和(きくびより・ひより)/旦那さんの役所も休みなら、/坊ちゃん（ぼっちゃん）、 |
|
いう |
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嬢ちゃん（じょっちゃん）、みﾝな（みんな）休み。//あたし（わたし・私）ばかりがチック、タク、/かせぐばかしでつまらない、/ |
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カタカナ(チック、タク） |
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ひとつ、昼寝と出かけよか。//なまけ時計はみつかって、/きりきり、ねじをねじられて、/ごめん、ごめんと鳴り出した。 |
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でかける みつかる ねじる |
なる |
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| 39 |
|
砂の王國 |
|
すなのおうこく |
Ⅰ |
上90 |
57 |
私（わたし）はいま、/砂のお国の王様です。//お山と、谷と、野原と、川を、/おもう(思う）通りに変えてゆきます。//お伽 |
|
童話的（王様） |
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(おとぎ)ばなしの王様だって、/じぶんの国のお山や川を、/こんなに変えはしないでしょう。//私はいま、/ほんとにえらい |
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かえる |
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|
王様です。 |
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| 40 |
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目のないお馬(んま) |
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めのないおんま |
Ⅰ |
上92 |
58 |
ぶりきのお馬(んま)は/目なし馬。/ぶりきの騎兵は急ご（いそご）にも、/お馬目なしで路(みち)みえぬ。// |
|
動物（馬）遊び（おもちゃ） |
いそぐ みえない |
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ぶりきの騎兵にたたかれて、/めくらめっぽに駈け出して、/蕎麦(そば)の林を、駈けぬけて、/紅（あか）い犬蓼(たで) |
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植物（蕎麦・たで・榎） |
たたく かける |
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とびこえて、/一本榎(えのき)にぶつかって、//ぶりきのお馬は泣き出した、/ぶりきの騎兵も泣き出した。 |
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とぶ こえる ぶつかる なく |
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| 41 |
|
草原 |
|
そうげん |
Ⅰ |
上94 |
59 |
露（つゆ）の草原/はだしでゆけば、/足があおあお(青々）染まるよな、/草のにおい(匂い）もうつるよな。//草になるまで/ |
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植物（草・花） |
ゆく そまる |
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あるいてゆけば、/私（わたし）のおかお（お顔）はうつくしい、/お花になって、咲くだろう。 |
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あるく さく |
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| 42 |
|
昼の花火 |
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ひるのはなび |
Ⅰ |
上96 |
60 |
線香花火を/買った日に、//夜があんまり/待ちどおで、/納屋(なや)にかくれて/たきました。//すすき、から松（からまつ） |
|
遊び（花火） |
まちどおしい かくれる
たく |
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、/ちゃかちゃかと、/花火はもえて/いったけど、//私はさみしく/なりました。 |
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植物（すすき・からまつ） |
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| 43 |
|
山いくつ |
|
やまいくつ |
Ⅰ |
上98 |
61 |
町（まち）のうしろはひくい山、/山のむこうに村ひとつ、/村のあちらは高い山、/それから先は知らないの。// |
|
童話的（お城） |
山＝仙崎の地形に類似 |
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お山をいくつ、超えたなら､/いつかの夢のなつかしい、/黄金(きん)のお城がみえるでしょう。 |
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しらない こえる |
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| 44 |
|
光る髪 |
|
ひかるかみ |
Ⅰ |
上100 |
62 |
沈む、沈むよ、/浜に出てみれば、/赤い大きな/夕日の毬(まり)が。//光る､光るよ、/金いろの糸が、/ |
|
気象（夕日） |
● しずむ でる ひかる |
|
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入り日みている/光ちゃん(みっちゃん）の髪が。//かがろ、かがろよ、/真赤(まっか)な毬を、/金の小糸で/麻の葉 |
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植物（麻・葉） |
みる かがる |
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にかがろ。 |
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| 45 |
|
七夕の笹 |
|
たなばたのささ |
Ⅰ |
上102 |
63 |
みち（道）を忘れた子雀(こすずめ)が、/浜でみつけた小笹薮(こささやぶ)。//五色(ごしき)きれいな短冊(たんざく)は、/ |
|
植物（笹）動物（雀） |
● わすれる みつける |
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藪のまつり（祭）か、うれしいな。//かさこそもぐった藪のなか、/すやすやねんね、そのうちに、/ |
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もぐる ねんね＝寝る |
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お宿は海へながれます。//海にしずかな日が暮れりゃ、/きのうのままの天の川。//やがてしらじら（白々）夜があけて、/ |
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ながれる くれる あける |
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海の最中(さなか)で眼(め)をさます、/かわい子雀(こすずめ)、かなしかろ。 |
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かなしい |
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| 46 |
|
紋附き |
|
もんつき |
Ⅰ |
上104 |
65 |
しずかな秋のくれ（暮れ）方が、/きれいな紋附き着てました。//しろ（白）い御紋はお月さま、/藍（あい）をぼかした |
|
くれる きる ぼかす |
● |
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水いろ（色）の、/裾のもようは紺(こん)の山、/海はきらきら銀砂子(ぎんすなご)。/紺のお山にちらちらと、/散った灯り |
|
ちる |
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(あかり)は刺繍(ぬい)でしょう。//どこへお嫁にいくのやら、/しずかな秋のくれがたが、/きれいな紋つき着てました。 |
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| 47 |
|
噴水の亀 |
|
ふんすいのかめ |
Ⅰ |
上106 |
66 |
お宮の池の噴水(ふんすい)は、/水を噴かなく/なりました。//水を噴かない亀の子は、/空をみあげて/さみしそう。// |
|
動物（亀） お宮＝亀山八幡宮 |
ふく みあげる さみしい |
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濁った池の水のうえ、/落葉がそっと/散りました。 |
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にごる ちる |
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| 48 |
|
行軍将棋 |
|
こうぐんしょうぎ |
Ⅰ |
上108 |
67 |
行軍将棋の騎兵さん、/敵のとりこ（虜）になりました。//とりこになった騎兵さん、/お掌(てて)の陣をぬけようと、/あまり |
|
遊び（将棋） 行軍将棋＝軍人将棋 |
なる ぬける |
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あせって落っこちた。/わあい、わあい、大へんじゃ、/助けておくれよ、焼け死ぬる。//たまげて小蠅(こばえ・はえ)が |
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あせる おちる たくける |
やける しぬ |
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のぞいたら、火のない火鉢(ひばち)のまん中で/騎兵いとしや、灰だらけ。 |
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のぞく いとしい |
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| 49 |
|
鬼味噌 |
|
おにみそ |
Ⅰ |
上110 |
68 |
鬼味噌、泣き味噌、/内べんけい、/表へ出るたび/泣いてもどる。//鬼味噌、泣き味噌、/おかしいな、/うちでは |
|
でる なく もどる |
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妹(いもと・いもうと)をいじめてる。//鬼味噌、泣き味噌、/誰があそぶ、/鬼と、みそっちょと/二人（ふたり）あそぶ。 |
|
いじめる |
|
|
| 50 |
|
美しい町 |
|
うつくしいまち |
Ⅰ |
上112 |
69 |
ふと思い出す、あの町の、/川のほとりの赤い屋根。//そうして、青い大川の/水のうえには白い帆が、/静かに、静かに、 |
|
関連（田舎の絵
Ⅰ-下160） |
おもいだす |
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動いてた。/そうして、川岸（かし）の草のうえ、/若い絵描きの小父さん（おじさん）が、/ぼんやり水をみつめてた。//そう |
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うごく みつめる |
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して、私（わたし）は何してた。/おもい(思い）出せぬとおもったら、/それは誰かに借りていた、/御本の挿絵(さしえ)であり |
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かりる |
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ました。 |
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| 51 |
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魔法の杖 |
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まほうのつえ |
Ⅰ |
上116 |
73 |
おもちゃ屋さん、/おひるね（昼寝）よ。/春の日永(ひなが)のお堀ばた。//ここの柳の葉かげから、/私が杖(つえ)を |
|
童話的（おもちゃ）植物（柳・葉） |
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一つ（ひとつ）振りゃ、/店のおもちゃはみな活きて、/ゴムのお鳩は、とび立つし、/張子(はりこ)の虎はうなり出す・・・ |
|
カタカナ（ゴム） |
ふる いきる とびたつ |
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|
一つ（ひとつ）振りゃ、/店のおもちゃはみな活きて、/ゴムのお鳩は、とび立つし、/張子(はりこ)の虎はうなり出す・・・ |
|
|
|
|
| 52 |
|
一軒屋の時計 |
|
いっけんやのとけい |
Ⅰ |
上118 |
74 |
お日さま（おひさま）、お空のまんなかだ、/のろまの時計がおくれたよ、/ちょっくら、お日さんに合わせましょ。//田舎の |
|
おくれる あわせる |
● |
|
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一軒屋のお時計は、/いちんち（一日）欠伸(あくび)といねむりだ。 |
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| 53 |
|
博多人形 |
|
はかたにんぎょう |
Ⅰ |
上120 |
75 |
こおろぎが/ないている、/夜ふけの街（まち）の/芥箱(ごみばこ)に。//ひとつ明るい/かざり窓、/青い灯（あかり）に、/ |
|
昆虫（こおろぎ） |
なく |
|
|
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|
博多人形（にんぎょ）の/泣きぼくろ（ほくろ）。//こおろぎが/ないている、/街の夜ふけの/芥箱に。 |
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|
|
|
| 54 |
|
忙しい空 |
|
いそがしいそら |
Ⅰ |
上122 |
76 |
今夜はお空がいそがしい、/雲がどんどと駈けてゆく。//半かけお月さんとぶつかって、/それでも知らずに駈けてゆく。// |
|
類似（夜ふけの空
Ⅱ-上28） |
● かける ぶつかる |
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子雲がうろうろ、邪魔(じゃま)っけだ、/あとから大雲、おっかける。//半かけお月さんも雲のなか、/ |
|
おいかける |
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|
|
すりぬけ、すりぬけ、駈けてゆく。//今夜はお空がいそがしい、/ほんとに、ほんとに、忙しい。 |
|
すりぬける |
|
|
| 55 |
|
秋日和 |
|
あきびより |
Ⅰ |
上124 |
77 |
お天気、お天気、/川辺の梢(こずえ)で、/もずきち高啼く。//乾いた、乾いた、/刈田の刈稲、/榎の掛稲（かけいね）。// |
|
動物（もず）植物（稲・榎） |
なく かわく |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
続くよ、続くよ、/むこうの街道(かいど)を/稲積んだ車が。//お天気、お天気、/啼け啼けもずきち、/底なしお空で。 |
|
乗物（荷車） |
つづく つむ |
|
| 56 |
|
灯籠ながし |
|
とうろうながし |
Ⅰ |
上126 |
78 |
昨夜流した/灯籠（とうろう）は、/ゆれて流れて/どこへ行た(いた・いった)。//西へ、西へと/かぎりなく、/海とお空の/ |
|
季節行事（灯篭流し） |
ゆれる いく |
|
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|
|
さかい（境）まで。//ああ、きょうの、/西のおそら（お空）の/あか（赤）いこと。 |
|
|
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|
| 57 |
|
郵便局の椿 |
|
ゆうびんきょくのつばき |
Ⅰ |
上128 |
79 |
あか（赤）い椿（つばき）が咲いていた、/郵便局がなつかしい。//いつもすがって雲を見た、/黒い御門(ごもん)がなつかしい。 |
|
植物（椿） |
さく すがる みる |
|
|
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|
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|
|
|
//ちいさな白い前かけに、/赤い椿をひろっては、/郵便さんに笑われた、/いつかのあの日がなつかしい。// |
|
ひろう わらう |
|
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|
|
|
|
あかい椿は伐られたし、/黒い御門もこわされて、//ペンキの匂うあたらしい、/郵便局がたちました。 |
|
カタカナ（ペンキ） |
きる こわす におう たつ |
|
| 58 |
|
燕の手帳/手帳 |
|
つばめのてちょう/てちょう |
Ⅰ |
上130 |
81 |
しずかな朝の砂浜で、/ちいさな手帳（てちょう）みィつけた。/緋繻子(ひじゅす)の表紙、金(きん）の文字、/ |
|
新旧異題（燕の手帳） |
みつける |
|
|
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|
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|
|
|
なかはまっ白、あたらしい。//誰が落としていったやら、/波にきいても波ざんざ、/みえるかぎりをさがしても、/砂には足の |
|
動物（つばめ） |
おとす いく きく さがす |
|
|
|
|
|
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|
|
|
あともない。//きっと夜あけに飛んでいた、/南へかえるつばくら（燕）が、/旅の日記をつけよとて、/ |
|
とぶ つける |
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購うて（こうて）落して行ったのよ。 |
|
かう おとす |
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|
| 58 |
|
手帳/燕の手帳 |
|
てちょう/つばめのてちょう |
Ⅰ |
|
81 |
静かな朝の砂濱で、/小さな手帳（てちょう）をひろつた。/緋繻子(ひじゅす)の表紙、金(きん)の文字/ |
|
新旧異題（手帳） |
ひろう |
|
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あけてみたれどまだ白い//たれが落として行つたやら、/波にきいても波ざんざ、/渚（なぎさ)に足のあともない/ |
|
あける おとす いく きく |
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きつと今朝（けさ）がた飛んでゐた、/南へかへるつばくろ（燕）が/旅の日記をつけるとて/ |
|
とぶ つける かえる |
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|
|
|
|
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|
|
|
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買うて（こうて）落したものでせう。 |
|
かう |
|
|
| 59 |
|
四月 |
|
しがつ |
Ⅰ |
上132 |
82 |
新しい御本、/新しい鞄に。//新しい葉っぱ、/新しい枝に。//新しいお日さま（おひさま）、/新しい空に。//新しい四月、/ |
|
植物（葉・枝） |
★ ● |
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|
うれしい四月。 |
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|
| 60 |
|
つばな |
|
つばな |
Ⅰ |
上134 |
83 |
つゥばな、つばな、/白（しィろ）い、白（しィろ）いつばな。//夕日の土手で、/つばなを抜けば、/ぬいちゃいやいや、/ |
|
植物（つばな）気象（夕日） |
● ぬく |
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かぷりをふるよ。//つゥばな、つばな、/白（しィろ）い、白（しィろ）いつばな。//日ぐれ（日暮れ）の風に、/飛ばそよ、 |
|
かぶり＝頭を覆ったかんむり |
ふる とばす |
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飛ばそ、/日ぐれの空の、/白（しィろ）い雲になァれ。 |
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| 61 |
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色紙 |
|
いろがみ |
Ⅰ |
上136 |
84 |
きょうはさみしい曇り空、/あんまり淋しい(さびしい)くもり空。//暗いはとば（波止場）に遊んでる、/白いお鳩の小さな足 |
|
遊び（色紙）動物（鳩） |
あそぶ |
|
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に、/赤やみどり（緑）の色紙を、/長くつないでやりましょう。//そして一しょに飛ばせたら、/どんなにお空がきれいでしょう。 |
|
つなぐ とばす |
|
|
| 62 |
|
夜なかの風 |
|
よなかのかぜ |
Ⅰ |
上138 |
85 |
夜なかの風はいたずら風よ/ひとり（一人）通ればさびしいな。//ねむの葉っぱをゆすぶろか、/ねむの葉っぱはゆすぶら |
|
遊び（ぶらんこ）植物（ねむ・葉・草） |
ゆする |
|
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れ、/お舟（ふね）に乗った夢をみる。//草の葉っぱをゆすぶろか、/草の葉っぱはゆすぶられ、/ぶらんこしてる夢を |
|
乗物(舟） |
のる |
|
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みる。//夜なかの風はつまらなそうに/ひとりで空をすぎてゆく。 |
|
つまらない すぎる |
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| 63 |
|
昼の電灯 |
|
ひるのでんき |
Ⅰ |
上140 |
86 |
子供（こども）のいない/子供部屋、/ぽっつり電灯(でんき)は/さびしかろ。//外には冴えた/球のおと（音）、/お窓に明るい/ |
|
昆虫（蠅）電灯＝（でんき) |
● さびしい さえる |
|
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|
日のひかり（光）。//しずかに蠅(はえ)が/とまってる、/昼の電灯は/さびしかろ。 |
|
とまる |
|
|
| 64 |
|
忘れた唄 |
|
わすれたうた |
Ⅰ |
上142 |
87 |
野茨(のばら)のはな（花）の咲いている、/この草山にきょうも来て、/忘れた唄をおもい(思い）ます。/夢より遠い、 |
|
植物（のばら・草） |
さく くる おもう |
|
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なつかしい、/ねんね（寝んね）の唄をおもい(思い）ます。//ああ、あの唄をうとう（歌う）たら、/この草山の扉(と)があいて、/ |
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家族（母） |
うたう あく |
|
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|
とおいあの日のかあさま（母さま）を、/うつつに、ここに、みられましょ。//きょうも、さみしく草にいて、/きょうも海みておもい |
|
うつつ＝現 みる |
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ます。/「船（ふね）はしろがね（白銀）、櫓は黄金(こがね)」/ああ、そのあとの、そのさきの、/おもい出せないねんね唄。 |
|
乗物(船） |
おもいだす |
|
| 65 |
|
空の色 |
|
そらのいろ |
Ⅰ |
上144 |
89 |
海は、海は、なぜ青い。/それはお空が映るから。//空のくもっているときは、/海もくもってみえるもの。//夕焼(夕やけ)、 |
|
類似（桑の実・貝と月・不思議・なぞ） |
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夕焼、なぜあか（赤）い。/それは夕日があか（赤）いから。//だけどお昼のお日さまは、/青かないのに、なぜ青い。// |
|
気象（夕焼け） |
● うつる くもる |
|
|
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|
空は、空は、なぜ青い。 |
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| 66 |
|
木 |
|
き |
Ⅰ |
上146 |
90 |
お花が散って/実が熟(う)れて、//その実が落ちて/葉が落ちて、//それから芽が出て/花が咲く。// |
|
同題（木 Ⅱ-上176） |
ちる うれる おちる でる |
|
|
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|
そうして何べん/まわったら、/この木は御用(ごよう)が/すむかしら。 |
|
植物（花・実・葉・芽・木） |
さく まわる |
|
| 67 |
|
すねた時/楽隊 |
|
すねたとき/がくたい |
Ⅰ |
上148 |
91 |
とうからここですねてるに、/誰（だれ）も探してくれないの。//なぜだか知らない、すねてるに、/誰もみつけてくれない |
|
新旧異題（すねた時） |
とうから＝ずっと前から |
|
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|
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|
|
の。//活動写真（かつどうしゃしん）の楽隊（がくたい）の、/とおくなるのを聞いてたら、/なんだか泣きたくなっちゃった。 |
|
すねる さがす しらない |
みつけない きく なく |
|
| 67 |
|
楽隊/すねた時 |
|
がくたい/すねたとき |
Ⅰ |
|
91 |
とうからここですねてるに/誰（だあれ）も探してくれないの。//なぜだか知らない、すねてるに/誰（だあれ）もみつけて |
|
新旧異題（楽隊） |
すねる さがす みつける |
|
|
|
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|
|
|
|
くれないの。//活動写真（かつどうしゃしん）の楽隊（がくたい）の/とほくなるのを聽いてたら/なんだか泣きたくなつち |
|
新旧同題（楽隊
Ⅰ-上22） |
きく なく |
|
|
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|
やつた。 |
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|
|
| 68 |
|
海の鳥 |
|
うみのとり |
Ⅰ |
上150 |
92 |
きのうもきょうもこの岸へ、/かわるがわるにくる波よ。//いま来た波は、あの波は、/どこの国から来たのだろ。// |
|
動物（鳥）祭り（祭） |
|
|
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|
いま退く波は、あの波は、/どんな岸までゆくのだろ。//波に浮かんだ海の鳥、/おまえはきっと知っていよ。//もしも教え |
|
ひく うかぶ しる おしえる |
|
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てくれるなら、/こんどの祭に招んであぎょ（あげよ）。 |
|
よぶ |
|
|
| 69 |
|
トランプの女王 |
|
とらんぷのじょおう |
Ⅰ |
上152 |
93 |
お祭すぎの/夜あそびに、/ふいとなくした/女王さま。//いつか忘れて/日がたって、/秋の日和（ひより）の/お掃除に、/ |
|
遊び・カタカナ（トランプ） |
なくす わすれる たつ |
|
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|
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床の下から/出は出たが、//泥にまみれて/おちぶれて、/髪さえ白い/おばあさま。 |
|
童話的（女王さま）祭り（祭） |
でる まみれる おちぶれる |
|
| 70 |
|
漁夫の小父さん |
|
りょうしのおじさん |
Ⅰ |
上154 |
95 |
漁夫(りょうし)の小父さん(おじさん)、その舟（ふね）に、/私（わたし）をのせて下さいな。//ほらほら、向うにみえている、/ |
|
乗物(舟）魚類（金魚） |
のせる みえる |
|
|
|
|
|
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|
|
きれいな雲がむくむくと、/海から湧いてるところまで、/私と行って下さいな。//ひとつきりしきゃ（しか）ないけれど、/ |
|
わく いく ください |
|
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|
|
|
私のお人形あげましょう、/それから、金魚もあげましょう。//漁夫の小父さん、その舟に、/私をのせて下さいな。 |
|
あげる |
|
|
| 71 |
|
おとむらひの日 |
|
おとむらいのひ |
Ⅰ |
上156 |
96 |
お花や旗でかざられた、/よそのとむらい（弔い）見るたびに、/うちにもあればいいのに、と、/こないだまでは、思ってた。// |
|
弔い・植物（花） |
かざる みる おもう |
|
|
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|
だけどもきょうはつまらない、/人は多ぜい（おおぜい）いるけれど、/たれ（誰）も対手(あいて)にならないし、/都から来た |
|
きた |
|
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|
|
おばさまは、/だまって涙をためてるし、/誰（だれ）も叱りはしないけど、/なんだか私（わたし）は怖かった。/お店で小さく |
|
ためる しかる こわい |
|
|
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|
|
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|
|
|
なってたら、/家から雲が湧くように、/長い行列、出て行った。//あとはなおさら、さみしいな、/ほんとにきょうは、さみしい |
|
わく でる |
|
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|
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|
|
な。 |
|
|
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| |
|
絲(いと)ぐるま |
|
いとぐるま |
Ⅰ |
|
ﾀｲﾄﾙのみ |
|
金子みすゞノート |
|
|
| |
|
私の町 |
|
わたしのまち |
Ⅰ |
|
ﾀｲﾄﾙのみ |
|
金子みすゞノート |
|
|
| |
|
お空の町 |
|
おそらのまち |
Ⅰ |
|
ﾀｲﾄﾙのみ |
|
金子みすゞノート |
|
|
| |
|
燒き栗 |
|
やきぐり |
Ⅰ |
|
ﾀｲﾄﾙのみ |
|
金子みすゞノート |
|
|
| |
|
青いマント |
|
あおいまんと |
Ⅰ |
|
ﾀｲﾄﾙのみ |
|
金子みすゞノート |
|
|
| |
|
金米糖の夢 |
|
こんぺいとうのゆめ |
Ⅰ |
|
ﾀｲﾄﾙのみ |
|
金子みすゞノート |
|
|
| |
|
案山子 |
|
かかし |
Ⅰ |
|
ﾀｲﾄﾙのみ |
|
金子みすゞノート |
|
|
| |
|
お人形店 |
|
おにんぎょうてん |
Ⅰ |
|
ﾀｲﾄﾙのみ |
|
金子みすゞノート |
|
|
| |
|
お馬の病氣 |
|
おうまのびょうき |
Ⅰ |
|
ﾀｲﾄﾙのみ |
|
金子みすゞノート |
|
|
| |
|
Ⅰ- 美しい町
（下） |
|
Ⅰ |
Ⅰ |
|
|
Ⅰ- 美しい町
（下） |
|
Ⅰ |
Ⅰ |
|
| 72 |
|
大漁 |
|
たいりょう |
Ⅰ |
下12 |
101 |
朝焼小焼(あさやけこやけ)だ/大漁だ。/大羽鰮(おおばいわし)の/大漁だ。//浜はまつり（祭）の/ようだけど/海のなか |
|
祭り（まつり）弔い（とむらい） |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
では/何万の/鰮のとむらい（弔い）/するだろう。 |
|
魚類（鰮・いわし） |
|
|
| 73 |
|
お正月と月 |
|
おしょうがつとつき |
Ⅰ |
下14 |
102 |
お月さん、/なぜやせる。//かど松の/松の葉のよに/なぜ細る、//お正月くるに。 |
|
★最短詩（33文字）・同文字数詩→ |
粉雪 Ⅰ-下98 ● |
|
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|
植物（松・葉）季節行事（正月） |
ほそる |
|
| 74 |
|
秋のおたより |
|
あきのおたより |
Ⅰ |
下16 |
103 |
山から町（まち）へのお便りは、/「柿の実、栗の実、熟れ候、/ひよどり、鶫(つぐみ)、啼き候、/お山はまつりになり候。」// |
|
植物（柿・栗・柳）祭り（まつり） |
うれる なく |
|
|
|
|
|
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|
町から山へのおたよりは、/「燕(つばめ)がみんな、去に(いに)候、/柳の葉っぱが散り候、/さむく、さみしく、なり候。」 |
|
動物（ひよどり・つぐみ・燕） |
ちる さむい さみしい |
|
| 75 |
|
かくれんぼ |
|
かくれんぼ |
Ⅰ |
下18 |
104 |
かくれりゃすぐに/みつかって、/鬼になったら/城取られ、//いついつまでも/城取られ、/いつまで/鬼の/かくれんぼ。// |
|
類似題（かくれんぼう
Ⅲ-下190） |
かくれる みつかる
とられる |
|
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|
日ぐれ(日暮れ）はお家（うち）が/なつかしい。 |
|
遊び（かくれんぼ・鬼・城取り） |
|
|
| 76 |
|
峠 |
|
とうげ |
Ⅰ |
下20 |
105 |
夕風/さらさら/高きび畑（ばたけ・はたけ）、//白い/お月さん/峠を越える。//峠/とぼとぼ/疲れたお馬、//のぼり/のぼれ |
|
植物（高きび）動物（馬） |
●
こえる つかれる のぼる |
|
|
|
|
|
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|
|
|
ど/高きびばかり。 |
|
峠＝大日比峠 |
|
|
| 77 |
|
昼の月 |
|
ひるのつき |
Ⅰ |
下22 |
106 |
しゃぼん玉みたいな/お月さま、/風吹きゃ、消えそな/お月さま。//いまごろ/どっかのお国では、/砂漠をわたる/ |
|
ふく きえる |
● |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
旅びとが、/暗い、暗いと/いってましょ。//白いおひる（昼）の/お月さま、/なぜなぜ/行ってあげないの。 |
|
いう あげる |
|
|
| 78 |
|
私のお里 |
|
わたしのおさと |
Ⅰ |
下24 |
108 |
母さまお里は/山こえて、/桃（もも）の花さく/桃の村。//ねえやのお里は/海越えて、/かもめの群れる/はなれ島。// |
|
家族（母・私） |
こえる むれる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
私（わたし）のお里は/知らないの、/どこかにあるよな/気がするの。 |
|
植物（桃）動物（かもめ） |
しらない |
|
| 79 |
|
かるた |
|
かるた |
Ⅰ |
下26 |
109 |
お炬燵(おこた)の上に、/お蜜柑積んで、/お祖母様(ばあさま)、眼鏡、.キラ、キラ、キラりよ。//畳のうえにゃ、/ |
|
遊び（かるた）カタカナ（ｷﾗ・ﾊﾟﾗ） |
|
|
|
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かるたが散って、/ちいちゃいお頭(つむ)、/ひい、ふう、みいつよ。//硝子(がらす)のそとは、/しずかな暗夜(やみよ)、/ |
|
植物（みかん）家族（祖母・子） |
ちる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ときどき霰(あられ)が、/パラ、パラ、パラリよ。 |
|
気象（霰） |
|
|
| 80 |
|
町の馬 |
|
まちのうま |
Ⅰ |
下28 |
110 |
山のお馬は/酒屋のかどに、/町（まち）のお馬は/魚屋のまえに。//山のお馬は/いそいそかえる（帰る）、/積荷おろして/ |
|
動物（馬）魚類（さかな） |
おろす |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
山へとかえる。//町のお馬は/かなしい馬よ、/おさかな積んで/遠い遠い町へ/叱られ、叱られ、/曳いてく馬よ。 |
|
つむ しかる ひく |
|
|
| 81 |
|
月のお舟 |
|
つきのおふね |
Ⅰ |
下30 |
112 |
空いっぱいのうろこ雲/お空の海は大波だ。//佐渡から戻る千松(せんまつ)の/銀のお舟(ふね)がみえがくれ。// |
|
気象（うろこ雲）乗物(舟） |
● もどる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
黄金(こがね)の櫓(ろ)さえ流されて/いつ、ふるさとへ着こうやら。//みえて、かくれて、荒海の/果(はて)から果へ、 |
|
ながす つく
みえる かくれる |
銀の舟＝三日月の月 |
|
|
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|
|
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|
|
舟はゆく。 |
|
ゆく |
|
|
| 82 |
|
おはなし |
|
おはなし |
Ⅰ |
下32 |
113 |
青い、きれいな野の果(はて)に、/銀にひかる（光る）は湖水です。/湖水の岸の御殿には、/小さな、小さな、女王さま、/ |
|
童話的（女王さま） |
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(それは魔法のみずうみ（湖）で、/
小さくなった私（わたし）です。)/うしろに並ぶお侍女(おこしもと)、/
(それはやっぱり |
|
ちいさい ならぶ |
|
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みずうみで、/ 小さくなった、お友だち。)/前の御家来、ひげ男、/ (それは私の先生よ。)/黄金(きん)の時計がいま |
|
なる |
|
|
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|
|
|
|
|
|
鳴って、/ちいさな女王は花びらで、/お花の蜜を召しあがる・・・・・・。)//こんなおはなし（話・噺）したけれど、/大人はわらっ |
|
植物（花） |
めしあがる わらう |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
てしまいます。/なんだか私はさびしいな。 |
|
|
|
|
| 83 |
|
ころんだ所 |
|
ころんだところ |
Ⅰ |
下34 |
115 |
いつか使いのかえりみち/ここでころんで（転んで）泣きました。//あの日みていた小母さん(おばさん)が/いまもお店にいる |
|
童話的（桃太郎） |
ころぶ なく みる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ようす。//桃太郎さん、桃太郎さん、/ちょいとお貸しな、かくれみの。 |
|
かす |
|
|
| 84 |
|
夢売り |
|
ゆめうり |
Ⅰ |
下36 |
116 |
年のはじめに/夢売りは、/よい初夢を/売りにくる。//たから（宝）の船（ふね）に/山のよう、/よい初夢を/積んでくる。// |
|
季節行事（夢売り）乗物(船） |
うる つむ |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
そしてやさしい/夢売りは、/ 夢の買えない/うら町（まち）の、/さびしい子等の/ところへも、/だまって夢を/おいてゆく。 |
|
かえる だまる おく |
|
|
| 85 |
|
浮き島 |
|
うきしま |
Ⅰ |
下38 |
118 |
私（わたし）は島が欲しいのよ。//波のまにまにゆれ動く、/それはちいさな浮き島よ。//島はいつでも、花ざかり、/ |
|
植物（花）遊び（かくれんぼ） |
ほしい ゆれる うごく |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
小さなお家（おうち）も花の屋根。/みどり（緑）の海に影（かげ）さして、/ゆらゆらゆれて流れるの。//そして、景色も見飽き |
|
さす ながれる みあきる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
たら、/海へざんぶりとび込んで、/私の島をくぐっては、/かくれんぼしてあす（遊）ばれる、//そんな小島が欲しいのよ。 |
|
とびこむ くぐる あそぶ |
ほしい |
|
| 86 |
|
大きな文字 |
|
おおきなもじ |
Ⅰ |
下40 |
120 |
お寺のいちょう〈銀杏）の/大筆で/誰（だれ）か、大文字/かかないか。//東のお空/いっぱいに、/「コドモノクニ」と/ |
|
植物（いちょう） |
● |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
書かないか。//いまに出てくる/お月さん、/びっくり、しゃっくり/させないか。 |
|
かく でる させる |
|
|
| 87 |
|
おはじき |
|
おはじき |
Ⅰ |
下42 |
121 |
空いっぱいのお星さま、/きれいな、きれいな、おはじきよ。//ぱらり、とおはじき、撒(ま)きました、/どれから、取って |
|
遊び（おはじき） |
★ まく とる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ゆきましょか。//あの星/はじいて/こう当てて、/あれから/あの星/こう取って。//取っても取っても、なくならぬ、/ |
|
はじく あてる なくなる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
空のおはじき、お星さま。 |
|
|
|
|
| 88 |
|
木の葉のボート |
|
このはのぼーと |
Ⅰ |
下44 |
122 |
木の葉のボートに乗ってゆく、/黒い小蟻(こあり)は探検家。//青いボートではるばると、/海のあなたへ出かけます。// |
|
植物（木の葉）カタカナ（ボート） |
のる でかける |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
海のあなたのはなれ島、/砂糖のお山、蜜の川、//そうして怖い鳥もいず/蟻の地獄もないとこを。//青いボートでただ |
|
昆虫（蟻）動物（鳥） |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ひとり、/これから尋ねに出かけます。 |
|
たずねる |
|
|
| 89 |
|
松かさ |
|
まつかさ |
Ⅰ |
下46 |
123 |
磯の小松の/松かさは、/海のあなたの/こいしさに、/落ちて小舟に/のりました。//乗りは乗ったが/その舟（ふね）は、/ |
|
植物（松・松かさ）乗物（舟） |
こいしい おちる のる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
沖で一夜(ひとよ)さ/さかな採り、/もとの浜へと/つきました。 |
|
魚類（さかな） |
とる つく |
|
| 90 |
|
天人 |
|
てんにん |
Ⅰ |
下48 |
124 |
ひとり日暮れの草山で、/夕やけ雲をみていれば、/いつか参った寺のなか、/暗い欄間の彩雲（あやぐも）に、/ |
|
家族（母）気象（夕やけ) |
● みる まいる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
笛を吹いてた天人の、やさしい眉をおもい(思い）出す。//きっと、私（わたし）の母さんも/あんなきれいな雲のうえ、/ |
|
ふく おもいだす |
天人＝遍照寺にあった欄間 |
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うすい衣(べべ)着て舞いながら、/いま、笛吹いているのだろ。//夕やけ雲をみていれば、/なんだか笛の音がする、/ |
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まう |
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かすかに遠い音がする。 |
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| 91 |
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喧嘩のあと |
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けんかのあと |
Ⅰ |
下50 |
125 |
ひとり（一人）になった/ひとりになった。/むしろの上はさみしいな。//私（わたし）は知らない/あの子がさきよ。/だけども |
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関連（となりの杏 Ⅱ-下100） |
しらない |
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だけども、さみしいな。//お人形さんも/ひとりになった。/お人形抱いてもさみしいな。//あんず（杏）の花が/ほろほろ |
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遊び（人形）植物（杏の花） |
だく |
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ほろり、/むしろの上はさみしいな。 |
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| 92 |
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子供の時計 |
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こどものとけい |
Ⅰ |
下52 |
126 |
こんな時計はないかしら。//三里さきから字が読める、/お城のような、大時計。//なかのお部屋にあつまって、/みんな |
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童話的（城・大時計） |
●★ よめる あつまる |
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で針をまわしたり、/大きな振子に乗っかって、/遠くの遠くを眺めたり、//そして一しょにうた（歌）うとき、/朝はお日さま |
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まわす のる ながめる |
うたう |
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（おひさま）眼をさまし、/日ぐれ（日暮れ）は星が出るならば、/どんなに私（わたし）はうれしかろ。 |
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さます でる うれしい |
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| 93 |
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話のお国 |
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はなしのおくに |
Ⅰ |
下54 |
128 |
話のお国の/王様は、/お供にはぐれて/日がくれ（暮れ）て、/話のおくにの/森のなか。//お炬燵(おこた)にあたって/ |
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童話的（王様） |
はぐれる くれる あたる |
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きいてても、/なんだかつめたい/雪の夜。//お供のいない/王さまは、/どんなに寒かろ、/さみしかろ。 |
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気象（雪） |
きく さむい さみしい |
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| 94 |
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つつじ |
|
つつじ |
Ⅰ |
下56 |
130 |
小山(こやま)のうえに/ひとり（一人）いて/赤いつつじの/蜜を吸う。//どこまで青い/春のそら（空）、/私（わたし）は |
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植物（つつじ）昆虫（蟻） |
すう |
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ちいさな/蟻かしら。//あまい（甘い）つつじの/蜜を吸う、/私（わたし）はくろい（黒い）/蟻かしら。 |
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| 95 |
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親なし鴨 |
|
おやなしがも |
Ⅰ |
下58 |
131 |
お月さん/凍る、/枯れ葉にゃ/あられ、//あられ（霰）/降っては/雲間の/月よ。//お月さん/凍る、/お池も/こおるに、// |
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気象（霰）植物（枯れ葉） |
● こおる ふる |
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親なし/子鴨、/どうして/ねる（寝る）ぞ。 |
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動物（鴨） |
ねる |
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| 96 |
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硝子 |
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がらす |
Ⅰ |
下60 |
133 |
おもい（思い）出すのは、雪の日に、/落ちて砕けた窓硝子（がらす）。//あとであとでと、思ってて/ひろわなかった窓 |
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気象（雪） |
おもいだす おちる
くだける |
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硝子。//びっこの犬をみるたびに/もしやあの日の窓下を/とおりゃせぬかと思っては、//忘れられない、雪の日の/ |
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動物（犬） |
おもう ひろう とおる |
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雪にひかった（光った）、窓硝子。 |
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わすれる ひかる |
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| 97 |
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石ころ |
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いしころ |
Ⅰ |
下62 |
134 |
きのうは子供（こども）を/ころばせて/きょうもお馬を/つまずかす、/あしたは誰（だれ）が/とおるやら。//田舎(いなか)の |
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関連（石と種 Ⅱ-下88） |
● ころぶ つまづく |
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みち（道・路）の/石ころは、/赤い夕日に/けろりかん。 |
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動物（馬）気象（夕日） |
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| 98 |
|
とんび |
|
とんび |
Ⅰ |
下64 |
135 |
とんび（鳶）とろとろ/輪を描いた。/あの輪のまん中/さがしたか。//海なら鰮(いわし)が十万よ、/陸（おか）ならねずみが |
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動物（とんび） |
● かく さがす |
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一ぴき（一匹）よ。/とんびとろとろ/輪を描いた。/その輪のまん中/みあげたら、//ぽっかり、まひる（昼）の/お月さま。 |
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みあげる |
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| 99 |
|
月の出 |
|
つきので |
Ⅰ |
下66 |
136 |
だまって/だまって/ほうら、出ますよ。//お山の/ふちが/ぼうっと明るよ。//お空の/底と/海の底とに、//なにか/ |
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だまる でる あかるい |
● |
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光りが/溶けていますよ。 |
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とける |
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| 100 |
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桑の実 |
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くわのみ |
Ⅰ |
下68 |
137 |
青い桑の葉/たべていて、//かいこ（蚕）は白く/なりました。//赤い桑の実/たべながら、/私（わたし）はくろ（黒）く/ |
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類似（空の色・貝と月・不思議・なぞ） |
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日にやける（焼ける）。 |
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植物（桑）昆虫（かいこ） |
たべる |
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| 101 |
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王樣のお馬 |
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おうさまのおうま |
Ⅰ |
下70 |
138 |
王様のお馬は木のお馬、/お供の馬は、土の馬。//だけど、おもちゃのお国では、/王様のお馬は金（きん）の馬、/ |
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童話的（王様） |
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お供の馬は銀の馬。//雨のふる日のふる畳（古畳）、/それもおもちゃのお国では、/空も青空、あお草（青草）の、/ |
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動物（馬）植物（草） |
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なかをお鈴がちりしゃらと、/金のお鈴がちりしゃらと。 |
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| 102 |
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お乳の川 |
|
おちちのかわ |
Ⅰ |
下72 |
139 |
なくな、仔犬よ、/日がくれる。//暮れりゃ/母さんいなくとも、//紺(こん)の夜ぞら（空）に/ほんのりと/ |
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動物（仔犬）家族（母） |
いない |
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お乳の川が/みえよもの。 |
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みえる |
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| 103 |
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幻灯 |
|
げんとう |
Ⅰ |
下74 |
140 |
あれはいつかの/夢かしら。//夜ふけてうつす（映す）/幻灯の、/淡く、ふしぎな、/なつかしい、/うす青いろの/絵のなか |
|
幻灯＝写真映像を投影する装置 |
ふける うつる あわい |
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に、/ふとみえて、/ふと消えた、/誰（だれ）かによく似た、/やさしい瞳(め)。//あれは、あの夜の/夢かしら。 |
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みえる きえる にる |
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| 104 |
|
お堀のそば |
|
おほりのそば |
Ⅰ |
下76 |
142 |
お堀のそばで逢うたけど、/知らぬかお（顔）して水みてた。//きのう、けんかはしたけれど、/きょうはなんだか |
|
あう しらない みる |
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なつかしい。//にっと笑ってみたけれど、/知らぬ顔して水みてた。//笑った顔はやめられず、/つッと、なみだ（涙）も、 |
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わらう やめる とめる |
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止められず、//私（わたし）はたったとかけ出した、/小石が縞(しま)になるほどに。 |
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かける |
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| 105 |
|
赤いお舟 |
|
あかいおふね |
Ⅰ |
下78 |
143 |
一本松/一本立って/海みてる、/私（わたし）もひとり（一人）で/海みてる。//海はまっ青、/雲は白、/赤いお舟（ふね）は/ |
|
家族（父・私）植物（松） |
たつ みる |
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まだみえぬ。//赤いお舟の/父さまは、/いつかの夢の/父さまは、//一本松/一本松/いつだろか。 |
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乗物（舟） |
|
|
| 106 |
|
お葬いごっこ |
|
おとむらいごっこ |
Ⅰ |
下80 |
145 |
お葬い（おとむらい）ごっこ、/お葬いごっこ。//堅ちゃん、あんたはお旗持ち、/まあちゃん、あんたはお坊さま、/あたし（私） |
|
弔い・遊び（お葬いごっこ） |
|
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はきれいな花もって、/ほら、チンチンの、なあも、なも。//そしてみんなで叱られた、/ずいぶん、ずいぶん、叱られた。// |
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家族（兄・弟）植物（花） |
もつ しかる |
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|
お葬いごっこ、/お葬いごっこ、/それでしまいになっちゃった。 |
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カタカナ（チンチン） |
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| 107 |
|
神輿 |
|
みこし |
Ⅰ |
下84 |
149 |
あか（赤）い提灯/まだ灯（ひ）がつかぬ/秋のまつり（祭）の/日ぐれ（日暮れ）がた。//あそぴ（遊び）つかれて/お家へ |
|
家族（父・母） |
つく つかれる もどる |
|
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もどりゃ、/お父さん（おとうさん）は/お客さま、/お母さん（おかあさん）は/いそがしい。//ふっとさびしい/日ぐれがた、/ |
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祭り（神輿） |
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裏の通りを/嵐のように/神輿のゆくのを/きき（聞き）ました。 |
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ゆく きく |
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| 108 |
|
電報くばり |
|
でんぽうくばり |
Ⅰ |
下86 |
150 |
赤い自転車、ゆくみち（道）は、/右もひだり（左）も麦ばたけ（畑・畠）。//赤い自転車、乗ってるは、/電報くばりの黒い |
|
乗物(自転車）植物（麦） |
ゆく のる くばる |
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服。//しずかな村のどの家へ、/どんな知らせがゆくのやら、//麦のあいだの街道(かいどう)を/赤い自転車いそぎます。 |
|
いそぐ |
|
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| 109 |
|
瞳 |
|
ひとみ |
Ⅰ |
下88 |
151 |
みんなのお瞳(おめめ)/魔法の壺(つぼ)よ。//からたち垣根(かきね)も/街道も、/お馬車も、馬も/馬方も、/蕎麦の畠 |
|
植物（からたち・蕎麦・桐・木） |
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(はたけ)も/桐の木も、/とおい、みどり（緑）の/あの山も、/まだも、お空の/雲さえも、/小さくなって/みﾝなはいる。//黒い |
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乗物(馬車）動物（馬） |
ちいさい |
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お瞳は/魔法の壺よ。 |
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| 110 |
|
花びらの海/花びらの波 |
|
はなびらのうみ/はなびらのなみ |
Ⅰ |
下90 |
153 |
草屋（くさや）の軒（のき）に花が散る、/丘(おか）の上でも花が散る、/日本（にっぽん）じゅうに花が散る。// |
|
新旧相違（花びらの海） |
ちる |
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日本じゅうに散る花を、/あつめて海にうかべましょ。//そして静かなくれ（暮れ）方に、/あか（赤）いお舟（おふね）で |
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植物（草・花）乗物（舟） |
あつめる うかべる |
|
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ぎいちらこ、/色とりどりのうつくしい、/お花の波にゆすられて、/とおい沖までまいりましょ。 |
|
ゆする まいる |
|
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| 110 |
|
花びらの波/花びらの海 |
|
はなびらのなみ/はなびらのうみ |
Ⅰ |
|
153 |
お家（おうち）の軒（のき）にも花が散る、/丘(おか）のうへでも花が散る、/日本中(につぽんぢゆう）に花が散る。// |
|
新旧相違（花びらの波） |
ちる |
|
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日本中に散る花を、/あつめて海へ浮べましよ。//そして静かなくれ（暮れ）方に、/赤（あか）いお船（おふね）で |
|
乗物（船） |
あつめる うかべる |
|
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ぎいちらこ、/色とりどりの花びらの、/お花の波にゆすられて、/とほい沖までまゐりましよ。 |
|
ゆする まいる |
|
|
| 111 |
|
野焼とわらび |
|
のやきとわらび |
Ⅰ |
下92 |
154 |
お山のお山のわらびの子、/とろりとろりと夢みてた。//赤い翼の大鳥の、/お空を翔(か)ける夢みてた。/お山のお山の |
|
植物（わらび）動物（鳥） |
みる |
|
|
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|
|
わらびの子、/夢からさめて伸びしてた。//かわいいこぶし、ちょいと出して、/春のあけがた、伸びしてた。 |
|
さめる のびる だす |
|
|
| 112 |
|
転校生 |
|
てんこうせい |
Ⅰ |
下94 |
155 |
よそから来た子は/かわいい子、/どうすりゃ、おつれに/なれよかな。//おひる（昼）やすみに/みていたら、/その子は桜に |
|
植物（桜） |
なれる みる |
|
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もたれてた。//よそから来た子は/よそ言葉、/どんな言葉で/はなそかな。//かえり（帰り）の路(みち)で/ふと見たら、/ |
|
もたれる はなす |
|
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|
その子はお連れが/出来ていた。 |
|
できる |
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| 113 |
|
不思議な港 |
|
ふしぎなみなと |
Ⅰ |
下96 |
157 |
ふるい港の大時計、/六時をうえにかかってた。/ふたつの針はやすみなく、/なぜか左へまわってた。//朽ちてこわれた |
|
童話的（大時計） |
かかる やすむ まわる |
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さんばしに、/まっ紅（か・あか）な花がただひとつ（一つ）、/ひる（昼）の光にゆらいでた。//黒い、しずかな水のうえ、/お山 |
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植物（花） |
くちる こわれる ゆらぐ |
|
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|
|
のように、だァまって（だまって）、/むかし（昔）の船（ふね）がかかってた。//そんな港のあるとこは、/どこのお国か、いつ |
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乗物（船） |
だまる かかる |
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|
ごろか。//誰にきいても知りゃしない、/それは私の夢だもの。 |
|
しらない |
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| 114 |
|
粉雪 |
|
こなゆき |
Ⅰ |
下98 |
159 |
こんこん/こん粉雪(こなゆき)/あんまり白い、//こんこ松に/たまって、/みどり（緑）に染(そ)まれ。 |
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★最短詩（33文字）・同文字数詩→ |
お正月と月 Ⅰ-下14） |
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気象（粉雪） |
たまる そまる |
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| 115 |
|
私のかいこ |
|
わたしのかいこ |
Ⅰ |
下100 |
160 |
小さい箱の家にいる、/これは私（わたし）のかいこです。//かわいいけれど、人形（にんぎょう）は、/ものも言わない、 |
|
童話的（小人・姫）昆虫（かいこ） |
ちいさい いう うごく |
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うごかない。//かいこは、かわいい音立てて、/青い桑の葉食べてます。//やがて七つ（ななつ）の繭（まゆ）になり、/ |
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植物（桑の葉） |
たてる たべる うごく
たてる |
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七（なな）すじ糸がとれたなら、//小人（こびと）の姫の着るような、/虹色（にじいろ）おべべも織れましょう。// |
|
気象（虹色） おべべ＝着物 |
とれる きる おる |
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仲よく桑をたべている、/これは私のかいこです。 |
|
なかよく |
|
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| 116 |
|
くれがた |
|
くれがた |
Ⅰ |
下102 |
162 |
兄さん/口笛/ふき出した。//わたし（私）は/袂(たもと)を/かんでいた。//兄さん/口笛/すぐやめた。//表に/こっそり/夜が |
|
同題（くれがた
Ⅲ-下134） |
ふく かむ やめる |
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来た。 |
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家族（兄・私） |
くる |
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| 117 |
|
お家のないお魚 |
|
おうちのないおさかな |
Ⅰ |
下104 |
163 |
小鳥は枝に巣をかける、/兎(うさぎ)は山の穴に棲（す）む。//牛は牛小舎、藁の床（とこ）、/蝸牛(ででむし)ゃいつでも |
|
動物（鳥・兎・牛）植物（枝） |
かける 蝸牛＝かたつむり |
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背負（しょ）っている。//みんなお家をもつものよ、/夜はお家でねる（寝る）ものよ。/けれど、魚はなにがある、/穴を |
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昆虫（蝸牛・かたつむり）魚類（魚） |
すむ せおう |
|
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|
ほる（掘る）手も持たないし、/丈夫な殻も持たないし、/人もお小舎(こや)をたてもせぬ。/お家をもたぬお魚は、/潮の鳴る |
|
たてる もつ なる |
|
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|
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|
夜も、凍る夜も、/夜っぴて泳いでいるのだろ。 |
|
こおる およぐ |
夜っぴて＝夜通し |
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| 118 |
|
機織り |
|
はたおり |
Ⅰ |
下106 |
165 |
朝からきっとん/機(はた)を織る、/山のむすめ（娘）の/おもう（思う）こと。//この織る布が/知らぬまに、/都のひとの/ |
|
おる しらない |
|
|
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|
|
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|
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|
着るような、/友禅もよう（模様）に、/変らぬか。//けれどもきっとん/織るたびに、/縞(しま)のもめん（木綿）が/長くなる。 |
|
きる かわる ながい |
|
|
| 119 |
|
箱庭 |
|
はこにわ |
Ⅰ |
下108 |
167 |
私のこさえた箱庭を、/たあれ（だあれ・誰）も見てはくれないの。//お空は青いに母さん（かあさん）は、/いつもお店で |
|
遊び（箱庭）家族（母） |
こさえる（つくる） みる |
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|
忙(せわ)しそう。//まつりはすんだ（済んだ）に母さんは、/いつまであんなにいそがしい（忙しい）。//蝉のなく声ききなが |
|
祭り（まつり）昆虫（蝉） |
すむ いそがしい きく |
|
|
|
|
|
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|
|
ら、/私（わたし）はお庭をこわし（壊し）ます。 |
|
こわす |
|
|
| 120 |
|
浜の石 |
|
はまのいし |
Ⅰ |
下110 |
168 |
浜辺の石は玉のよう、/みんなまるくてすべっこい。//浜辺の石は飛び魚か、投げればさっと波を切る。//浜辺の石は |
|
関連（大きなお風呂 Ⅲ-下108） |
まるい すべる なげる |
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|
唄（うた）うたい、/波といちにち（一日）唄ってる。//ひとつ（一つ）びとつの浜の石、/みんなかわいい石だけど、//浜辺の |
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魚類（飛び魚） |
きる うたう |
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石は偉い石、/皆（みんな）して海をかかえ（抱え）てる。 |
|
えらい かかえる |
|
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| 121 |
|
日の光 |
|
ひのひかり |
Ⅰ |
下112 |
169 |
おてんとさま（お日さま）のお使いが、/そろって空をたちました。/みちで出逢ってみなみ（南）風、/なにしにゆくの、 |
|
おてんとう＝お天道＝お日さま |
● たつ であう ゆく |
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ときき（聞き）ました。//ひとり（一人）のお使いいい（言い）ました、/「ひかり（光）の粉（こな）を地に撒く（まく）の、/みんなが |
|
植物（花） |
きく いう まく |
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|
お仕事できるよう。」//ひとりはほんとに嬉し（うれし）そう、/「私はお花を咲かせるの、/世界をたのしく（楽しく）するため |
|
うれしそう さく たのしい |
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|
に。」//ひとりのお使いやさしい子、/「私は清いたましい（魂）の、/のぼる（昇る）反り橋かける（架ける・掛ける）のよ。」// |
|
さびしい |
|
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|
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|
|
残ったひとりは寂しそう、/「私は影（かげ）をつくるため、/やっぱり一しょ（いっしょ）にまいります。」 |
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|
| 122 |
|
大人のおもちゃ |
|
おとなのおもちゃ |
Ⅰ |
下114 |
171 |
大人は大きな鍬(くわ)もって、/畠(はたけ)へ土をほり（掘り）にゆく。//大人は大きな舟（ふね）こいで、/沖へお魚採りに |
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遊び（おもちゃ） |
もつ ほる こぐ |
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ゆく。//そうして大人の大将は、/ほんとの兵隊もっている。//私（わたし）のちいさな兵隊は、/ものも言わない、 |
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乗物（舟）魚類（魚） |
とる もつ ちいさい いう |
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動かない。//私のお舟はすぐ覆る（かやる）、/私のシャベルはもう折れた。//おもえば（思えば）さびしい、つまらない、/ |
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カタカナ（シャベル） |
覆る＝転覆 |
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大人のおもちゃを持ちたいな。 |
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うごく おれる おもう |
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| 123 |
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蝉のおべべ |
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せみのおべべ |
Ⅰ |
下116 |
173 |
母さま（かあさま）、/裏の木のかげ（陰・蔭）に、/蝉(せみ)のおべべが/ありました。//蝉も暑くて/脱いだのよ、/脱いで、 |
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昆虫（蝉）家族（母）植物（木） |
べべ＝衣服・着物 |
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忘れて、/行ったのよ。//晩になったら/さむ（寒）かろに、/どこへ届けて/やりましょか。 |
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ある あつい ぬぐ わすれる |
いく さむい とどける やる |
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| 124 |
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花屋の爺さん |
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はなやのじいさん |
Ⅰ |
下118 |
174 |
花屋の爺さん（じいさん）/花売りに、/お花は町（まち）でみな売れた。//花屋の爺さん/さびしいな、/育てたお花が |
|
植物（花） |
うる そだてる |
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みな売れた。//花屋の爺さん/日が暮れりゃ、/ぽっつり一人（ひとり）で小舎（こや）のなか。//花屋の爺さん/夢にみる、/ |
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くれる |
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売ったお花のしやわせ（しあわせ・幸せ）を。 |
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| 125 |
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悪太郎の唄 |
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あくたろうのうた |
Ⅰ |
下120 |
175 |
泣き泣き/にげた（逃げた）/よわむし（弱虫）/毛虫。//おいら/知らない、/いっつけろ（いいつけろ）よ、/うちで。//あの子 |
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昆虫（毛虫）家族（母） |
なく にげる しらない |
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の/母さん（かあさん）/かわりに/怒る。//おいら/母さん/まま母さん（継母さん）。 |
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いいつける おこる |
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| 126 |
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草山 |
|
くさやま |
Ⅰ |
下122 |
177 |
草山の草のなかからきいて（聞いて）ると、/いろんなたのしい（楽しい）声がする。//「きょうで七日も雨ふらぬ（降らぬ） |
|
植物（草・茱萸・芝・茅萱） |
● きく ふる |
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、//のど（喉）がかわいた（乾いた）、水欲しい。」/それはお山の黒い土。//「空にきれいな雲がある、/お手々ひろげて |
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かわく ほしい ひろげる |
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掴(つか)もうか。」/それはちいさな蕨(わらび)だろ。//「お日さま（おひさま）お呼びだ、のぞこうか。」/「わたし（私）も、 |
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つかむ よぶ のぞく |
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わたしも、ついて行こ。」/茱萸(ぐみ)の芽、芝の芽、茅萱(ちがや)の葉、/いろんなはしゃいだ声がする。 |
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いく |
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| 127 |
|
お魚の春 |
|
おさかなのはる |
Ⅰ |
下124 |
179 |
わかい（若い）もずくの芽がもえて、/水もみどり（緑）になってきた。//空のお国も春だろな。/のぞきに行ったら |
|
植物（もずく・藻）魚類（飛び魚） |
もえる のぞく いく |
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まぶしいよ。//飛び魚小父さん(おじさん)、その空を、/きらっとひか（光）って飛んでたよ。//わかい芽が出た藻(も)の |
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遊び（鬼ごと） |
とぶ でる |
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かげ（陰・蔭）で、/ぼくらも鬼ごとはじめよよ（始めようよ）。 |
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はじめる |
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| 128 |
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ながい夢 |
|
ながいゆめ |
Ⅰ |
下126 |
180 |
きょうも、きのうも、みんな夢(ゆめ)、/去年、一昨年（おととし）、みんな夢。//ひょいとおめめ（目々・眼々）が |
|
家族（母・赤ちゃん） |
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さめた（覚めた）なら、/かわい（かわいい）、二つ（ふたつ）の赤ちゃん（あかちゃん）で、/おっ母ちゃん(おっかちゃん) |
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さがす |
おっかちゃん＝おかあさん |
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のお乳（おちち）をさがし（探し）てる。//もしもそうなら、そうしたら、/それこそ、どんなにうれしかろ。//ながいこの夢、 |
|
うれしい |
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おぼえ（覚え）てて、/こんどこそ、いい子(いいこ）になりたいな。 |
|
おぼえる なる |
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| 129 |
|
手品師の掌 |
|
てじなしのてのひら |
Ⅰ |
下128 |
181 |
桃（もも）からうまれる（生まれる）桃太郎さん、/瓜からうまれる瓜姫さん。//卵からうまれる鶏(にわとり)さん、/種から |
|
植物（桃・瓜・木） |
● |
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うまれる木のこども（子供）。//山からうまれるお日いさま（お日さま）、/海からうまれる雲の峰。//白いお鳩は手品師の、/ |
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動物（鶏・鳩） |
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お掌(てて)のなかからうまれてた。//私（わたし）も、どこぞの手品師の、/お掌のなかからうまれたか。 |
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| 130 |
|
まつりの太鼓 |
|
まつりのたいこ |
Ⅰ |
下130 |
182 |
青葉に若葉、/若葉のかげ（陰・蔭）を、/赤いかっこ履(は)いて、/かっこ、かっこ、かっこよ。//あさぎ（浅黄）のお空、/ |
|
祭り（太鼓）植物（若葉） |
かっこ（幼児語）=下駄 |
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|
お空のなかで、/ほら、鳴る、太鼓、/とろんこ、とろんこ、とろんこよ。//白（しィろ・しろ）い街道(かいど)、/競馬の馬は、/ |
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動物（馬） |
はく なる |
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よそゆきお衣(べべ)で、/かっぽ、かっぽ、かっぽよ。 |
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| 131 |
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祭りのあくる日 |
|
まつりのあくるひ |
Ⅰ |
下132 |
183 |
きのう、神輿（みこし）のにぎわい（賑わい）に、/つい浮かされて残ったが、//昨夜は遠いお囃子（はやし）に、/芝居の |
|
祭り（青海島・通・住吉祭） |
★ ● うかれる のこる |
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夢をみていたが、//さめて（覚めて）かあさん（母さん）呼んだとき、/みんなに、みんなで、笑われて、//そっと出てみた、 |
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家族（母） |
みる さめる よぶ わらう |
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裏山の、/おいてけぼりのお月さま。 |
|
おいてけぼり＝置いてけ堀 |
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| 132 |
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隣村の祭 |
|
となりむらのまつり |
Ⅰ |
下134 |
184 |
垣（かき）のなかから見ていると、/いろんな色がすぎて（過ぎて）ゆく。//みんな東をさしてゆく、/影もぞろぞろついてゆく、/ |
|
祭り（祭）植物（木槿） |
みる すぎる さす つく |
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|
白い埃(ほこり)も舞ってゆく。/西へ行ったは、空っぽ（からっぽ）の、/ふるい（古い）荷馬車がひとつきり。/じっとしてるは、 |
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乗物（荷馬車） |
まう いく |
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生垣（いけがき）の、/しろ（白）い木槿(むくげ)と、私（私）きり。//おまつり（お祭）なんか、つまらない、/私（わたし）はゆき |
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たかないけれど、/きょうは、あんまりよい日和（ひより）。//お目々（おめめ）つぶれば足音が、/みんな東へすぎてゆく。 |
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| 133 |
|
春の朝 |
|
はるのあさ |
Ⅰ |
下136 |
186 |
雀（すずめ）がなくな、/いい日和（ひより）だな、/うっとり、うっとり、/ねむいな。//上の瞼(まぶた)はあ（開）こうか、/ |
|
動物（雀） |
なく あく |
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下の瞼はまァだ（まだ）よ、/うっとり、うっとり/ねむいな。 |
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| 134 |
|
雨あがり |
|
あめあがり |
Ⅰ |
下138 |
187 |
一ばんさき（一番先）にみつけたは、/小さなはこべの花でした。/「あれあれ、あすこにお日いさま（お日さま）。//雲の |
|
植物（はこべの花・木・枝・葉） |
● みつける |
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かげ（陰・影）からお日いさま、/ちょいと、目ばかり出してます。//どの木も、どの木も、枝ならし、/どの葉も、と゜の葉も、 |
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だす ならす |
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うれしげに。//「おおお、お日さま、お久しゅう、/ずいぶんみんなは待ちました。」//雲のかげからお日いさま、/いたずら |
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うれしい まつ |
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そうに、笑ってる。 |
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わらう |
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| 135 |
|
雲の色 |
|
くものいろ |
Ⅰ |
下140 |
188 |
夕やけ/きえた/雲のいろ、//けんか/してきて/ひとりいて、//みていりゃ、/つッと/泣けてくる。 |
|
・小編詩（39文字） |
● きえる みる なける |
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気象（夕やけ） |
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| 136 |
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おねんねお舟 |
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おねんねおふね |
Ⅰ |
下142 |
189 |
島から来た舟（ふね）、おつかれか、/入り江の波はやさしいに、/ゆったり、ゆったり、おねんね（寝んね）よ。// |
|
乗物(舟） |
舟＝瀬戸の渡し舟 |
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おさかな積んで、はるばると、/ひろい荒海こえて来た、/小さな舟よ、おねんねよ。//島の人たちもどるときゃ、/ |
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魚類（さかな）植物（菜っぱ） |
つむ こえる くる |
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重いお米を買ってくる、青い菜っぱを買ってくる。//島から来た舟、それまでは、/やさしい波にゆすられて、/ゆったり、 |
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かう ゆする |
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ゆったり、おねんねよ。 |
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| 137 |
|
隣の子供 |
|
となりのこども |
Ⅰ |
下144 |
190 |
そら豆むきむき/きいて（聞いて）いりゃ、/となり（隣）の子供（こども）が/しかられる。//のぞいてみようか、/悪かろか、/ |
|
植物（そら豆） |
むく きく しかる のぞく |
|
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そら豆にぎって/出てみたが、/そら豆にぎって/またもどる。//どんなおいたを/したんだろ、/となりの子供は/しかられる。 |
|
わるい にぎる でる |
|
|
| 138 |
|
切り石 |
|
きりいし |
Ⅰ |
下146 |
192 |
石屋に切られた/切り石は、/飛んで街道(かいど)の/水たまり。//学校もどりの/左側、/はだしの子供(こども)よ、/ |
|
石屋＝学校付近の石屋 |
きる とぶ |
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気をつけな。//切り石ゃ切られて/おこってる。 |
|
きをつける おこる |
|
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| 139 |
|
魚の嫁入り |
|
さかなのよめいり |
Ⅰ |
下148 |
193 |
さかなの姫さまお嫁入り、/むこうの島までお嫁入り。//島までつづいたお行列、/ぎんぎら、ぎんぎら、銀かざり。// |
|
童話的（姫さま）魚類（さかな） |
●
つづく |
|
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島の上にはお月さま、/提灯ともしておむかえよ。//さてもみごとなお行列、/海のおもてをねってゆく。 |
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ともす むかえる ねる |
|
|
| 140 |
|
ばあやのお話 |
|
ばあやのおはなし |
Ⅰ |
下150 |
194 |
ばあやはあれきり話さない、/あのおはなしは、好きだのに。//「もうきいたよ」といったとき、/ずいぶんさびしい顔してた。// |
|
家族（祖母）植物（草・野茨） |
はなす きく すき |
|
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|
ばあやの瞳(め)には、草山の、/野茨(のばら)のはな（花）が映ってた。//あのおはなしがなつかしい。/もしも話してくれる |
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うつる |
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なら、/五度も、十度も、おとなしく、/だまって聞いていようもの。 |
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だまる きく |
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| 141 |
|
蛍のころ |
|
ほたるのころ |
Ⅰ |
下152 |
195 |
ほたるのころに/なりました。//新しい/麦わらで、/小さな蛍籠（かご）/編みましょか、/編み編み小径（こみち）を/ |
|
昆虫（蛍）植物（露草） |
あむ |
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|
行きましょか。//青いつゆくさ（露草）、/露のみち（径）、/はだしで踏み踏み/ゆきましょか。/ |
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いく ふむ ゆく |
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| 142 |
|
口真似
-父さんのない子の唄- |
|
くちまねーとうさんのない |
Ⅰ |
下154 |
196 |
「お父ちゃん、/おしえて（教えて）よう。」/あの子は甘えて/いっていた。//別れてもどる/裏みちで、/「お父ちゃん。」/ |
|
家族（父） |
おしえる あまえる いう |
|
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|
このうたー |
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|
そっと口真似/してみたら、/なんだか誰(だれ)かに/はずかしい。//生垣の/しろ（白）い木槿(むくげ)が/笑うよう。 |
|
植物（木槿） |
わかれる わらう |
|
| 143 |
|
花の名まえ |
|
はなのなまえ |
Ⅰ |
下156 |
198 |
御本のなかにゃたくさんの、/花の名まえ（名前）があるけれど、/私（わたし）はその花知らないの。//町（まち）でみるのは、 |
|
植物（花）家族（母） |
しらない |
|
|
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人、くるま（車）、/海には舟（ふね）と波ばかり。/いつも港はさみしいの。//花屋のかごに、おりおりは、/きれいな花を |
|
乗物(車・舟） |
|
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|
みるけれど、/私はその名を知らないの。//母さん（かあさん）にきいても、母さんも、/町にいるから、知らないの。/ |
|
きく |
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いつも私はさみしいの。//寝かせばねむる、人形も、//御本も、まりも、みなすてて、/いま、いま、私は、行きたいの。// |
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ねる すてる いく |
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ひろい田舎（いなか）の野を駈けて、/いろんな花の名を知って、/みんなお友だちになれるなら。 |
|
かける しる |
|
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| 144 |
|
田舍の絵 |
|
いなかのえ |
Ⅰ |
下160 |
200 |
私（わたし）は田舎（いなか）の絵をみます。/さびしいときは、絵のなかの、/白い小みち（小径）をまいります。//むこうに |
|
関連（美しい町
Ⅰ-上112） |
みる まいる みえる |
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見えるは水車小屋、/見えないけれど、あの中にゃ、/やさしい番人のお爺さん（おじいさん）。/小屋の木かげ（陰・蔭）にゃ |
|
植物（木・ぐみ） |
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|
茱萸(ぐみ)の木に、/あか（赤）い茱萸の実熟れてましょ。//あすこにみえる山かげにゃ、/ちいさな村があるのです。// |
|
うれる |
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|
|
田舎の絵にある小みちには、/誰（だれ）もいません、静かです。//表にゃ忙(せわ)しい、人、車、/それでも絵のなか静か |
|
乗物(車） |
しずか せわしい |
|
|
|
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|
|
|
です。/いつでものどかな日和(ひより)です。 |
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| 145 |
|
お菓子買い |
|
おかしかい |
Ⅰ |
下164 |
205 |
母さん（かあさん）に言わない/お菓子買い、/菓子屋のかどを/いくたびも、/行って、戻って、/また行って。//都(みやこ) |
|
家族（母） |
いう かう いく もどる |
|
|
|
|
|
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|
|
|
ことば（言葉）の/小母さま(おばさま)に、/一つ（ひとつ）貰うた/しろ（白）い銭、/握って、握って/汗が出る。 |
|
もらう にぎる でる |
|
|
| 146 |
|
魚売りの小母さんに |
|
さかなうりのおばさんに |
Ⅰ |
下166 |
206 |
魚売りさん、/あっち向いてね、/いま、あたし（わたし・私）、/花を挿すのよ、/さくらの花を。//だって小母さん(おばさん)、/ |
|
関連（山ざくら
Ⅱ-下110） |
★
さす |
|
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|
あなたの髪にゃ、/花かんざしも/星のよなピンも、/なんにもないもの、さびしいもの。//ほうら、小母さん、/あなたの髪 |
|
植物（さくら・花）カタカナ（ピン） |
|
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|
|
|
に、/あのお芝居の/お姫さまの、/かんざしよりかきれいな花が、/山のさくらが咲きました。//魚売りさん、/こっち向いて |
|
魚類（魚売り） |
さく むく |
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|
|
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|
|
ね、/いま、あたし、/花を挿したの、/さくらの花を。 |
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| 147 |
|
れんげ |
|
れんげ |
Ⅰ |
下170 |
208 |
ひィらいた（開いた）/つゥぼんだ（つぼんだ）、/お寺の池で/れんげの花が。//ひィらいた/つゥぼんだ、/ |
|
類似題（げんげ
Ⅱ-下154） |
ひらく つぼむ |
|
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|
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|
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お寺の庭で/手つないだ子供（こども）。// |
|
類似（蜂と神さま
Ⅱ-上22） |
つなぐ |
|
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|
ひィらいた/つゥぼんだ、/お寺のそとで/お家（おうち）が、町（まち）が。 |
|
植物（れんげ） |
|
|
| 148 |
|
燕の母さん |
|
つばめのかあさん |
Ⅰ |
下172 |
209 |
ついと出ちゃ/くるっとまわって/すぐもどる。//つういと/すこうし行っちゃ/また戻る。//つういつうい、/横町(よこちょ)へ |
|
動物（燕）家族（母子燕） |
でる まわる いく |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
行って/またもどる。//出てみても、/出てみても、/気にかかる、//おるすの/赤ちゃん/気にかかる。 |
|
でる |
|
|
| 149 |
|
木の実と子供 |
|
きのみとこども |
Ⅰ |
下174 |
211 |
こぼれた木の実はひろわれる、/紺屋(こうや)のまま子（継子）にひろわれる。//紺屋のまま子は叱られる、/日暮れて |
|
植物（木の実） |
こぼれる ひろう しかる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
もどって叱られる。//ひろわれた木の実はすてられる、/紺屋のお背戸にすてられる。//すてられ木の実は芽がのびる、/ |
|
もどる すてる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
紺屋のまま子のしらぬまに。 |
|
しらない |
|
|
| 150 |
|
手品師 |
|
てじなし |
Ⅰ |
下176 |
212 |
私（わたし）はきのう、決めたのよ、/いまに大きくなったらなら、/上手な手品師になることを。//きのう見て来た手品師は、/ |
|
植物（薔薇）動物（鳩） |
きめる おおきい みた |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
みるまに薔薇の花咲かせ、/ばらをお鳩（はと）に変えていた。 |
|
さく かえる |
|
|
| 151 |
|
田舍 |
|
いなか |
Ⅰ |
下178 |
213 |
私は見たくてたまらない。/小さな蜜柑(みかん)が蜜柑の木に、/金色に熟れて(うれて)いるとこを。//また、無花果(いちじく) |
|
植物（みかん・木・いちじく） |
ちいさな うれる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
がまだ子供（こども）で、/木にかじりついているとこを。//それから、穂麦(ほむぎ)に風が吹き、/雲雀(ひばり)が歌をうたう |
|
動物（ひばり）植物（麦・花） |
かじりつく ふく |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
とこを。//私は行きたくてたまらない。//雲雀がうたうのは春だろうけれど、/蜜柑の木にはいつ頃に、/どんなお花が咲く |
|
いく さく |
|
|
|
|
|
|
|
|
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だろうな。//絵にしきゃ見ない田舎（いなか）には、/絵にないことが、きっと、/たくさんたくさんあるだろうな。 |
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| 152 |
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しあわせ |
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しあわせ |
Ⅰ |
下180 |
215 |
桃いろお衣（べべ）のしあわせ（幸せ）が、/ひとりしくしく泣いていた。//夜更けて雨戸をたたいても、/誰（だれ）も知らない、 |
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植物（桃いろ）家族（母・子） ● |
なく ふける たたく しらない |
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さびしさに、/のぞけば、暗い灯(ひ・あかり)のかげ（陰）に、/やつれた母さん（かあさん）、病気の子。//かなしく次のかどに |
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さびしい のぞく くらい |
やつれる かなしい |
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立ち、/またそのさき（先）の戸をたたき、/町（まち）中まわってみたけれど、/誰（だれ）もいれて（入れて）はくれないと、// |
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たつ たたく まわる いれる |
★（逆転の目線） |
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月の夜ふけの裏町で、/ひとりしくしく泣いていた。 |
|
なく |
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| 153 |
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私と王女 |
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わたしとおうじょ |
Ⅰ |
下182 |
216 |
とおい（遠い）お国の王女さま、/私（わたし）によう似た王女さま、/真紅（まっか・まあか）な薔薇を折ろうとて、/刺(とげ)に |
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童話的（王女・王） |
にる おる |
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さされて死にました。//父王さまのおなげきに、/忠義一途（ちゅうぎいちず）の御家来（ごけらい）は、/白いお馬でかぽかぽ |
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植物（薔薇）動物（馬） |
さす しぬ なげく |
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と、/ある日、お城をたちました。//私（わたし）のことは、知りもせず、/かわい（かわいい）王女に似た子をと、/尋ね |
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たつ しる たずねる |
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（たずね）さがして、いつまでも、/白いお馬でかぽかぽと。//山のむこうの、青ぞら（空）を、/きょうもお馬は、かぽかぽと。 |
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| 154 |
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曲馬の小屋 |
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きょくばのこや |
Ⅰ |
下184 |
218 |
楽隊の音にうかうかと、/小屋のまえ（前）まで来は来たが、//灯(あかり)がちらちら、御飯（ごはん）どき、/母さん |
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家族（母・弟）カタカナ（テント） |
くる |
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（かあさん）お家（おうち）で待っていよう。//テントの隙(すき)にちらと見た、/弟に似たよな曲馬の子、/なぜか恋しい、 |
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まつ みる にる こいしい |
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なつかしい。//町（まち）の子供（こども）はいそいそと、/母さんに連れられて、はいって（入って）く。//柵（さく）にすがって |
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つれ はいる すがる |
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しみじみと、/母さんおもえど（思えど）、かえ（帰）られぬ。 |
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おもう かえる |
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| 155 |
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御殿の桜 |
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ごてんのさくら |
Ⅰ |
下186 |
219 |
御殿（ごてん）の庭（にわ）の八重（やえ）ざくら（桜）、/花が咲かなくなりました。/御殿のわかい（若い）殿さまは、/ |
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植物（桜・花・葉・木） |
さく |
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町（まち）へおふれを出しました。//青葉ばかりの木の下で、/剣術（けんじゅつ）つかい（使い）がいいました。/ |
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植物（牡丹・芍薬・芥子） |
だす いう |
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「咲かなきゃ切ってしまうぞ。」と。//町の踊り子（おどりこ）は言いました。/「私の踊りみせたなら、/笑ってすぐに |
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きる いう みせる
わらう |
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咲きましょう。」//手品（てづま・てじな）つかいはいいました。/「牡丹（ぼたん）、芍薬（しゃくやく）、芥子（けし）の花、/ |
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みんな此の（この）枝へ咲かせましょ。」//そこで桜がいいました。/「私の春は去（い）にました、/みんな忘れた |
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いぬる＝過ぎ去る わすれる |
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そのころに、/私の春がまた来ます。/そのときこそは、咲きましょう、/わたし（私）の花に咲きましょう。」 |
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くる |
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| 156 |
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お祖母様と浄瑠璃 |
|
おばあさまとじょうるり |
Ⅰ |
下189 |
221 |
縫いもの（ぬいもの）しながらお祖母さま（おばあさま）は、/いつもおはなし（お話）、きかせました。/おつる、千松 |
|
家族（祖母） |
きく |
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（せんまつ）、中将姫（ちゅうじょうひめ）・・・・・・、みんなかなしい（悲しい）話ばかり。//お話しながらお祖母さまは、/ |
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浄瑠璃＝三味線を伴奏にした語り |
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ときどき浄瑠璃（じょうるり）をきかせました。/おもい（思い）出しても胸がいたむ、/それはかなしい調子（ちょうし）でした。// |
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きかせる おもいだす |
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中将姫をおもう（思う）せいか、/そのことはみんなみんな、/雪の夜のようにおもわれます。//それももう遠いむかし（昔）、/ |
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おもう |
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うたの言葉（ことば）はわすれ（忘れ）ました。//ただ、せつない、ひびき（響き）ばかり、/ああ、いまも、水のように、/ |
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わすれる ひびく |
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かなしくしずかに（静かに）沁みて（しみて）きます。/さらさらと、さらさらと、/ふる雪の音さえも・・・・・・。 |
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かなしい しみる |
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| 157 |
|
帆 |
|
ほ |
Ⅰ |
下192 |
223 |
港に着いた舟（ふね）の帆は、/みんな古びて黒いのに、/はるかの沖をゆく舟は、/光（ひかり）かがやく（輝く）白い帆 |
|
同題（帆
Ⅲ-上60） |
ふるい |
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ばかり。//はるかの沖の、あの舟は、/いつも、港へつかないで、/海とお空のさかいめ（境目）ばかり、/はるかに遠く |
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乗物
(舟） |
つく とおい |
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行くんだよ。//かがやきながら、行くんだよ｡ |
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いく |
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| 158 |
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蚊帳 |
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かや |
Ⅰ |
下194 |
224 |
かやのなかの私（わたし）たち、/網にかかったおさかな（お魚）だ。//なにも知らずにねてる（寝てる）まに、/ひまなお星が |
|
魚類（魚） |
★ かかる しらない |
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曳（ひ）きにくる。/夜の夜なかに眼がさめ（覚め）りゃ、/雲の砂地にねて（寝て）いよう。//波にゆらゆら、青い網、/みんな |
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ひく さめる ねる |
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|
はあわれなお魚だ。 |
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| 159 |
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雨のあと |
|
あめのあと |
Ⅰ |
下196 |
225 |
日かげ（陰・影）の葉っぱは/泣きむし（泣き虫）だ、/ほろりほろりと/泣いている。//日向(ひなた)の葉っぱは/笑い出す、/ |
|
植物（葉）カタカナ（ハンカチ） |
なく わらう |
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なみだ（涙）の痕(あと)が/もう乾く（かわく）。//日かげの葉っぱの/泣きむしに、/たれ（誰・だれ）か、ハンカチ/貸してやれ。 |
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かす |
|
|
| 160 |
|
海へ |
|
うみへ |
Ⅰ |
下198 |
226 |
祖父さ(じいさ・おじいさん）も海へ、/父さ(ととさ・おとうさん)も海へ、/兄さ(あにさ)iも海へ、/みんなみんな海へ。// |
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家族（祖父・父・兄・おいら） |
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海のむこうは/よいところだよ、/みんな行ったきり/帰りゃあしない。//おいらも早く/大人になって、/やっぱり海へ/ |
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いく かえる |
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ゆくんだよ。 |
|
ゆく |
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| 161 |
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空の鯉 |
|
そらのこい |
Ⅰ |
下200 |
227 |
お池の鯉よ、なぜ跳ねる（はねる）。//あの青空を泳いでる、/大きな鯉になりたいか。//大きな鯉は、今日ばかり、/ |
|
魚類（鯉） |
およぐ おおきい |
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明日はおろして、しまわれる。/はかない事をのぞむ（望む）より/跳ねて、あがって、ふりかえれ。//おまえの池の水底に、/ |
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おろす しまう はねる あがる |
ふりかえる |
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あれはお空のうろこ雲。//おまえも雲の上をゆく、/空の鯉だよ、知らないか。 |
|
しらない |
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| 162 |
|
青い空 |
|
あおいそら |
Ⅰ |
下202 |
229 |
なん（何）にもない空/青い空、/波のない日の/海のよう。//あの真ん中へ/とび込んで、/ずんずん泳いで/ |
|
とびこむ およぐ |
|
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ゆきたいな。//ひとすじ立てる/白い泡（あわ）、/そのまま雲に/なるだろう。 |
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ゆく たつ |
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| 163 |
|
楊とつばめ |
|
やなぎとつばめ |
Ⅰ |
下204 |
230 |
無事でいたかと/川やなぎ（楊・柳）、/若いつばめ（燕）に/いいました。//ふたり（二人）啼いてた/その枝よ、/ひとり（一人） |
|
植物（楊・柳・枝）動物（燕） |
いう なく |
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は旅で/死にました。//若いつばめは/もの言わず、/ついと水の面(みのも)を/ゆきました。/ |
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しぬ ゆく |
|
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| 164 |
|
海とかもめ |
|
うみとかもめ |
Ⅰ |
下206 |
231 |
海は青いとおもって（思って）た、/かもめは白いと思ってた。//だのに、今見る、この海も、/かもめの翅(はね)も、ねずみ |
|
類似（不思議
Ⅲ-下56） |
おもう |
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色。//みな知ってるとおもってた、/だけどもそれはうそ（嘘）でした。/空は青いと知ってます、/雪は白いと知ってます。// |
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動物（かもめ・ねずみ色） |
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みんな見てます、知ってます、/けれどもそれもうそかしら。 |
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みる しる |
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| 165 |
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さよなら |
|
さよなら |
Ⅰ |
下208 |
232 |
降りる子は海に、/乗る子は山に。//船（ふね）はさんばし（桟橋）に、/さんばしは船に。//鐘の音は鐘に、/けむり（煙）は |
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同題（さよなら
Ⅱ-下94） |
★ おりる のる |
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町（まち）に。//町は昼間に、/夕日は空に。//私（わたし）もしましょ、/さよならしましょ。//きょうの私に/さよならしましょ。 |
|
乗物（船）気象（夕日） |
● |
|
| 166 |
|
夕立征伐 |
|
ゆうだちせいばつ |
Ⅰ |
下210 |
234 |
たらいの舟(ふね）に積むものは、/光るサーベル、杉鉄砲（すぎでっぽう・てっぽう）。/お八つ（おやつ）に貰ったビスケット |
|
遊び（鉄砲・箱庭）乗物（舟） |
つむ ひかる もらう |
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。//さあさ、船出(ふなで）のお支度だ、/艦長(かんちょう）さんの乗込みだ。/みち（道・路）で金魚(きんぎょ）がきいたなら、/ |
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ｶﾀｶﾅ（ｻｰﾍﾞﾙ・ﾋﾞｽｹｯﾄ） |
のる きく |
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私（わたし）はいばってどなるのだ。//「私のこさえた箱庭(はこにわ）を、/たたいて、こわして、行っちゃった、/いまの夕立 |
|
気象（夕立ち） |
いばる こさえる たたく こわす |
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（ゆうだち）、征伐（せいばつ）に。」 |
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| 167 |
|
見えないもの |
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みえないもの |
Ⅰ |
下212 |
235 |
ねんね（寝んね）した間になに（何）がある。//うすももいろ（薄桃色）の花びらが、/お床（とこ）の上に降り積り、/お目々 |
|
類似（人形と子供
Ⅲ-下51） |
ふる つもる |
|
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さま（覚ま）せば、ふと消える。//誰（だれ）もみたもの（見た者）ないけれど、/誰がうそ（嘘）だといいましよう。/まばたき |
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植物（桃色の花）動物（天馬） |
さます きえる いう |
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するま（間）に何がある。//白い天馬が翅(はね)のべて、/白羽の矢よりもまだ早く、/青いお空をすぎてゆく。//誰もみた |
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すぎる ゆく |
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ものないけれど、/誰がうそだといえましよう。 |
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| 168 |
|
御本と海 |
|
ごほんとうみ |
Ⅰ |
下214 |
237 |
ほかの（他の）どの子が持っていよ、/いろんな御本、このように。//ほかのどの子が知っていよ、/支邦（しな）や印度 |
|
童話的（人魚） |
もつ しる |
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（いんど）のおはなし（お話）を。//みんな御本をよまない子、/なに（何）も知らない漁夫(りょうし)の子。/
みんなはみんなで |
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よむ しらない ゆく |
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海へゆく、/
私は私で本を読む、/大人がおひるね（昼寝）してるころ。/みんなはいまごろ、あの海で、/波に乗ったり、 |
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のる もぐる みる |
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もぐったり、/人魚のように、あそぶ（遊ぶ）だろ。//人魚のくに（国）の、おはなしを、/御本のなかで、みていたら、/海へ |
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ゆく |
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|
ゆきたくなっちゃた。//急に、行きたくなっちゃった。 |
|
いく |
|
|
| 169 |
|
花火 |
|
はなび |
Ⅰ |
下217 |
239 |
あがる、あがる、花火、/花火はなに（何）に、/やなぎ（柳・楊）と毬(まり)に。//消える、消える、花火、/消えてはなにに、/ |
|
同題（花火
Ⅱ-上54） |
きえる |
|
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|
見えない国の花に。 |
|
植物（やなぎ・花） |
みえない |
|
| 170 |
|
駆けっこ |
|
かけっこ |
Ⅰ |
下218 |
240 |
駈けっこをするたびに、/きっとちらりと目（め）にうかぶ（浮かぶ）、/濃いむらさき（紫）の旗の色。//よその学校(がっこ)の |
|
|
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運動場、/よその子供（こども）とならんでて、/わくわくしてて、走ってて、/ころんだときに、ちらと見た、/うちの学校の旗の |
|
ならぶ はしる ころぶ |
|
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|
|
|
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|
|
|
色。//駈けっこをするたびに、/きっとちらりと目にうかぶ。 |
|
かけっこ |
|
|
| 171 |
|
かんざし |
|
かんざし |
Ⅰ |
下220 |
241 |
誰（だれ）も知らない、/あのかんざしに、/
千代紙（ちよがみ）着せて/
あそんだ（遊んだ）ことを。/
母さま（かあさま）は |
|
遊び（千代紙）家族（母・兄） |
しらない きせる あそぶ |
|
|
|
|
|
|
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|
|
お湯（おぶう）だったし、/ 兄さん(にいさん）はお使いだったし・・・・・・。//誰（だれ）が見ていた、/あのかんざしを、/ |
|
植物（花・金銀草） |
お湯＝お風呂 みた |
|
|
|
|
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|
|
|
|
そっとかくして/しまったことを。/ お日さま（おひさま）は沈んでたし、/ お月さまはまだだったし・・・・・・。// |
|
かくす しまう しずむ |
●● |
|
|
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|
|
|
|
|
|
誰がみつけよ、/あのかんざしの、/花のおくび（お首）が/もげてることを。/ 昼間も暗い隅っこだし、/ 金銀草 |
|
みつける もげる くらい |
|
|
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|
|
|
|
|
|
(きんぎんそう)は茂って(しげって）いるし・・・・・。//誰も知らない/誰も知らない。 |
|
しげる |
|
|
| 172 |
|
きのうの山車 |
|
きのうのだし |
Ⅰ |
下224 |
243 |
祭のあくる日、ひるねごろ、/みんながお昼寝、あちこちに。//さびしくかどに立ってたら、/きのうの山車(だし)がゆきまし |
|
祭り（山車=祇園社の山車) |
さびしい たつ ゆく |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
た。//花も人形もこわされて、/車ばかしがごろごろと、/かわいた路（みち）をゆきました。//ひとり（一人）さびしく見おくれば |
|
植物（花） |
こわす ゆく みおくる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
、/きのうの山車も、曳く（ひく）人も、/埃(ほこり)のなかになりました。/ |
|
ひく |
|
|
| |
|
Ⅰ- 美しい町
（下） |
|
Ⅰ |
Ⅰ |
|
|
Ⅰ- 美しい町
（下） |
|
Ⅰ |
Ⅰ |
|
| |
|
Ⅱ-
空のかあさま （上） |
|
Ⅱ |
Ⅱ |
|
|
Ⅱ-
空のかあさま （上） |
|
Ⅱ |
Ⅱ |
|
| 173 |
|
繭とお墓/繭と墓 |
|
まゆとおはか/まゆとはか |
Ⅱ |
上12 |
3 |
蚕（かいこ）は繭（まゆ）に/はいります。/きゅうくつそうな/あの繭に。//けれど、蚕は/うれしかろ、/蝶々(ちょうちょ）に |
|
新旧異題（繭とお墓） |
はいる うれしい |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
なって/飛べるのよ。//人（ひと）はお墓へ/はいります、/暗いさみしい/あの墓へ。//そして、いい子は/ |
|
関連（金魚のお墓
Ⅱ下-22） |
とぶ くらい |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
翅(はね）が生え、/天使になって/飛べるのよ。 |
|
昆虫（かいこ） |
はえる |
|
| 173 |
|
繭と墓/繭とお墓 |
|
まゆとはか/まゆとおはか |
Ⅱ |
|
3 |
蠶（かいこ）は繭（まゆ）に/はいります。/きうくつさうな/あの繭に。//けれど、蠶は/うれしかろ、/蝶々(ちょうちょ）に |
|
新旧異題（繭と墓） |
はいる うれしい |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
なつて/飛べるのよ。//人（ひと）はお墓へ/はいります、/暗いさみしい/あの墓へ。//そしていい子は/ |
|
昆虫（かいこ） |
とぶ くらい |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
翅(はね）が生え、/天使になつて/飛べるのよ。 |
|
はえる |
|
|
| 174 |
|
明るい方へ |
|
あかるいほうへ |
Ⅱ |
上14 |
5 |
明るい方へ/明るい方へ。//一つ（ひとつ）の葉でも/陽（ひ）の洩る（もる）とこへ。//藪（やぶ）かげ（陰・蔭）の草は。// |
|
植物（葉・藪・草）昆虫（虫） |
● あかるい |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
明るい方へ/明るい方へ。//翅(はね)は焦げよと/灯（ひ・あかり）のあるとこへ。//夜飛ぶ虫は。//明るい方へ/明るい |
|
こげる とぶ |
|
|
|
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|
|
|
|
|
|
方へ。//一分（いちぶ）もひろく/日の射す（さす）とこへ。//都会(まち)に住む子等は。 |
|
ひろい すむ |
|
|
| 175 |
|
行商隊
（カラバン) |
|
からばん |
Ⅱ |
上18 |
7 |
ひろいひろい砂漠（さばく）だ。/くろ（黒）いくろいかげ（影）を、/うつして（映して）続いて行くのは、/行商隊（カラバン）だ、 |
|
カタカナ（カラバン） |
うつす つづく いく |
|
|
|
|
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|
|
|
|
行商隊だ。/―
駱駝(らくだ）のむれ（群れ）はみな黒い、/ そうして脚（あし）が六つ（むっつ）ある。//あつい（暑い） |
|
植物（椰子・木・花・はまなでしこ） |
|
|
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|
|
|
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|
あつい砂漠だ。/しんと照るまひる（真昼）だ。/百里(ひゃくり）南は大海（（おおうみ）、/百里北には椰子（やし）の木。/ |
|
動物（駱駝） |
てる |
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|
|
―
その椰子の木に咲く花は、/はまなでしこの色してる。//山も谷も砂だ。/はて（果て）も知れない砂漠だ。/しずかに黒く |
|
昆虫（蟻） |
しれない |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ゆくのは、/行商隊だ、行商隊だ。/― あついまひるの砂浜の/
黒い小蟻（こあり）の行列だ。 |
|
ゆく |
|
|
| 176 |
|
空の大川 |
|
そらのおおかわ |
Ⅱ |
上20 |
9 |
空の川原は/石ころばかり、/ころりころりと/石ころばかり。//青い川すじ/しずしずゆくは、/ほそい白帆(しらほ）の/ |
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乗物（笹舟） |
●★ |
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三日月さまよ。//夢とながれる/ながれのなかに、/星もうかぶ（浮かぶ）よ/笹舟(ささぶね・ふね）のように。 |
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| 177 |
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蜂と神さま |
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はちとかみさま |
Ⅱ |
上22 |
10 |
蜂はお花のなかに、/お花はお庭のなかに、/お庭は土塀(どべい)のなかに、/土塀は町（まち）のなかに、/ |
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類似（れんげ
Ⅰ-下170） |
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町は日本のなかに、/日本は世界のなかに、/世界は神さまのなかに。// |
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昆虫（蜂）植物（花） |
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そうして、そうして、神さまは、/小ちゃな蜂のなかに。 |
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神仏（神さま） |
ちいさい |
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空のかあさま |
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そらのかあさま |
Ⅱ |
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ﾀｲﾄﾙのみ |
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金子みすゞノート |
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| 178 |
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女の子 |
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おんなのこ |
Ⅱ |
上24 |
11 |
女の子って/ものは、/木のぼりしない/ものなのよ。//竹馬乗ったら/おてんばで、/打(ぶ)ち独楽するのは/お馬鹿なの。// |
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植物（木）遊び（竹馬・独楽） |
のぼる のる ぶつ |
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私（わたし）はこいだけ（これだけ）/知ってるの、/だって一ぺん（いっぺん）ずつ/叱られたから。 |
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しる しかる |
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| 179 |
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お月さまの唄 |
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おつきさまのうた |
Ⅱ |
上26 |
12 |
「あとさま、なァんぼ（なんぼ）。」/「あとさま、なァんぼ。」/
ばあやは教えてくれました、/
ちょうどこのよな夕月に。.// |
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家族（ばあや・弟） |
● おしえる |
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「十三(じゅうさん）、九つ（こォこのつ）。」/「十三、九つ。」/
いまは、弟(おとと・おとうと）に教えます、/ おなじお背戸 |
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(せど）で手々(てて)ひいて。//「まだ年ゃ（としゃ）、わァかい（若い）な。」/「まだ年ゃ、わァかいな。」/ 私（わたし）は |
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ひく わかい |
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このごろ唄（うた）わない、/ お月さまみても、忘れてた。//「あとさま、なァんぼ。」/「あとさま、なァんぼ。」// みえぬ |
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うたう みる わすれる
みえない |
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ばあやが手々ひいて、/ おもい（思い）出させてくれるよな。 |
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おもいだす |
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| 180 |
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夜ふけの空 |
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よふけのそら |
Ⅱ |
上28 |
14 |
人と、草木（くさき）のねむる（眠る）とき、/空はほんとにいそがしい（忙しい）。//星のひかり（光）はひとつ（一つ）ずつ、/ |
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類似（忙しい空
Ⅰ-上122） |
★ |
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きれいな夢(ゆめ）を背（せな）に負い、/みんなのお床（おとこ）へとどけ（届）よと、/ちらちらお空をとび交うし、/ |
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植物（草木・花・葉） |
せおう とどける とびかう |
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露姫(つゆひめ）さまは明けぬまに、/町（まち)の露台（ろだい）のお花にも、/お山のおくの下葉（したば）にも、/ |
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あける |
露台＝バルコニー |
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残らず露をくばろうと、/銀のお馬車をいそがせる。//花と、子供(こども）のねむるとき、/空はほんとにいそがしい。 |
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のこる くばる いそぐ |
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| 181 |
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芝草/芝草 |
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しばくさ/しばくさ |
Ⅱ |
上30 |
15 |
名は芝草というけれど、/その名を言ったことはない。//それはほんとにつまらない、/みじかい（短い）くせに、そこら |
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新旧相違（芝草）
乗物 (馬車） |
関連（お日さん、雨さん
Ⅱ-上128） |
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じゅう、/みち（道・路）の上まではみ出して、/力いっぱいりきんでも、/とてもぬけない、つよい草。//げんげ（れんげ）は紅 |
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植物（芝草・れんげ・すみれ・葉） |
はみだす ぬける りきむ |
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(あか）い花がさく、/すみれは葉までやさしいよ。/かんざし草はかんざしに、/きょうびななんかは笛になる。//けれども |
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植物（かんざし草・きょうびな） |
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もしか野原じゅう、/そんな草たちばかしなら、/くたびれたとき、わたし（私）らは、/どこへ腰かけ、どこへね（寝）よう。// |
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くたびれる こしかける ねる |
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青い、丈夫な、やわらかな、/たのしい（楽しい）ねどこよ、芝草よ。 |
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| 181 |
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芝草/芝草 |
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しばくさ/しばくさ |
Ⅱ |
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15 |
名は芝草といふけれど、/その名をよんだことはない。//それはほんとにつまらない、/みじかい（短い）くせに、そこら中、/ |
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新旧相違（芝草） |
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みち（道・路）の上まではみ出して、/力いつぱいりきんでも、/とても抜けない、つよい草。//げんげ（れんげ）は紅(あか）い |
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植物（芝草・れんげ・すみれ・葉） |
はみだす ぬける りきむ |
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花が咲く、/すみれは葉までやさしいよ。/かんざし草はかんざしに、/京びななんかは笛になる。//けれどももしか |
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植物（かんざし草・きょうびな） |
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原つぱが、/そんな草たちばかしなら、/あそびつかれたわたし（私）等は、/どこへ腰かけ、どこへ寝よう。// |
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あそぶ つかれる こしかける |
ねる |
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青い、丈夫な、やはらかな、/たのしい（楽しい）ねどこよ、芝草よ。 |
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| 182 |
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人なし島 |
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ひとなしじま |
Ⅱ |
上33 |
17 |
人なし島にながされ(流され）た、/私はあわれなロビンソン。/ひとり（一人）ぼっちで、砂にいて、/はるかの沖をながめ |
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類似（漁夫の子の唄
Ⅲ-下67） |
ながされる ながめる |
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（眺め）ます。/沖は青くてくすぼって（くすぶって）、/お船（ふね）に似てる雲もない。/きょうも、さみしく、あきらめて、/私 |
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カタカナ（ﾛﾋﾞﾝｿﾝ）乗物
(船） |
あきらめる |
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（わたし）の岩窟（いわや）へかえりましょ。/（おや、誰かしら、出て来ます、/水着着た子が三五人。）/百枚飛ばして、 |
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家族（父・私）植物（すいか） |
かえる でてくる きる とばす |
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ロビンソン、/めでたくお国へつき（着き）ました。/（父さん（とうさん）お昼寝、さめた（覚めた）ころ、/お八つ（おやつ）の西瓜 |
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めでたい つく さめる |
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（すいか）の冷えたころ。）/うれしい、うれしい、ロビンソン、/さあさ、お家（おうち）へいそぎ（急ぎ）ましょ。 |
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ひえる いそぐ |
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| 183 |
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朝顔の蔓 |
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あさがおのつる |
Ⅱ |
上36 |
19 |
垣（かき）がひくうて（低くて）/朝顔(あさがお）は、/どこへすがろと/さがし（探し）てる。//西もひがし（東）も/みんなみて/ |
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植物（朝顔） |
ひくい
すがる さがす みる |
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さがしあぐねてかんがえる（考える）。//それでも/お日さま（おひさま）こい（恋）しゅうて、/きょうも一寸（いっすん）/また |
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こいしい |
● |
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伸びる。//伸びろ、朝顔、/まっすぐに、/納屋(なや）のひさし（庇）が/もう近い。 |
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のびる ちかい |
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| 184 |
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麦のくろんぼ |
|
むぎのくろんぼ |
Ⅱ |
上38 |
21 |
麦（むぎ）のくろんぼぬき（抜き）ましょう。/金（きん）の穂波（ほなみ）をかきわけて、//麦のくろんぼぬかなけりゃ、/ほかの |
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植物（麦） |
ぬく かきわける |
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穂麦(ほむぎ）にうつるから。//麦のくろんぼ焼きましょう、/小径(こみち）づたいに浜へ出て。/麦になれないくろんぼよ、/ |
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やく でる |
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せめてけむりは空高く。 |
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たかく |
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| 185 |
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入船出船 |
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いりふねでふね |
Ⅱ |
上40 |
22 |
入り船（いりふね）、三艘（さんぞ・そう）、/何(なに）積んで入った。//三つ星(みつぼし）、三つ（みっつ）、/三角帆 |
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乗物（船） |
★ そう（艘） つむ はいる |
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（さんかくほ）にかァくれた（隠れた）。//出船(でふね）が、三艘、/何積んで出たぞ。//赤い灯（ひ・あかり）が、つゥぎつぎ、/ |
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かくれる でる |
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黒い帆にかァくれた。 |
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| 186 |
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ぬかるみ |
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ぬかるみ |
Ⅱ |
上42 |
23 |
この裏まちの/ぬかるみに、/青いお空が/ありました。//とおく（遠く）、とおく、/うつくしく、/澄んだお空が/ありました。// |
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とおい うつくしい すむ |
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この裏まちの/ぬかるみは、/深いお空で/ありました。 |
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| 187 |
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お使い |
|
おつかい |
Ⅱ |
上44 |
24 |
お月さま、/私（わたし）は使いにまいります。/よその譲ちゃん（じょっちゃん）のいいおべべ、/しっかり胸に抱きしめて。// |
|
家族（母） |
● おべべ＝衣服 だく |
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お月さま、/あなたも行ってくださるの、/私の駈けてゆくとこへ。//お月さま、/いたずらっ子に逢わなけりゃ、/いつも私は |
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いく かける あう |
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うれしいの。/おかあさん（母さん）のおしごとを、/よそへ届けにゆくことは。//それに、それに、/お月さま、/私はほんとに |
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まるい |
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うれしいの。/あなたがまあるくなるころに、/私も春着ができるから。 |
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| 188 |
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去年のきょう
-大震記念日に- |
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きょねんのきょう |
Ⅱ |
上46 |
26 |
去年のきょうは、いまごろは、/私は積木（つみき）をしてました。/積木の城はがらがらと、/みるまにくずれて散りました。// |
|
植物（芝生）家族（母） |
● くずれる ちる |
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去年のきょうの、くれ（暮れ）がたは、/芝生のうえに居りました。/黒い火事雲こわいけど、/母さま(かあさま）お瞳（おめめ） |
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遊び（積木） |
いる |
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がありました。//去年のきょうが、暮れてから、/せんのお家(おうち）は焼けました。/あの日届いた洋服も、/積木の城も |
|
くれる やける とどく |
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焼けました。//去年のきょうの、夜(よる）更けて、/火の色映る雲のまに、/白い月かげ（影）みたときも、/母さま抱いてて |
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ふける うつる みた だく |
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くれました。//お衣(おべべ）はみんな、あたらしい、/お家もとうに、建ったけど、/去年のきょうの、母さまよ、/私はさびしく |
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さびしい たつ |
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なりました。 |
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| 189 |
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お菓子 |
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おかし |
Ⅱ |
上50 |
28 |
いたずらに一つ(ひとつ）かくした/弟のお菓子（おかし）。/たべる（食べる）もんかと思ってて、/たべてしまった。 |
|
家族（弟・母） |
かくす おもう |
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一つのお菓子。//母さん(かあさん）が二つ（ふたつ）ッていったら、/どうしよう。//おいてみて/とってみてまたおいてみて、/ |
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いう とる おく |
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それでも弟が来ないから、/たべてしまった、/二つめのお菓子。//にがいお菓子、/かなしいお菓子。 |
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こない |
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| 190 |
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私の丘 |
|
わたしのおか |
Ⅱ |
上52 |
30 |
私（わたし）の丘（おか）よ、さようなら。/茅花（つばな）もぬいた、草笛(くさぶえ）を、/青い空みて吹きもした、/私の丘の |
|
植物（茅花・草） |
★ ぬく ふく |
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青草よ、/みんな元気で伸びとくれ。//私ひとり（一人）はいなくても、/みなはまた来てあす（遊）ぼうし、/ひとりはぐれた |
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のびる あそぶ はぐれる |
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よわむし（弱虫）は、/ちょうど私のしたように、/わたしの丘と呼びもしょう。//けれど、私にゃいつまでも、/「私の丘」よ、 |
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よぶ |
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さようなら。 |
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| 191 |
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花火 |
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はなび |
Ⅱ |
上54 |
31 |
粉雪の晩に、/枯れ柳のかげ（陰・蔭）を、/傘さして通る。//夏の夜にあげた、/柳のかげの/花火をふっと思う。/ |
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同題（花火 Ⅰ-下217） |
さす
とおる あげる おもう |
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雪ん中へあげる/花火がほしいな、/花火がほしいな。//粉雪の晩に、/枯れ柳のかげを、/傘さして通りゃ、// |
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気象（粉雪） |
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遠い日にあげた/花火の匂い、/なつかしくにおう。 |
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なつかしい |
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| 192 |
|
キネマの街 |
|
きねまのまち |
Ⅱ |
上56 |
33 |
あお（青）いキネマの/月が出て/キネマの街）まち）に/なりました。//屋根に/黒猫/居やせぬか。//こわい/マドロス/ |
|
カタカナ（キネマ・マドロス） |
● でる いる |
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来やせぬか。//キネマがえりに/月が出て/見知らぬ街に/なりました。 |
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動物（黒猫） ﾏﾄﾞﾛｽ＝水夫・船員 |
かえる しらない |
|
| 193 |
|
小さな朝顔 |
|
ちいさなあさがお |
Ⅱ |
上58 |
35 |
あれは/いつかの/秋の日よ。//お馬車で通った村（むら）はずれ、/草屋(くさや）が一けん（いっけん）、竹の垣（かき）。// |
|
植物（草・竹・朝顔）乗物(馬車） |
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竹の垣根に空いろの、/小さな(ちいさな）朝顔（あさがお）咲いていた。/─
空をみている瞳(め）のように。// |
|
さく みる |
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あれは/いつかの/晴れた日よ。 |
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| 194 |
|
薔薇の根/薔薇の根 |
|
ばらのね |
Ⅱ |
上60 |
36 |
はじめて咲いた薔薇（ばら）は、/紅（あか）い大きな（おおきな）薔薇だ。/
土のなかで根がおもう。/
「うれしいな、/ |
|
新旧相違（薔薇の根） |
さく おもう |
|
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うれしいな。」//二年め(にねんめ）にゃ、三つ（みっつ）、/紅（あか）い大きな薔薇だ。/土のなかで根がおもう。/ |
|
植物（薔薇・花） |
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「また咲いた、/
また咲いた。」//三年め(さんねんめ）にゃ、七つ（ななつ）、/紅い大きな薔薇だ。/ |
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|
|
|
土のなかで根がおもう。/
「はじめの花は/
なぜ咲かぬ。」 |
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| 194 |
|
薔薇の根/薔薇の根 |
|
ばらのね |
Ⅱ |
|
36 |
はじめて咲いた薔薇（ばら）は/紅（あか）い大きな（おおきな）薔薇だ。/
土のなかで根がおもふ/
「うれしいな、/ |
|
新旧相違（薔薇の根） |
さく おもう |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
うれしいな。」//二年め(にねんめ）にゃ、三つ（みっつ）、/紅（あか）い大きな薔薇だ。/土のなかで根がおもふ/ |
|
植物（薔薇・花） |
|
|
|
|
|
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|
|
|
|
「また咲いた、/
また咲いた。」//三年め(さんねんめ）にゃ、七つ（ななつ）、/紅い大きな薔薇だ。/ |
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|
|
|
|
土のなかで根がおもふ/
「はじめのは/
なぜ咲かぬ。」 |
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| 195 |
|
秋 |
|
あき |
Ⅱ |
上62 |
38 |
電灯(でんき）が各自（てんで）に/ひか（光）ってて、/各自にかげ（影）を/こさえてて、/町（まち）はきれいな/縞(しま）に |
|
ひかる こさえる |
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|
なる。//縞の明るい所には、/浴衣(ゆかた）の人が/三五(さんご）人。/縞の小暗い所には、/秋がこっそり/かくれてる。 |
|
あかるい かくれる |
|
|
| 196 |
|
舟のお家 |
|
ふねのおうち |
Ⅱ |
上64 |
39 |
お父さん（おとうさん）に/お母さん(おかあさん）、/それから私と、/お兄さん(おにいさん）と。/舟(ふね）のお家 |
|
家族（父・母・兄・私）乗物（舟） |
|
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(おうち）はたのしいな。//荷役(にやく）がすんで、日がくれ（暮れ）て、/となりの舟の帆柱（ほばしら）に、/宵(よい）の |
|
すむ くれる |
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明星（みょうじょう）のかかるころ、/あか（赤）いたき火に、父さんの、/おはなしきいて、ねんね（寝んね）して。//あけの |
|
かかる きく |
★ |
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明星のしら（白）むころ、/朝風小風(あさかぜこかぜ）に帆（ほ）をあげて、/港(みなと）を出ればひろい海。/靄(もや）が |
|
気象（靄） |
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はれ（晴れ）れば、島がみえ、/波（なみ）が光れば、魚(うお）が飛ぶ。//おひる（昼）すぎから風が出て、/波はむくむく |
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魚類（魚）植物（花） |
はれる ひかる とぶ でる |
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たちあがる、/とおいはるかな海の果て(はて)、/金(きん）の入日（いりひ）がしずむとき、/海は花よりうつくしい。//汐(しお） |
|
かしぐ たべる うける |
● |
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|
たちあがる、/とおいはるかな海の果て(はて)、/金(きん）の入日（いりひ）がしずむとき、/海は花よりうつくしい。//汐(しお） |
|
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|
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旅をする、/舟のお家はうれしいな。 |
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| 197 |
|
海の人形 |
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うみのにんぎょう |
Ⅱ |
上68 |
41 |
大きな（おおきな）真珠のお手まり（てまり）や、/貝のかずかず、枝珊瑚（えださんご）、/人魚(にんぎょ）のむすめ(娘）は |
|
魚貝類(貝）童話的（人魚） |
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飽き(あき）ました。//陸(おか）の子供（こども）のもつ（持つ）という、/黒いおめめ（目々・眼々）の人形（にんぎょう）が、/ |
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家族（母・むすめ） |
あきる |
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ほしい、ほしいと泣きました。//母さん(かあさん）人魚はいとしさに、/人形抱いた児（こ）の船（ふね）を、/沈めて(しずめて) |
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遊び（手まり・人形）乗物（船） |
なく いとしい しずめる |
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それを奪りました。//むすめは人形みるたびに、/とおい（遠い）お国（おくに）がこいしくて、/とうとう海を捨てました。// |
|
とる こいしい すてる |
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海の人形はやわらかな、/藻(も）のゆりかごで、すやすやと、/いまも、お夢(ゆめ）をみています。//陸の人魚は、 |
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やわらかい みる |
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ふるさと（故郷）を、/こいし、こいしと磯(いそ）でなく、/磯のちどり（千鳥）になりました。 |
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動物（千鳥） |
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| 198 |
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かりゅうど |
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かりゅうど |
Ⅱ |
上71 |
43 |
ぼくは小さな（ちいさな）かりゅうど（狩人）だ、/ぼくは鉄砲（てっぽ・てっぽう）の名人（めいじん）だ。//鉄砲は小さな杉鉄砲 |
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遊び（杉鉄砲） |
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（すぎでっぽ）、/弾丸（たま）は枝（えだ）ごと提げて（さげて）いる。//ぼくはやさしいかりゅうどだ、/ほかのかりゅうど行く |
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植物（杉・枝）動物（鳥） |
さげる |
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さきに、//すばやくぬけて、鳥たちに、/みどり（緑）の弾丸を射（う）ってやる。//みどりの弾丸は痛かない、/鳥はびっくり、 |
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ぬける うつ いたい |
うつ いたい |
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飛ぶばかり。//鳥はそのときゃ、怒るだろ、/でも、でも、ぼくはうれしいよ。//ぼくはちいさなかりゅうどだ、/ぼくは鉄砲の |
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おこる |
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名人だ。//みどりの鉄砲、肩(かた）にかけ、/山みち（道）、小みち（径）をすたこらさ。 |
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| 199 |
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土 |
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つち |
Ⅱ |
上74 |
45 |
こッつん、こッつん、/打(ぶ）たれる土（つち）は、/よい畑(はたけ）になって、/よい麦(むぎ）生むよ。//朝から晩まで、/ |
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植物（麦・草） |
ぶたれる うむ |
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踏まれる土は、/よい路(みち）になって、/車(くるま）をとおすよ。//打たれぬ土は、/踏まれぬ土は、/ |
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乗物（車） |
ふむ |
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要らない土か。//いえいえ、それは、/名のない草の、/お宿(やど）をするよ。 |
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いらない |
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| 200 |
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闇夜の星 |
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やみよのほし |
Ⅱ |
上76 |
47 |
闇夜（やみよ）に迷子（まいご）の/星ひとつ（一つ）。/あの子は/女の子でしょうか。//私（わたし）のように/ひとり（一人） |
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★ |
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ぼっちの、/あの子は/女の子でしょうか。 |
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| 201 |
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おてんとさんの唄 |
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おてんとさんのうた |
Ⅱ |
上78 |
48 |
日本(にほん・にっぽん）の旗（はた）は、/
おてんとさんの旗よ。/日本のこども（子供）、/
おてんとさんのこども。/ |
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植物（さくら） |
●
おてんとう＝お天道＝日 |
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こどもはうたお、/
おてんとうさんの唄（うた）を。/さくらの下で、/
かすみの底（そこ）で。//日本のくに（国）に、/こぼれる |
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気象（かすみ） |
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唄は、/
お舟(ふね）に積んで、/
世界中(せかいじゅう）へくばろ。/こぼれるほどうたお、/
おてんとさんの唄を。/ |
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乗物（舟） |
つむ くばる うたう |
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さくらのかげ（陰・蔭）で、/
おてんとさんの下で。 |
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| 202 |
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海の色 |
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うみのいろ |
Ⅱ |
上80 |
50 |
朝はぎんぎら銀の海、/銀はみんなを黒くする。/ランチの色(いろ）も、帆（ほ）の色も、/銀の破(や)れめもみな黒い。// |
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カタカナ（ランチ・バナナ） |
やぶれ |
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昼はゆらゆら青い海、/青はみんなをあるままに。/うかぶ藁(わら）くず、竹（たけ）のきれ、/バナナの皮も、あるままに。// |
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植物（藁・竹・バナナ） |
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夜はしずかな黒い海、/黒はみんなをおいかくす、/船(ふね）はいるやら、いないやら、/赤い灯し(ともし・ひ）のかげ（影） |
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乗物（船） |
あかり（灯り） |
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ばかり。 |
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| 203 |
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ひろいお空 |
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ひろいおそら |
Ⅱ |
上82 |
51 |
私（わたし）はいつか出てみたい、/ひろいお空の見えるところへ。//町(まち）でみえるのは長い空､/天の川さえ屋根から |
|
でる みえる ながい |
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屋根へ。//いつか一度は出てみたい。/その川下の、川下の、//海へ出てゆくところまで、/みんな一目(ひとめ）に |
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見えるところへ。 |
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| 204 |
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七夕のころ |
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たなばたのころ |
Ⅱ |
上84 |
52 |
風が吹き吹き笹薮（ささやぶ）の、/笹のささやき（囁き）きき（聞き）ました。//伸びても､伸びても、まだ遠い、/夜の |
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季節行事（七夕） ★ |
ふく きく のびる とおい |
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星ぞら（空）、天の川、/いつになったら、届こうか。//風が吹き吹き外海（そとうみ）の、/波のなげき（嘆き）をききました。// |
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植物（笹・枝） |
とどく なげく |
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もう七夕(たなばた）もすんだのか、/天の川ともおわかれか。//さっき通って行ったのは、/五色きれいなたんざく（短冊） |
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すむ わかれる とおる いく |
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の、/さめてさみしい、笹の枝。 |
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| 205 |
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港の夜 |
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みなとのよる |
Ⅱ |
上86 |
54 |
曇った晩だ。/ちいさい星がふるえ（震え）ふるえ/ひとつ（一つ）。//さァむい（寒い）晩だ。/船(ふね）の灯りが映ってゆれて/ |
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乗物（船） ★ |
ふるえる さむい うつる |
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ふたつ（二つ）。//さみしい晩だ。/海のお瞳(めめ）があお（青）く光って/みっつ（三っつ）。 |
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ゆれる ひかる |
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| 206 |
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ビラまき自動車 |
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びらまきじどうしゃ |
Ⅱ |
上88 |
55 |
ビラ（びら）撒き自動車（じどうしゃ）がやって来た、/ちゃんちゃか楽隊（がくたい）のせて来た。//ビラを拾おう、赤いビラ、/ |
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カタカナ（ビラ）乗物(自動車） |
まく くる のせる ひろう |
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もっと拾おう、黄(きい）のビラ、//ビラ撒き自動車やって来た。/ビラ撒き自動車、ついてゆこ。//町(まち）をはなれりゃ、 |
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植物（れんげ・菜の花） |
きいろ ついてゆく はなれる |
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降るビラは、/野原へ散ってげんげ（れんげ）草、/畠（はたけ）へおちて、菜の花に。//春のくるま（車）だ、ついてゆこ。 |
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ふる ちる おちる |
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| 207 |
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水すまし |
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みずすまし |
Ⅱ |
上90 |
56 |
一つ(ひとつ)水の輪、一つ消え、/三つ（みっつ）まわれ（回れ）ど、みな消える｡//水にななつ（七つ）の輪を描けば、/魔法は |
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昆虫（水すまし）童話的（魔法） |
きえる まわる かく |
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泡と消えよもの。//お池のぬしに囚われ(とらわれ）の/いまの姿は、水すまし。//きのうもきょうも、青い水、/雲は消えずに |
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映る（うつる）けど、/一つ、二つと水の輪は、/一つあとから消えてゆく。 |
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| 208 |
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杉と杉菜 |
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すぎとすぎな |
Ⅱ |
上92 |
57 |
一本杉はうたう（歌う）。/あの山のむこうの/大きな海のなかに、/蝶々(ちょうちょ)のような、/白帆（しらほ）を三つ |
|
植物（杉・杉菜）動物（豚） |
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（みっつ）、みたよ。//一本杉はうたう。/あの山のむこうの/大きな町（まち）のなかで、/青銅(からかね・せいどう)の豚が、/ |
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みる ふく |
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水を噴くのをみたよ。//一本杉の下で/杉菜がうたう。/私もいつか、/あんなに伸びて、/遠くの遠くをみようよ。 |
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のびる |
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| 209 |
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駒鳥の都 |
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こまどりのみやこ |
Ⅱ |
上94 |
59 |
林のなかの駒鳥さん､/林は葉ずれの音ばかり。//都けんぶつ（見物）いかがです、/夜は灯り（あかり・ひ）が花のよう、/ |
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植物（林・葉・花）ｶﾀｶﾅ（ﾀﾞﾝｽ） |
★ |
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活動写真もみられます。//都から来たお嬢さん、/私（わたし）の都はいかがです。//数えきれない木のお家（おうち）、/ |
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動物（駒鳥）
活動写真＝映画 |
みる かぞえる |
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夜はお星が花のよう、/落葉のダンスもみられます。 |
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| 210 |
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夜 |
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よる |
Ⅱ |
上96 |
60 |
夜は、お山や、森の木や、/巣にいる鳥や、草の葉や、/あか（赤）い、かわいい花にまで、/黒いおねまき（寝着）着せる |
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家族（母・私）動物（鳥） |
きる |
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けど、/私（わたし）にだけは、出来ないの。//私のおねまき、まっ白よ、/そして、母さん（かあさん）が着せるのよ。 |
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植物（森・木・草・葉・花） |
できない |
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| 211 |
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風 |
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かぜ |
Ⅱ |
上98 |
61 |
空の山羊追い（やぎおい）/眼(め）にみえぬ。//山羊は追われて/ゆうぐれ（夕暮れ）の、/曠野（ひろの・広野）のはて（果て） |
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動物（山羊） |
● みえない おう |
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を/群れてゆく。/空の山羊追い/眼にみえぬ。//山羊が夕日に/染まるころ、/とおく（遠く）で笛を/ならしてる。 |
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気象（夕日） |
むれる そまる ならす |
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| 212 |
|
白百合島 |
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しらゆりとう |
Ⅱ |
上102 |
65 |
私（わたし）ひとり（一人）が知っている、/遠くの遠くのはなれ（離れ）島。/いつも私は学校の/ポプラのかげ（陰・蔭）で、 |
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童話的（お姫様）ｶﾀｶﾅ（ﾎﾟﾌﾟﾗ） |
しる とおい |
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地図を描く。//掃(は)かれりゃ消える島だけど、/描くたびかわる（変わる）地図だけど、/いつも湖水がまんなかに、/いつも |
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植物（百合・ポプラ・花・葉） |
かく はく |
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御殿がその岸に。//雪より白い、かぐわしい、/御殿のなかにすむひとは、/うすいみどり（緑）の裾ながく、/金のかむり（冠） |
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ながい |
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のおひめさま（お姫さま）。//島は白百合、花ざかり、/空まで白い百合の香に、/船は寄っても断崖(きりぎし・だんがい）の/ |
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さかり よる |
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手にも取られぬ花ばかり。//青いポプラの葉のかげで、/いつも私は地図を描く。/飽かずに、飽かずに、いくたびも、/ |
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とる あきる |
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「しらゆり島」の地図をかく |
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| 213 |
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畠の雨 |
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はたけのあめ |
Ⅱ |
上105 |
67 |
大根(だいこ・だいこん)ばたけ（畠）の春の雨、/青い葉っぱの上にきて、/小さな（ちいさな）こえ（声）で笑う雨。//大根 |
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植物（大根・葉） |
くる わらう |
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ばたけの昼の雨、/あか（赤）い砂地の土にきて、/だまってさみしくもぐる(潜る）雨。 |
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だまる さみしい |
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| 214 |
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海の果 |
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うみのはて |
Ⅱ |
上106 |
68 |
雲の湧くのはあすこいら、/虹の根もともあすこいら。//いつかお舟（ふね）でゆきたいな、/海の果(はて)までゆきたいな。// |
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気象（虹）乗物（舟） |
★
わく ゆく |
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あまり遠くて、日が暮れて､/なに（何）もみえなくなったって、//あか（赤）いなつめ（爪）をもぐように、/きれいな星が手で |
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とおい くれる みえない |
もぐ とる |
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採れる、/海の果までゆきたいな。 |
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| 215 |
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電灯
(でんき)のかげ |
|
でんきのかげ |
Ⅱ |
上108 |
69 |
遠足の日の汽車のなか、/誰かはうた（歌）って居りました。/先生(せんせ)は笑って居りました。//硝子(がらす)のそとの |
|
家族（母）乗物（汽車） |
うたう いる |
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夕空に、/ふっとみたのは、ちろちろと、/花火のような、消えそうな、/電灯(でんき)のかげ（影）でありました。// |
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みる きえそう |
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みつめていれば、その下に、/母さん（かあさん）のお顔がありました。//山からかえりの汽車のなか、/誰かはうたって |
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みつめる |
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居りました。 |
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| 216 |
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明るい家 |
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あかるいいえ |
Ⅱ |
上110 |
70 |
さくら草咲く丘のうえ、/それは、明るいお家(うち)です。//朝から晩までお部屋には、/はいりきれない、日のひかり（光）。// |
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植物（桜草）カタカナ（ピンク） |
● あかるい はいる |
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ピンクの壁にかかったは、/虹と天使の絵がひとつ（一つ）。//おもちゃ屋ほどの、おもちゃ棚、/おもちゃの数も知って |
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遊び（玩具の家）気象（虹） |
かかる しる |
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ます。//いつごろからか、どうしてか、/私（わたし）はみんな知ってます。//それは私の家だから、/それは私の家だから。 |
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| 217 |
|
時計の顔 |
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とけいのかお |
Ⅱ |
上112 |
72 |
旅あきゅうど（商人・あきんど）のこうもり（蝙蝠）が、/みじかい（短い）影をつれてゆく、/白いまぶしいひる（昼）の路 |
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動物（蝙蝠） |
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(みち)。//ふっとみかえりゃ誰（だれ）かしら、/じっとみてます、/白い顔。//お目々（めめ）つぶってまた開いて、/よく |
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つぶる ひらく みる |
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見りゃ/時計の顔でした。//おるす（留守）番ゆえ、さみしくて、/じっとみつめていたけれど、/それきり時計の顔でした。 |
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さみしい みつめる |
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| 218 |
|
ゆびきり |
|
ゆびきり |
Ⅱ |
上114 |
73 |
牧場（まきば）の果（はて）にしずしずと、/赤いお日さま（おひさま）沈みます。//
柵にもたれて影（かげ）ふたつ（二つ）、/ |
|
カタカナ（リボン・ｸﾛｰﾊﾞ） |
● しずむ もたれる |
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ひとり（一人）は町(まち)の子、紅（あか）リボン、/
ひとりは貧しい牧場の子。/「あしたはきっと、みつけてね、/ |
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植物
(クローバ・草） |
まずしい みつける |
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七つ（ななつ）葉のあるクローバを。」//「そしたら、ぼくに持って来て、/そんなきれいな噴水(ふきあげ・ふんすい）を。」// |
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もつ くる |
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「えええ、きっとよ、ゆびきりよ。」/ふたりは指(ゆび)をくみ（組み）ました。//牧場のはての草がくれ（隠れ）、/あか（赤）い |
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くむ かくれる おく |
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お日さま（おひさま）、ひとり（一人）ごと。//「草にかくれて、このままで、/あす（明日）は出ないでおきたいな。」 |
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かくれる でない |
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| 219 |
|
はだし |
|
はだし |
Ⅱ |
上117 |
75 |
土がくろ(黒）くて、濡れていて、/はだしの足がきれいだな。//名まえ(名前）も知らぬねえさん（姉さん）が、/鼻緒（はなお）は |
|
ぬれる |
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すげてくれたけど。 |
|
すげる |
|
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| 220 |
|
土と草 |
|
つちとくさ |
Ⅱ |
上118 |
76 |
母さん（かあさん）知らぬ/草の子を、/なん千万の/草の子を、/土はひとり(一人）で/育てます。//草があおあお（青々）/ |
|
家族(母・子）植物（草） |
しらない そだてる |
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茂ったら、/土はかくれて(隠れて）/しまうのに。 |
|
しげる かくれる |
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| 221 |
|
薔薇の町 |
|
ばらのまち |
Ⅱ |
上120 |
77 |
みどり(緑）の小径（こみち）、露のみち、/小みちの果（はて）は、薔薇の家。//風ふきゃ(吹きゃ）ゆれる薔薇の家、/ゆれて |
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植物（薔薇・花）ｶﾀｶﾅ（どあ・ﾄﾞｱ） |
ふく |
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はかおる（香る・薫る)薔薇の家。//薔薇の小人はお窓から、ちいさな、金（きん）の翅（はね）みせて、/おとなり(隣)さんと |
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童話的（小人）昆虫(蟻） |
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話してた。//とんとと扉（どあ）をたたいたら、/窓も小人もみな消えて、/風にゆれてる花ばかり。//薔薇いろのあけがた |
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はなす たたく きえる ゆれる |
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(明け方）に、/たずねていった薔薇の町（まち）。//その日/わたし（私）は蟻(あり)でした。 |
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| 222 |
|
もくせいの灯 |
|
もくせいのひ |
Ⅱ |
上122 |
79 |
お部屋にあか(赤）い灯(ひ・あかり)がつくと、/硝子（がらす）のそとの、もくせいの、/しげみ(茂み）のなかにも灯がつくの、/ |
|
植物（もくせい・葉） |
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ここのとおんなじ灯がつくの。//夜更けてみんながねね(寝んね）したら、/葉っぱはあの灯をなかにして、/みんなで笑って |
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よふけ わらう |
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話すのよ、/みんなでお唄(うた)もうたうのよ。//ちょうど、こうしてわたし（私）らが、/ごはん(ご飯）のあとでするように。// |
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はなす |
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窓かけしめよ、やすみましょ、/みんなが起きているうちは、/葉っぱはお話できぬから。 |
|
しめる やすむ おきる できない |
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| 223 |
|
夕顔 |
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ゆうがお |
Ⅱ |
上124 |
81 |
蝉もなかない/くれがた(暮れ方）に、/ひとつ(一つ）、ひとつ、/ただひとつ、//キリリ、キリリと/ねじをとく、/みどり（緑）の |
|
植物（ゆうがお）昆虫（蝉） |
なく とく |
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つぼみ(蕾）ただひとつ。//おお、神様はいま/このなかに。 |
|
神仏（神さま） |
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| 224 |
|
襖の絵 |
|
ふすまのえ |
Ⅱ |
上126 |
82 |
ここはねむり(眠り)の森なのよ、/わるい仙女)に呪(のろ)われて、/みんなねむった森なのよ。//赤い帽子（ぼうし）の |
|
童話的（仙女） |
のろう ねむる |
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きつつきは、/檜(ひのき)にとまって、目をあいて、/つっつきかけて、ねむってる。//咲いた桜の木のそばにゃ、/羽を |
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動物（きつつき・めじろ） |
とまる あく つつく |
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ひろげて、とびかけて、/二羽のめじろがねむってる。//花もねむって散りもせず、/風もねむってゆれもせぬ、// |
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植物（檜・桜の木・花） |
ひろげる とぶ ちる ゆれる |
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ここはねむりの森なのよ、/ながいねむりの森なのよ。 |
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| 225 |
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お日さん、雨さん |
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おひさん、あめさん |
Ⅱ |
上128 |
84 |
ほこり(埃）のついた/芝草を/雨さん洗って/くれました。//洗ってぬれた(濡れた）/芝草を/お日さん（おひさん）ほして |
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関連（芝草 Ⅱ-上30） |
つく あらう ぬれる ほす |
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(干して）/くれました。//こうして私(わたし）が/ねころんで(寝転んで）/空をみるのに/よいように。 |
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植物（芝草） ● |
みる |
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| 226 |
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雀と芥子 |
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すずめとけし |
Ⅱ |
上130 |
85 |
小ちゃい（ちいちゃい）雀が/死んだのに、/芥子（けし）は真紅（まっか・まあか）に咲いている。//知らないのです/知らせず |
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動物（雀）植物（芥子・花） |
ちいさい しぬ さく しる |
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に、/こっそりそばを通りましょ。//もしもお花が/きいたなら、/すぐにしぼんでしまうから。 |
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とおる きく しぼむ |
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| 227 |
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雲 |
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くも |
Ⅱ |
上132 |
86 |
お山に誰（だれ）を/みつけ(見つけ）たろ、/雲はお山へ/はいった(入った）よ。//お山にゃ誰も/いなかった、/雲は山から/ |
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同題（雲
Ⅰ -上14） |
みつける はいる いない |
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出てきたよ。//つまらなさそうに/夕ぞら(空）を、/雲はひとり(一人）で/飛んでたよ。 |
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でる つまらない とぶ |
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| 228 |
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お坊さま |
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おぼうさま |
Ⅱ |
上134 |
87 |
小さい（ちいさい）波が来てかえる、/入江(いりえ）の岸のみち(道・路）でした。//私（わたし）のお手々（おてて）ひいてた |
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家族（父・私） |
● くる ひく |
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は、/知らない旅のお坊さま。//なぜか、このごろおもう(思う）こと、/「お父さま（おとうさま）ではないかしら。」//けれども |
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甲殻類（蟹）植物（たんぽぽ） |
しらない とおい |
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遠いむかし(昔）です、/とてもかえらぬ(帰らぬ）むかしです。//ざわざわ、蟹が這（は）っていた、/入江の岸のみち |
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かえる はう |
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でした。//私のおかお(お顔）みて(見て）いたは、/たんぽぽ色のお月さま。 |
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みる |
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| 229 |
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浦の神輿 |
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うらのみこし |
Ⅱ |
上136 |
89 |
荒れるよ、波、波、人の波、/お神輿(みこし)小舟(こぶね・ふね)は覆(かや)れそじゃ。/やっさァやっさ、やっさァやっさ。// |
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祭り（青海島・通浦の神輿） |
かやる＝転覆する |
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みるまに波、波、人の波、/となり町(まち）までさっと退く（ひく）。/やっさァやっさ、やっさァやっさ。//あとには波、波、磯の |
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乗物（舟） |
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波、/いつものように、すぐそこに。/じゃんぶり、じゃんぶり、じゃんぶりこ。 |
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| 230 |
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暦と時計 |
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こよみととけい |
Ⅱ |
上138 |
90 |
暦(こよみ)があるから/暦を忘れて/暦をながめ(眺め）ちゃ、四月だというよ。//暦がなくても/暦を知ってて/りこう(利口）な |
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植物（花）動物（鶏） |
わすれる ながめる しる |
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花は/四月にさくよ。//時計があるから/時間をわすれて/時計をながめちゃ、/四時だというよ。//時計がなくても/ |
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わすれる ながめる |
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時間を知ってて/りこうな鶏（とり）は/四時には啼くよ。 |
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なく |
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| 231 |
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折紙あそび |
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おりがみあそび |
Ⅱ |
上140 |
92 |
あか(赤）い、四角な、色紙よ、/これで手品(てづま・てじな）をつかい(使い）ましょ。//
私（わたし）の十（とお・とう）の |
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遊び（折り紙） |
つかう |
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ゆびさき(指先）で、/まず生まれます、虚無僧（こむそう）が。//みるま(見る間）に化（な）ります、鯛の尾に、/ほらほら、 |
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魚類（鯛）動物（狐） |
うまれる なる |
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ぴちぴちはねて(跳ねて）ます。//鯛もうかべ(浮かべ）ば帆かけ舟（ぶね）、/
舟（ふね）は帆かけてどこへゆく。//その帆 |
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乗物（舟）カタカナ（コンコン） |
はねる うかぶ |
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おろせば二艘舟(にそうぶね）、/世界のはて(果て）まで二艘づれ。//またもかわれば(変われば）風ぐるま（かざぐるま）、/ |
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おろす |
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ふっと吹きましょ、まわし(回し）ましょ。//またも変わってお狐（きつね）さん、/コンコン、こんどはなん(何）に化（ば）きょ。// |
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ふく まわす かわる ばける |
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そこで化けます、紙きれに、/もとの四角な色紙に。//なんて(何て）ふしぎ(不思議）な紙でしょう、/なんて上手な手品で |
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しょう。 |
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| 232 |
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空屋敷の石 |
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あきやしきのいし |
Ⅱ |
上144 |
94 |
空屋敷(あきやしき)の石が/なく(無く）なったよ。/とりもち搗く（つく）のに、/よかったに、なあ。//石はお馬車に/乗ってった |
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植物
(草）乗物（馬車） |
よい のる |
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よ。/空屋敷の草は/さびしそうだ、なあ。 |
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さびしい |
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| 233 |
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金魚 |
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きんぎょ |
Ⅱ |
上146 |
95 |
月はいき(息）するたびごと(毎）に/あのやわらかな(柔らかな）、なつかしい(懐かしい）/月のひかり(光）を吐くのです。// |
|
植物
(花）魚類（金魚） |
● やわらかい はく |
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花はいきするたびごとに/あのきよらかな(清らかな）、かぐわしい/花のにおい(匂い）をはくのです。//金魚はいきするたび |
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ごとに/あのお噺(おはなし）の継子（ままこ）のように/きれいな宝玉(たま）をはくのです。 |
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| 234 |
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仔牛/仔牛 |
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べえこ |
Ⅱ |
上148 |
96 |
ひい、ふう、みい、よ、踏切で、/
みんなして貨車をかずえ（かぞえ）てた。/いつ、むう、ななつ、八つ目（やっつめ）の、/ |
|
新旧相違（仔牛）乗物（貨車） |
かぞえる |
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貨車に仔牛(べえこ）がのっていた。//売られてどこへゆくんだろ、/仔牛ばかしで乗っていた。//夕風つめたい踏切で、/ |
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動物（仔牛）家族（母牛） |
のる ゆく |
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皆（みんな）して貨車を見おくった。//晩にゃどうしてねるんだろ、/母さん（かあさん）牛はいなかった。//どこへ仔牛 |
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みおくる いない |
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（べえこ）はゆくんだろ、/ほんとにどこへゆくんだろ。 |
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| 234 |
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仔牛/仔牛 |
|
べえこ |
Ⅱ |
|
96 |
ひい、ふう、みい、よ、踏切で、/
みんなして貨車をかずへ（かぞえ）てた。/いつ、むう、ななつ、八つ目（やっつめ）の、/ |
|
新旧相違（仔牛）乗物（貨車） |
かぞえる |
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貨車に仔牛(べえこ）が乗つていた。/賣られてどこへ行くんだろ、/仔牛ばかしで乗つてゐた。/夕風冷たい踏切で、/ |
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動物（仔牛）家族（母牛） |
のる ゆく |
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みんなして貨車を見おくつた。/晩にやどうして寝るんだろ、/母さん(かあさん）牛はいなかつた。/どこへ仔牛（べえこ） |
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みおくる ねる いない |
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は行くんだろ、/ほんとにどこへ行くんだろ。 |
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いく |
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| 235 |
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忘れもの |
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わすれもの |
Ⅱ |
上150 |
97 |
田舎（いなか）の駅の待合室（まちあい）に、
/ しずかに夜は更けました。
//いつのお汽車を待つのやら。 / |
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童話的（人形）乗物
(汽車） |
ふける まつ |
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ふるい(古い）人形(にんぎょ）は、ただひとり(一人）。//しまい(終い）の汽車におどろいた、/虫もひそひそ鳴くころに、/ |
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昆虫（虫） |
おどろく なく |
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箒（ほうき）をもったおじいさん、/じっとみつめておりました。 //ふるい人形のかあさん(母さん）は、/いく山さきを行くの |
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もつ みつめる いく |
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やら。/とおく、こだまがひびき(響き）ます。 //田舎の駅は夜ふけて、/しずかに虫が、ないてます。 |
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とおい ひびく |
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| 236 |
|
巡礼 |
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じゅんれい |
Ⅱ |
上152 |
99 |
菜種(なたね）の花の咲いたころ、/浜街道（はまかいどう）で行きあった、/
巡礼（じゅんれい）の子はなぜ来ない。// |
|
植物（なたね）昆虫（とんぼ） |
さく いきあう こない |
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私はわるい(悪い）ことしたの、/あのとき、お金は持ってたの、/あねさま三つ（みっつ）も買えるほど。//そのあねさまも |
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あねさま＝姉様人形 |
もつ かう |
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買わないで、/思い出しては待ってるに、//秋のひより(日和）の街道（かいど）には、/やんまとんぼのかげ(影）ばかり。 |
|
まつ |
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| 237 |
|
二つの小箱 |
|
ふたつのこばこ |
Ⅱ |
上156 |
103 |
紅絹（もみ）だの、繻子（しゅす）だの、甲斐絹（かいき）だの、/きれいな小裂（こぎれ）が箱いっぱい。/黒だの、白だの、 |
|
遊び（南京玉）家族（小兄） |
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みどり（緑）だの、/なんきん玉(南京玉）が箱一ぱい（いっぱい）。/
それはみいんな（みんな）私（わたし）のよ。//いつか、 |
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童話的（小人） |
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ちいさい兄さん(にいさん）が、/船長さんになったとき、/二つ(ふたつ）の小箱たのむ(頼む）のよ。/
それはみいんな私の |
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乗物
(船） |
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よ。//船(ふね）は波路をなん千里、/小人の島へ交易（こうえき）に。/そしてかえり(帰り）にゃ甲板(かんばん）に、/島の宝 |
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せんり |
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が山のよう。/ それはみいんな私のよ。//私は明るい縁側（えんがわ）に、/ずらりときれを並べるの。/それからさらさら音 |
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ならべる |
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立てて、/なんきん玉をかずえる（かぞえる）の。/ それはみいんな私のよ。 |
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たてる |
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| 238 |
|
夢と現 |
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ゆめとうつつ |
Ⅱ |
上160 |
105 |
夢がほんと(本当）でほんとが夢なら、/よかろうな。/夢じゃなんにも決まってないから、/よかろうな。//ひるま(昼間）の |
|
童話的（王女） |
● よい きまる |
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次は、夜だってことも、/私（わたし）が王女でないってことも、//お月さんは手では採れない（とれない）ってことも、//百合 |
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植物（百合） |
とる |
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（ゆり）の裡（なか）へははいれない（入れない）ってことも、//時計の針は右へゆくってことも、/死んだ人たちゃいないって |
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裡＝裏・内・中 はいる |
ゆく |
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ことも。//ほんとになんにも（何にも）決まってないから、/よかろうな。/ときどき(時々）ほんとを夢にみたなら、/よかろうな。 |
|
みる |
|
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| 239 |
|
老楓 |
|
ろうふう |
Ⅱ |
上162 |
107 |
年とった庭の楓（かえで）に/十一月（じゅういちがつ）のお日さま(おひさま）は/とき(時）が来たよ、といいました。//年とった |
|
植物（楓・葉） |
● きた いう |
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庭の楓は/うつうつと昼寝（ひるね）していて/色づくことを忘れました。//新建ち（しんだち）のお倉の屋根が高いから/十一 |
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わすれる たかい |
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月のお日さま（おひさま）は/ちらとのぞいた(覗いた）きりでした。//年とった庭の楓の/青い葉は青いまんま（まま）で/ |
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のぞく |
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しずかに散ってゆきました。 |
|
ちる |
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| 240 |
|
星とたんぽぽ |
|
ほしとたんぽぽ |
Ⅱ |
上164 |
108 |
青いお空の底ふかく(深く）、/海の小石のそのように、/夜がくるまで沈んでる、/昼のお星は眼（め）に見えぬ。/ |
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植物（たんぽぽ） ★ |
ふかい しずむ みえない |
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見えぬけれどもあるんだよ、/
見えぬものでもあるんだよ。//散ってすがれたたんぽぽの、/瓦のすきに、 |
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ちる |
すがれる＝末枯れる |
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だァまって（だまって）、/春のくるまでかくれて(隠れて）る、/つよい(強い）その根は眼にみえぬ。/
見えぬけれども |
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だまる かくれる |
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あるんだよ、/ 見えぬものでもあるんだよ。 |
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かくれる つよい |
|
| 241 |
|
花のたましい |
|
はなのたましい |
Ⅱ |
上166 |
109 |
散ったお花のたましい(魂)は、/み仏さまの花ぞの(花園）に、/ひとつ(一つ）残らずうまれる(生まれる）の。//だって、お花は |
|
植物(花）神仏（仏さま） |
● ちる |
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やさしくて、/おてんとさまが呼ぶときに、/ぱっとひらいて、ほほえんで、/蝶々（ちょうちょ・ちょうちょう））にあまい蜜をやり、/ |
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遊び（ままごと） |
やさしい
ひらく ほほえむ |
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人にゃ匂い(におい）をみな(皆）くれて、//風がおいでとよぶときに、/やはりすなおに(素直に）ついてゆき、/なきがら（亡骸） |
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やる くれる ゆく |
おてんと＝お天道＝お日さま |
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さえも、ままごとの/御飯(ごはん）になってくれるから。 |
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| 242 |
|
朝と夜 |
|
あさとよる |
Ⅱ |
上168 |
110 |
朝はどこからやってくる。//東の山からちょいとのぞき(覗き）、/みるまに(見る間に）空を駈けぬけて/しずかに町（まち）へと |
|
植物(木）気象（夕日） |
●
のぞく かける ぬける |
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降りてくる。//木かげ（こかげ・陰・蔭）、床下、そんなとこ、/朝日が出るまでのぞきゃせぬ。//夜はどこからやってくる。// |
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おりる でる くる |
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床の下から、木かげから、/むくりむくりと起きて来て/ぬっと大きく軒（のき）に立つ。//夕日は沈んでしまっても、/雲の |
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おきる おおきい たつ |
しずむ |
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|
端（はし）へはとど(届）きゃせぬ。 |
|
とどく |
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| 243 |
|
麦の芽 |
|
むぎのめ |
Ⅱ |
上170 |
112 |
お百姓（ひゃくしょ・ひゃくしょう）、畠（はたけ）に麦まいた。//毎晩、夜霜（よじも）が降りたけど、/毎朝、朝日が消してっ |
|
植物（麦・芽） ★ |
まく おりる けす |
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て、/畠はやっぱり黒かった。//ある夜、夜なか（夜中）に誰（だれ）か来た、/杖（つえ）を三べん振っていた。/「こども(子供） |
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童話的（魔法の杖） |
くる ふる ふる |
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よ、こども、出ておいで。」//あけの明星と、お百姓と、/一しょ（いっしょ）に麦の芽（め）みィつけた。/そこにもここにも |
|
でる みつける |
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|
みィつけた（みつけた）。 |
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| 244 |
|
虹と飛行機 |
|
にじとひこうき |
Ⅱ |
上172 |
113 |
町（まち）の人ははじめて(初めて）
/虹（にじ）を見た、 /飛行機（ひこうき）見に出て/虹をみた。//しぐれ(時雨）の空から
/ |
|
気象（虹・時雨） |
みる でる |
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乗物
(飛行機） |
いそぐ わかる みせる |
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|
|
から/つかい(使い）に/来たんだよ。 |
|
きた |
|
|
| 245 |
|
二つの草 |
|
ふたつのくさ |
Ⅱ |
上174 |
115 |
ちいさい種は仲よし（なかよし）で、/いつも約束してました。/
「ふたりはきっと一しょ(いっしょ）だよ、/ひろい(広い）世界へ |
|
植物
(燕草・おみこし草） |
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出るときは。」//けれどもひとり(一人）はのぞ(覗）いても、/ほかのひとりは影（かげ）もなく。/あとのひとりが出たときは、/ |
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でる のぞく ない |
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|
さき(先）のひとりは伸びすぎた。//せいたかのっぽ(背高のっぽ）のつばめぐさ(燕草）、/秋の風ふきゃさやさやと、/右に |
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のびる ふく |
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左に、ふりむいて(振り向いて）、/もとの(元の）友だち（ともだち・友達）さがしてる。/ちいさく咲いた足もと（足元・あしもと） |
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ふりむく さがす ちいさい |
さく |
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の、/おみこし草を知りもせず。 |
|
しる |
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| 246 |
|
木 |
|
き |
Ⅱ |
上176 |
117 |
小鳥は/小枝のてっぺんに、/子供（こども）は/木かげ（こかげ・陰・蔭）の鞦韆(ぶらんこ)に、/小ちゃな葉っぱは/ 芽（め） |
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同題（木 Ⅰ-上146） |
ちいさい |
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のなかに。//あの木は、/あの木は、/うれしかろ。 |
|
植物（枝・木・葉）遊び（ぶらんこ） |
うれしい |
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| 247 |
|
次からつぎへ |
|
つぎからつぎへ |
Ⅱ |
上178 |
118 |
月夜に影踏み（かげふみ）していると、/「もうおやすみ（お休み）」と呼びにくる。/ (もっとあそぶ(遊ぶ）といいのになあ。)/ |
|
遊び（影踏み・城取り） |
● よぶ あそぶ |
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けれどかえって（帰って）ねて（寝て）いると、/いろんな夢（ゆめ）がみられるよ。//そしていい夢みていると、/「さあ学校」と |
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かえる ねる みる |
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おこされる。/ (学校がなければいいのになあ。)/けれど学校へ出てみると、/おつれがあるから、おもしろい（面白い）。// |
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おこす でる |
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みなで城取り（しろとり）していると、/お鐘(かね)が教場（きょうじょう）へおしこめる（押し込める）。/ (お鐘がなければ |
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おしこむ |
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いいのになあ)/けれどお話（おはなし）きいて（聞いて）ると、/それはやっぱりおもしろい。//ほかの子供（こども）も |
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きく |
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そうかしら、/私（わたし）のように、そうかしら。 |
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| 248 |
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月と泥棒 |
|
つきとどろぼう |
Ⅱ |
上180 |
120 |
十三（じゅうさん）人の泥棒（どろぼう）が、/北の山から降りて来た。/町（まち）を荒らしてやろうとて、/黒い行列つゥくった。 |
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カタカナ（ｳﾞｪｰﾙ・ｺｹｯｺ・ﾊﾞｶｯｺ） ● |
おりる くる あらす つくる |
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//たった一人（ひとり）のお月さま、東の山からあァがった。/町を飾ってやろうとて、/銀のヴェールを投げかけた。// |
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動物（鶏） |
あがる かざる なげる |
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黒い行列ァ銀になる、/銀の行列ァぞろぞろと、/銀のまちなかゆきぬける。//十三人の泥棒は、/お山のみち（道・路）も |
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ゆく ぬける わすれる |
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忘れたし、/泥棒（どろぼ）のみちも忘れたし、//南のはて（果て）で、気がつけば、/山はしらじら、どこやらで、/コケッコの |
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バカッコと鶏（とり・にわとり）がなく。 |
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なく |
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| 249 |
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淡雪 |
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あわゆき |
Ⅱ |
上182 |
122 |
雪がふる（降る）、/雪がふる。//落ちては消えて/どろどろ（泥々）な、/ぬかるみになりに/雪がふる。//兄から、姉から、/ |
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類似（雪に
Ⅲ-下106） |
ふる おちる きえる |
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おとと（弟）にいもと（妹）、/あとから、あとから/雪がふる。//おもしろそうに/舞いながら、/ぬかるみになりに/雪がふる。 |
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気象（雪）家族（兄・姉・弟・妹） |
おもしろい まう |
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| 250 |
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学校へゆくみち |
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がっこうへゆくみち |
Ⅱ |
上184 |
124 |
学校へゆくみち（道）、ながい（長い）から、/いつもお話、かんがえる（考える）。//みちで誰（だれ）かに逢わなけりゃ、/ |
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あう |
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学校へつく（着く）までかんがえる。//だけど誰（だれ）かと出逢ったら、/朝の挨拶（あいさつ）せにゃならぬ。//すると |
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であう |
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私（わたし）はおもい（思い）出す、/お天気のこと、霜のこと、/田圃(たんぼ)がさびしくなったこと。//だから、私はゆく |
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さびしい |
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みちで、/ほかの誰にも逢わないで、//そのおはなしのすまぬうち、/御門(ごもん)をくぐる（潜る）方がいい。 |
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あわない くぐる |
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| 251 |
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茶棚 |
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ちゃだな |
Ⅱ |
上186 |
126 |
茶棚(ちゃだな）の上には/ブリキ缶（かん）、/お伽ばなし（おとぎばなし）の/銀の壺（つぼ）。//時計が三つ（みっつ）/ |
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カタカナ（ﾌﾞﾘｷ・ﾋﾞｽｹｯﾄ・ｶｽﾃﾗ） |
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打ったなら、/なかから出るもの/ビスケット。//茶棚のなかには/お菓子鉢（おかしばち）、/きのうはカステラ/あったけど、 |
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うつ |
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//お菓子が湧かない/ものならば、/いまではきっと/ からっぽ（空っぽ）だ。 |
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わく |
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| 252 |
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鳥の巣 |
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とりのす |
Ⅱ |
上188 |
128 |
小鳥（ことり）、小鳥、/なんで（何で）巣をつくる。//藁(わら）で、藁で、つくる。//小鳥、小鳥、/そりゃ、お前(おまえ）にゃ |
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動物（小鳥）植物（藁） |
つくる |
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似合わんぞ。//そんならなんでつくる。//お羽のいろの青いとと、/お瞳(めめ）のいろの黒いとと、/お嘴(くち・くちばし）の |
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にあう |
なんで＝なぜ |
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いろの赤いとと、/三つ(みっつ）、三いろ（みいろ）の絹糸で、/編（あ）んで、編んで、つくれ。 |
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あむ つくる |
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| 253 |
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露 |
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つゆ |
Ⅱ |
上190 |
129 |
誰(だれ）にも言わずに/おきましょう。//朝のお庭の/すみっこ（隅っこ）で、/花がほろりと/泣いたこと。//もしも噂（うわさ） |
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植物（花）昆虫（蜂） |
いう おく なく |
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が/ひろがって、/蜂のお耳へ/はいったら、//わるい（悪い）ことでも/したように、/蜜（みつ）をかえし（返し）に/ゆくでしょう。 |
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ひろがる はいる かえす |
ゆく |
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| 254 |
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柱巻き |
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はしらまき |
Ⅱ |
上192 |
130 |
柱巻き(はしらまき）しいしいかえろう（帰ろう）よ。//学校の御門（ごもん）をくゥるくる、/木がありゃその木をくゥるくる、/ |
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遊び（柱巻き）植物（木） |
かえる くるくる |
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としゃくのまわり（周り）をくゥるくる、/皆（みんな）手をつないでくゥるくる。//この路（みち）ゃ、なんにも（何にも）ないみち |
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としゃく＝積藁 つなぐ |
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だ、/一年生の子がいるよ、/あの子のまわりをくゥるくる。//「柱巻（ハァしらま）きゃどうかいな。」/「柱巻きゃどうかいな。」 |
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| 255 |
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水と風と子供 |
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みずとかぜとこども |
Ⅱ |
上194 |
131 |
天と地を/くゥるくゥる/まわるは誰（だれ）じゃ。/それは水。//世界中を/くゥるくゥる/まわるは誰じゃ。/それは風。// |
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植物（柿の木） |
くるくる |
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柿の木を/くゥるくゥる/まわるは誰じゃ。//それはその実の欲しい子じゃ。 |
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ほしい |
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| 256 |
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雲のこども |
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くものこども |
Ⅱ |
上196 |
132 |
風の子供（こども）のいるとこに、/波の子供はあそび（遊び）ます。//波の大人（おとな）のいるとこにゃ、/風も大人がいる |
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のです。//だのに、お空を旅してる、/雲のこどもはかわいそう。//大人の風につれられて、/いき（息）をきらしてついて |
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きらす |
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ゆく。 |
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| 257 |
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空っぽ |
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からっぽ |
Ⅱ |
上198 |
133 |
あか（赤）い手箱（てばこ）にいっぱいの、/きれいな（綺麗な）きれを着せてみる、/私（わたし）の人形（にんぎょ・ |
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類似（みえない城
Ⅱ-下104） |
きる |
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にんぎょう）は、空っぽ（からっぽ）よ。//からっぽだから、いつまでも、/顔（かお）もよごれ（汚れ）ず、手ももげず、/世界で |
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遊び（人形） |
よごれる |
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一ばん（一番）きれいなの。//からっぽだからその上に、/はなし（話）も出来りゃきき（聞き）もして、/世界で一ばんりこう |
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できる きく |
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（利口）なの。//紅（あか）い鹿の子（かのこ）や、友禅（ゆうぜん）や、/飽かず（あかず）に、飽かずに、着せかえる、/私の |
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あきる きせる かえる |
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人形は、からっぽよ。 |
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| 258 |
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蓄音機 |
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ちくおんき |
Ⅱ |
上200 |
134 |
大人（おとな）はきっとおもって（思って）いるよ、/子供（こども）はものをかんがえ（考え）ないと。//だから私（わたし）が私の |
|
童話的（お城） |
おもう かんがえる |
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舟（ふね）で、/やっとみつけた（見つけた）ちいさな島の、/お城の門をくぐった（潜った）とこで、/大人はいきなり蓄音機 |
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乗物
(舟） |
みつける ちいさい くぐる |
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（ちくおんき）をかける。//私はそれを、きか（聞か）ないように、/話のあとをつづけるけれど、/唄（うた）はこっそりはいって |
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かける きく はいる |
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（入って）来ては、/島もお城もぬすんで（盗んで）しまう。 |
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くる ぬすむ |
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| 259 |
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山茶花 |
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さざんか |
Ⅱ |
上202 |
135 |
居ない（いない）居ない/ばあ！/誰（だれ）あやす。//風ふく（吹く）おせど(お背戸)の/山茶花（さざんか）は。//居ない |
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植物（山茶花） |
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居ない/ばあ！/いつまでも、//泣き出しそうな/空あやす。 |
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なく |
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| 260 |
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あるとき |
|
あるとき |
Ⅱ |
上204 |
136 |
お家(おうち)のみえる角（かど）へ来て、/おもい（思い）出したの、あのことを。//私（わたし）はもっと、ながい（長い）こと、/ |
|
家族（母・私） |
くる おもいだす |
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すねていなけりゃいけないの。//だって、かあさん（母さん）はいった（言った）のよ、/「晩（ばん）までそうしておいで」って。// |
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すねる いけない いう |
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だのに、みんなが呼びにきて、/わすれて（忘れて）飛んで出ちゃったの。//なんだかきまりが悪いけど、/でもいいわ、/ |
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よぶ わすれる わるい |
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ほんとはきげん（機嫌）のいいほうが、/きっと、母さんは好きだから。 |
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| 261 |
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お花だったら |
|
おはなだったら |
Ⅱ |
上206 |
138 |
もしも私（わたし）がお花なら、/とてもいい子(いいこ）になれるだろ。//ものが言えなきゃ、あるけ（歩け）なきゃ、/なんで |
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植物（花） |
いう あるく |
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おいたをするものか。//だけど、誰(だれ）かがやって来て、/いやな花だといったなら、/すぐに怒ってしぼむだろ。//もしも |
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おいた＝いたずら くる おこる |
しぼむ |
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お花になったって、/やっぱし（やっぱり）いい子にゃなれまいな、/お花のようにはなれまいな。 |
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なれる |
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| 262 |
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船乗りと星 |
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ふなのりとほし |
Ⅱ |
上208 |
139 |
船乗（ふなのり）は星をみた、/星はいって（言って）た、/「おいでよ、おいで。」/波はずいぶん高かった。//船乗の眼(め）は |
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みる いう たかい |
★ |
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かがやいた。/風もおそれ（恐れ）ず、波もみず、/星へへさき（舳）を向けていた。//船乗は岸へついて（着いて）た、/ |
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かがやく おそれる みる |
むける つく しらない |
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知らぬまに（間に）。/「星か、星か、」とおもって（思って）た。/星はやっぱり遠かった。//船乗をにがした（逃がした）と、/ |
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おもう とおい にがす |
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波はなおさら怒ってた。 |
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おこる |
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| 263 |
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失くなったもの |
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なくなったもの |
Ⅱ |
上210 |
141 |
夏の渚（なぎさ）でなくなった、/おもちゃの舟（ふね）は、あの舟は、/おもちゃの島へかえった（帰った）の。/ 月のひかり |
|
童話的（おもちゃ）乗物（舟） |
● なくす かえる |
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（光）のふる（降る）なかを、/ なんきん玉（南京玉）の渚まで。//いつか、ゆびきり（指切り）したけれど、/あれきり |
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ｶﾀｶﾅ（ﾄﾗﾝﾌﾟ）植物（れんげ・花） |
ふる |
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逢わぬ（あわぬ）豊ちゃん（ほうちゃん）は、/そら（空）のおくに（お国）へかえった（帰った）の。/ 蓮華（れんげ）のはな |
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気象（雪） |
あわない かえる |
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（花）のふるなかを、/ 天童（てんどう）たちにまもられ（守られ）て。//そして、ゆうべの、トランプの、/おひげのこわい |
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まもる |
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王さまは、/トランプのお国へかえったの。/ ちらちら雪のふるなかを、/ おくにの兵士にまもられて。// |
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失くなった（なくなった）ものはみんなみんな、/もとの（元の）お家（おうち）へかえるのよ。 |
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| 264 |
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夜散る花 |
|
よるちるはな |
Ⅱ |
上212 |
143 |
朝のひかり（光）に/散る花は、/雀もとびくら/してくれよ。//日ぐれ(日暮れ)の風に/散る花は、鐘(かね）がうたって（歌って） |
|
植物（花）動物（雀） |
とびくら＝飛び競 |
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/くれるだろ。//夜散る花は/誰(だれ）とあそぶ（遊ぶ）、/夜散る花は/誰とあそぶ。 |
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ちる うたう |
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| 265 |
|
北風の唄 |
|
きたかぜのうた |
Ⅱ |
上214 |
144 |
中ぞら（空）の凩のおと（(こがらしの音）、/ふと止んだとき/おもう（思う）こと
─//中ぞらで風がいう。/きけ（聞け）、きけ、 |
|
動物（鳥） |
やむ きく |
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唄（うた）を/私（わたし）の唄を、/氷の原に/すむ鳥の唄、/雲のひろ野（広野）を/ゆく橇(そり)の鈴、/みんな私は/ |
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もつ |
すむ |
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もって（持って）来た
─/誰（だれ）も答えず、きき（聞き）もせず。/中空で風はふと、/さびしくなった
─ |
|
さびしい |
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| 266 |
|
月のひかり |
|
つきのひかり |
Ⅱ |
上216 |
146 |
一（いち）、//月のひかり（光）はお屋根から、/明るい街（まち）をのぞき（覗き）ます。//なにも（何も）知らない人たちは、/ |
|
長編詩 （371文字） ● |
あかるい のぞく しらない |
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ひるま(昼間）のように、たのしげ（楽しげ）に、/明るい街をあるき（歩き）ます。//月のひかりはそれを見て、/そっと |
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魚類（魚） |
たのしい あるく みる |
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ためいきついてから、/誰（だれ）も貰わぬ、たくさんの、/影を瓦にすてて（捨てて）ます。//それも知らない人たちは、/ |
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もらう すてる しらない |
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あかり（明り・灯り）の川のまち（町・街）すじを、/魚のように、とおり（通り）ます。/ ひと足ごとに、濃く、うすく、/ 伸び |
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とおる こい うすい のびる |
ちぢむ |
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てはちぢむ、気まぐれな、/ 電灯（でんき）のかげ（影）を曳き（ひき）ながら。// |
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ひく |
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二（に）、//月のひかりはみつけ（見つけ）ます、/暗いさみしい裏町（うらまち）を。//いそいで（急いで）さっと飛び込んで、/ |
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乗物（荷車）植物（草） |
● みつける とびこむ |
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そこのまずしい（貧しい）みなし児が、/おどろいて（驚いて）眼（め）をあげたとき、/その眼のなかへもはいります。/ |
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おどろく あげる はいる |
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ちっとも痛くないように、/ そして、そこらの破ら屋（あばらや）が、/ 銀の、御殿にみえるよに。//
子供（こども）は |
|
いたい |
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やがてねむって（眠って）も、/月のひかりは夜あけ（夜明け）まで、/しずかにそこに佇って(たって）ます。/ こわれ |
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ねむる たつ（佇つ） |
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荷ぐるま（荷車）、やぶれ傘（かさ）、/ 一本（いっぽん）はえた草にまで、/ かわらぬ（変わらぬ）影をやりながら。 |
|
はえる かわらない やる |
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| |
|
Ⅱ-
空のかあさま （下） |
|
Ⅱ |
Ⅱ |
|
|
Ⅱ-
空のかあさま （下） |
|
Ⅱ |
Ⅱ |
|
| 267 |
|
雨の日 |
|
あめのひ |
Ⅱ |
下10 |
151 |
色紙（いろがみ）を野原いっぱい/撒きましょう。/枯野(かれの）を春に/変えましょう。//色紙をちょきんちょきんと/ |
|
遊び（色紙） |
まく かえる |
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剪(き）りました。/あした日和(ひより）に/なったら、と。//色紙を日ぐれ(日暮れ）に誰（だれ）か/棄てました。/ |
|
きる すてる |
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わすれて（忘れて）銀杏(ぎんなん）/してるまに（間に）。 |
|
わすれる |
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| 268 |
|
元日 |
|
がんじつ |
Ⅱ |
下12 |
152 |
みんな（皆）で双六(すごろく)しましょうと、/みんなの御用(ごよう)のすむときを、/待っているまはさみしいな。/
遠い遠い |
|
遊び（すごろく）家族（姉・母） |
すむ まつ |
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|
|
原っぱで/
男の子たちの声がする。//大戸（おおど）卸(おろ)して屏風(びょうぶ)をたてて、/暗い暗いうち（家）の |
|
おろす たてる |
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なか、/お山のようにさみしいな。/
凍てた表にからころと/
さむい（寒い）足駄(あしだ)の音がする。//昨日は夜を待ち |
|
いてる |
足駄＝雨天用の高下駄 |
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くたびれて、/今朝も跳ね跳ねお着物(おべべ)を着たが、/お正月とはさみしいものよ。/
姉さん（ねえさん）学校〈がっこ・ |
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くたびれる はねる きる |
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がっこう）へいっちゃって/
母さん（かあさん） 御用がまだすまぬ。 |
|
いく すむ |
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| 269 |
|
わらい |
|
わらい |
Ⅱ |
下14 |
154 |
それはきれいな薔薇いろで、/芥子（けし）つぶよりかちいさくて、/こぼれて土に落ちたとき、/ぱっと花火がはじけるよう |
|
植物（薔薇・芥子・花） |
ちいさい こぼれる おちる |
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に、/おおきな花がひらくのよ。//もしも泪(なみだ)がこぼれるように、/こんな笑いがこぼれたら、/どんなに、どんなに、 |
|
はじける |
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|
|
|
きれいでしょう。 |
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|
|
| 270 |
|
春のお機 |
|
はるのおはた |
Ⅱ |
下16 |
155 |
トン、トン、トンカラリンと/佐保姫(さほひめ）さまは/むかし（昔）お機(はた）を織りました。//麦をみどり（緑）に、/菜種 |
|
カタカナ（トン、トンカラリン） |
おる |
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|
|
（なたね）を黄（きい）に、/げんげ（れんげ）を紅(あか）く、/かすみを白く、/五つ(いつつ）色いと（糸）/四つ(よつ）まで |
|
植物（麦・菜種・れんげ・かすみ） |
つかう |
|
|
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|
|
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|
|
|
つかい、/残ったものは/青いとばかり。//トン、トン、トンカラリンと/佐保ひめさまは/それでお空を織りました。 |
|
のこる |
|
|
| 271 |
|
夢から夢を |
|
ゆめからゆめを |
Ⅱ |
下18 |
157 |
一寸法師(いっすんぼうし)はどこにいる。/一寸法師は身がかるい（軽い）、/夢から夢を飛んで渡る(わたる)。// |
|
童話的（一寸法師） |
とぶ |
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そして昼間はどこにいる。/昼も夢みる子供等(（こどもら)の、/夢から夢を飛んで渡る。//夢のないときゃ、どこにいる。/ |
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|
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夢のないときゃ、わからない、//夢のないときゃ、ないゆえ（無い故）に。 |
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| 272 |
|
あらしの夜 |
|
あらしのよる |
Ⅱ |
下20 |
158 |
吠える（ほえる)風/たける波。/その岸で/灯台守のひとり（一人）ごと。//このなかに/この底に、/いまも真珠はある |
|
植物（つぼみ） |
★ |
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|
|
かしら。/風の渦(うず）/雲の渦。/その上で/青いお星のひとりごと。//このなかに/この底に、/よべのつぼみ（蕾）は咲く |
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よべ＝昨夜 さく |
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|
かしら。 |
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| 273 |
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金魚のお墓 |
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きんぎょのおはか |
Ⅱ |
下22 |
160 |
暗い、さみしい、土のなか/金魚はなにを（何を）みつめてる。//夏のお池の藻（も）の花と、/揺れる（ゆれる）光の |
|
関連（繭と墓
Ⅱ-上12）） |
くらい みつめる |
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まぼろし（幻）を。//靜かな（しずかな）、靜かな、土のなか、/金魚はなにをきいて（聞いて）いる。/そっと落葉の上をゆく、/ |
|
植物（藻の花・落ち葉）魚類（金魚） |
きく |
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夜のしぐれ（時雨）のあしおと（足音）を。//冷たい（つめたい）、冷たい、土のなか、/金魚はなにをおもって（思って）る。/ |
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つめたい おもう |
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金魚屋の荷のなかにいた、/むかし（昔）の、むかしの、友だち（ともだち）を。 |
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| 274 |
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灰 |
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はい |
Ⅱ |
下24 |
161 |
花咲爺さん（はなさかじいさん）、灰おくれ、/笊（ざる）にのこった 灰おくれ、/私(わたし)はいいことするんだよ。// |
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童話的（花咲か爺さん） |
くれ（ください）
のこる する |
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さくら（桜）、もくれん（木蓮）、梨、すもも、/そんなものへは撒きゃしない、/どうせ 春には咲くんだよ。//一度（いちど）も |
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植物（桜・木蓮・梨・すもも・花・木） |
まく さく |
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あか（赤）い花咲かぬ、/つまらなそうな、森の木に、/灰のあるたけ（あるだけ）撒くんだよ。//もしもみごとに咲いたなら、/ |
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つまらない |
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どんなにその木はうれしかろ、/どんなに私もうれしかろ。// |
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うれしい |
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| 275 |
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犬 |
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いぬ |
Ⅱ |
下26 |
162 |
うちの（家の）だりあ(ダリア）の咲いた日に/酒屋のクロは死にました。//おもてであそぶ（遊ぶ）わたし（私）らを、/ |
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植物（ダリア）動物（クロ＝犬） |
さく しぬ |
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いつでも、おこる（怒る）おばさんが、/おろおろ泣いて居りました。//その日、学校（がっこ）でそのことを/おもしろそうに、 |
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カタカナ（クロ） |
おこる なく おもしろい |
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話してて、//ふっとさみしくなりました。 |
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はなす さみしい |
酒屋＝隣の酒屋 |
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| 276 |
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草の名 |
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くさのな |
Ⅱ |
下28 |
163 |
人の知ってる草の名は、/私（わたし）はちっとも知らないの。//人の知らない草の名を、/私はいくつも知ってるの。// |
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植物（草） |
●
しる しらない |
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それは私がつけたのよ、/好きな草には好きな名を。//人の知ってる草の名も、/どうせ誰（だれ）かがつけたのよ。// |
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つける |
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ほんとの名まえ（名前）を知ってるは、/空のお日さま（おひさま）ばかりなの。//だから私はよんで（呼んで）るの、/ |
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私ばかりでよんでるの。 |
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| 277 |
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独楽の実 |
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こまのみ |
Ⅱ |
下30 |
165 |
赤くて小（ち）さいこま（独楽）の実よ、/あまくて（甘くて）渋い（しぶい）こまの実よ。//お掌(おてて）のうえでこまの実を、/ |
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植物（独楽の実・茨・草） ● |
ちいさい あまい しぶい |
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一つ(ひとつ）まわしちゃ一つたべ、/みんな（皆）なくなりゃまた探す。//ひとり（一人）だけれど、草山に、/あか（赤）い |
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まわす たべる なくなる |
さがす |
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その実はかず知れず、/茨(いばら)のかげ（陰・蔭）にのぞいて（覗いて）て、//一人だけれど、草山で、/独楽をまわせば |
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しれない のぞく |
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日も闌ける（たける）。 |
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闌ける＝たけなわとなる |
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| 278 |
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しけだま |
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しけだま |
Ⅱ |
下32 |
166 |
夕焼（ゆうやけ)のなかに、/しけだまが赤いよ。/しけだまの下では、/仔牛(べえこ・こうし）があそぶ（遊ぶ）よ。//もういつ |
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気象（時化・夕焼け） |
● |
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からか、/あがった（上がった）きりだよ。/誰（だれ）もうわさ（噂）も、/しなくなったよ。//夕焼のそら（空）に、/しけだまは |
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あがる |
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赤いよ。/いつか来る、/いつか来る時化（しけ）を知らすよ。 |
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くる しらせる |
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| 279 |
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げんげの葉の唄 |
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げんげのはのうた |
Ⅱ |
下34 |
168 |
花は摘まれて/どこへゆく。//ここには青い空があり、/うたう（歌う）雲雀(ひばり）があるけれど、//あのたのしげ（楽しげ）な |
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植物（げんげ＝れんげ・花・葉） |
つむ うたう たのしい |
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たびびと(旅人）の、/風のゆくてが/おもわれる。//花のつけ根をさぐって（探って）る、/あの愛らしい手（て）のなかに、/ |
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動物（雲雀） |
おもう さぐる |
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私（わたし）を摘む手は/ないかしら。 |
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| 280 |
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羽蒲団 |
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はねぶとん |
Ⅱ |
下36 |
169 |
あったか（温ったか）そうな羽蒲団（はねぶとん）、/誰（だれ）にやろ、
/表でねむる（眠る）犬にやろ。//「私（わたし）よりか」 |
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動物（犬・鴨）植物（松・草） |
★ あたたかい やる |
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と犬がいう。/「うら（裏）のお山の一つ（ひとつ）松、
/ひとり（一人）で風を受けてます。」 //「私よりか」と松がいう。/ |
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うける |
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「野原でねむる枯れ草は、
/霜のおべべを着ています。」 //「私よりか」と草がいう。/「お池にねむる鴨の子は、/氷の蒲団 |
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気象（氷・霜・雪） |
おべべ（着物） きる しく |
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しいてます。」//「私よりか」と鴨がいう。
/「雪のお蔵のお星さま、/よっぴて（夜っぴて）ふるえて（震えて）いられます。」// |
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ふるえる |
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あったかそうな、羽蒲団、/誰（だれ）
にやろ、/やっぱし私が着てねよ（寝よ）よ。 |
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ねる |
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| 281 |
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星のかず |
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ほしのかず |
Ⅱ |
下40 |
171 |
十（とお・とう)しきゃない/指で、/お星の/かず(数)を、/かずえて(かぞえて)/いるよ。/きのうも/きょうも。//十しきゃない/ |
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童話的（星の数） ★ |
★ かぞえる |
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指で、/お星の/かずを、/かずえて/ゆこう。//いついつ/までも。 |
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| 282 |
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夜の雪 |
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よるのゆき |
Ⅱ |
下42 |
173 |
ぼたん雪、こ雪（小雪）、/雪ふる街（まち）を、/盲人（めくら）がひとり（一人）、/子供（こども）がひとり。//明るい窓で/ |
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気象（雪）カタカナ（ピアノ） |
★ かざる |
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ピアノはうたう（唄う・歌う）。//盲人はきくよ（聞くよ）、/杖をとめて。/牡丹（ぼたん）雪はかかる、/その手のうえに。// |
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植物（牡丹） |
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子供（こども）はみるよ/明るい窓を。/牡丹雪はかざる（飾る）、/おかっぱの髪を。//ピアノはうたう、/こころ（心）を |
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こめる |
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こめて、/ふたり（二人）のために、/春の日の唄（うた）を。//牡丹雪、こ雪、/ひらひら舞うよ、/二人（ふたり）のうえに、/ |
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まう あたたかい |
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あたたかく、うつくしく。 |
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うつくしい |
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| 283 |
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たもと |
|
たもと |
Ⅱ |
下46 |
175 |
袂(たもと)のゆかたはうれしいな、/よそゆきみたいな気がするよ。//ゆうがお（夕顔）の/花のあかるい（明るい）背戸(せど) |
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植物（ゆうがお・花） |
きがする あかるい |
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へ出て、/そっと踊りのまね（真似）をする。//とんとたたいて（叩いて）、手をいれて、/誰(だれ)かみたかと、ちょいと |
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まねする たたく |
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みる。//藍(あい)のにおい（匂い）のあたらしい（新しい）、/ゆかたのたもとはうれしいな。 |
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うれしい |
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| 284 |
|
さびしいとき |
|
さびしいとき |
Ⅱ |
下48 |
176 |
私（わたし）がさびしいときに、/よその人は知らないの。//私がさびしいときに、/お友だち（ともだち）は笑うの。//私が |
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わらう |
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さびしいときに、/お母さん（おかあさん）はやさしいの。//私がさびしいときに、/仏さまはさびしいの。 |
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家族(私・母）神仏（仏さま） |
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| 285 |
|
杉の木 |
|
すぎのき |
Ⅱ |
下50 |
177 |
「かあさま（母さま）、私（わたし）はなに（何）になる。」/「いまに大きくなるんです。」//杉のこども（子供）はおもい(思い） |
|
植物（杉・百合・花・藪・木） |
おおきい おもう |
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ます。/ （大きくなったら、そうしたら、/峠のみち（道・路）の百合(ゆり)のよな、/大きな花も咲かせよし、/ふもとの藪 |
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動物（うぐいす） |
さく おぼえる |
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(やぶ)のうぐいすの/やさしい唄(うた)もおぼえ（覚え）よし・・・・・・。）//「かあさま、大きくなりました、/そして私は何に |
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おぼえる |
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なる。」/杉の親木はもういない、/山が答えていいました。/「かあさんみたいな杉の木に。」 |
|
こたえる いう |
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| 286 |
|
金のお好きな王さま |
|
きんのおすきなおうさま |
Ⅱ |
下52 |
178 |
金（きん）のお好きな王さまの/御殿は金になりました。//王様のお手（おて）が触る（さわる）とき、/薔薇ものこらず（残らず） |
|
童話的（王様） |
なる |
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金でした。//王様のお手が抱く（だく）ときに、/おひめさま（お姫様）さへ、金でした。// 王様の手のとどく（届く）とこ、/世界 |
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はみんな（皆）金でした。//けれども、けれども、/そのときに、/空はやっぱり青でした。 |
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| 287 |
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椅子の上 |
|
いすのうえ |
Ⅱ |
下54 |
179 |
岩の上、/まわりは海よ、/潮(しお）はみちる（満ちる）。//おおい、おおい、/沖の帆かげ（ほかげ・影・陰）。/呼んでも、 |
|
関連（海を歩く母さま
Ⅲ-上52） |
みちる よぶ |
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なお、/とおく(遠く）、とおく。//日はくれる（暮れる）、/空はたかい（高い）、/潮はみちる・・・・・・。/
（もういいよ、ごはん |
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家族（母） |
とおい ご飯 |
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だよ。）/あ、かあさん（母さん）だ。/椅子（いす）の岩から/いせい（威勢）よく、/お部屋の海に/とびおりる（飛び降りる）。 |
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とぶ |
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| 288 |
|
報恩講 |
|
ほうおんこう |
Ⅱ |
下56 |
181 |
「お番（おばん）」の晩は雪のころ、/雪はなくても暗（やみ）のころ。//くらい（暗い）夜みち（夜道・路）をお寺へつけば/ |
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季節行事（報恩講）気象（雪） |
報恩講＝真宗開祖の法会 |
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とても大きな蝋燭（ろうそく）と、/とても大きなお火鉢で、/明るい（あかるい）、明るい、あたたかい。//大人（おとな）は |
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つく おおきい |
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しっとりお話で 、/子ども（こども・子供）は騒いじゃ叱られる。//だけど、明るくにぎやかで、/友だち（ともだち）ゃみんな |
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さわぐ しかる |
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（皆）よって（寄って）いて、/なに（何）かしないじゃいられない。// 更けてお家(おうち）へかえって（帰って）も、/なにか |
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よる しない いられる ふける |
かえる |
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うれしい、ねられ（寝られ）ない。//「お番」の晩は夜なか（夜中）でも、/からころ足駄（あしだ）の音がする。 |
|
ねる |
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| 289 |
|
蓮と鶏 |
|
はすとにわとり |
Ⅱ |
下58 |
183 |
泥（どろ）のなかから/蓮（はす）が咲く。//それをするのは/蓮じゃない。//卵（たまご）のなかから/鶏（とり）が出る。// |
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植物（蓮）動物（鶏） |
さく にわとり |
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それをするのは/鶏じゃない。//それに私（わたし）は/気がついた。//それも私の/せいじゃない。 |
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きがつく |
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| 290 |
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巡礼と花 |
|
じゅんれいとはな |
Ⅱ |
下60 |
185 |
お通りよ、/お通りよ。//巡礼(じゅんれい)の子はゆきません。//花屋の店です、/春の日の。//お通りよ、/お通りよ。// |
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植物（西洋花） |
とおる ゆく |
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巡礼の子は名も知らぬ、/西洋花をみています。//唄(うた)もうたわず、/息つめて。 |
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しらない みる うたう つめる |
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| 291 |
|
夕ぐれ |
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ゆうぐれ |
Ⅱ |
下62 |
187 |
「夕焼小焼（ゆうやけこやけ）」/うたい（歌い・唄い）やめ、/ふっとだまった私（わたし）たち。//誰(だれ）もかえろ（帰ろ）と |
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気象（夕焼け） ● |
うたう やめる だまる かえる |
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いわないが。//お家(おうち）の灯（あかり・ひ）がおもわれ（思われ）る、/おかずの匂い(におい）もおもわれる。//「かえろ |
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いう おもう |
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(かえる・蛙）がなくからかァえろ。」/たれ（誰）かひとこと言ったなら/みんな（皆）ぱらぱらかえるのよ、//けれどももっと |
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みな いう |
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大声で/さわいで（騒いで）みたい気もするし、//草山、小山(こやま）、日のくれ（暮れ）は、/なぜかさみしい風がふく。 |
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さわぐ |
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| 292 |
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ざくろ |
|
ざくろ |
Ⅱ |
下64 |
189 |
下から子供（こども）が/「ざくろさん、/熟れたら私（わたし）に/くださいな。」//上からからす（烏）が/「あほかいな。おさきへ |
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植物（ざくろ）動物（からす） |
うれる |
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私が/いただこ（いただこう）よ。」//あか（赤）いざくろは/だんまりで、/下へ、下へと、/たれさがる（垂れ下がる）。 |
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いただく たれる さがる |
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| 293 |
|
さざえのお家 |
|
さざえのおうち |
Ⅱ |
下66 |
190 |
海の夜あけ（夜明け）だ、砂のみち（路・道）、/トントン、「ちちや（乳屋）でございます、/海豚（いるか）のお乳（おちち）を |
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カタカナ（トントン・チンチリチン） |
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おきましょか。」//海のまひる（真昼）だ、海松並木（みるなみき）、/「号外、号外」、チンチリチン、/「鯨（くじら）が |
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動物（海豚・鯨）植物（松） |
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鰤網（ぶりあみ）にかけられた。」/海の夜ふけ（夜更け）だ、岩のかげ（陰）、/トントン、「急ぎじゃ、はよ開けた、/電報、 |
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魚貝類（鰤・さざえ） |
かかる いそぐ あける |
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電報、」ひっそりこ。//お風邪（かぜ）か、お留守（るす）か、お寝坊（ねぼう）か、/さざえのお家（おうち）は戸があかぬ。/ |
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あかない |
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明けても、暮れても、ひっそりこ。 |
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あける くれる |
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| 294 |
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寒のあめ |
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かんのあめ |
Ⅱ |
下68 |
191 |
しぼしぼ雨に/日ぐれ（日暮れ）の雨に、/まだ灯（ひ・あかり）のつかぬ、/街灯がぬれて。//きのうの凧（たこ）は/きのうの |
|
遊び（凧） |
つく ぬれる |
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ままに、/梢にたかく（高く）、/やぶれて破れて）ぬれて（濡れて）。//重たい傘(かさ)を/お肩にかけて、/おくすり提げて、/ |
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たかい やぶれる ぬれる |
かける さげる |
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私（わたし）はかえる（帰る）。//しぼしぼ雨に/日ぐれの雨に、/蜜柑(みかん)の皮は、/ふまれて（踏まれて）、ぬれて。 |
|
植物（みかん） |
ふむ |
|
| 295 |
|
轍と子供 |
|
わだちとこども |
Ⅱ |
下70 |
193 |
轍（わだち）は轢く（ひく）よ､/すみれの花を､/石を轢くように｡//田舎（いなか）のみち（路・道）で｡//子供（こども）はひろう |
|
植物（すみれ・花） |
ひく |
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|
（拾う）､/ちいさな石を､/花を摘むように｡//都（みやこ）のまち（街・町）で｡ |
|
つむ |
|
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| 296 |
|
日永 |
|
ひなが |
Ⅱ |
下72 |
194 |
山から/山を/雲のかげ（影）は。//枝から/枝へ/春の鳥は。//空(から/空を/その子の瞳(めめ）は。//空より/そと（外）を/ |
|
植物（枝）動物（鳥） |
日永＝日の長い時間・季節 |
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日なか（日中）の夢は。 |
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| 297 |
|
象 |
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ぞう |
Ⅱ |
下76 |
197 |
おおきな象にのりたいな、/印度(いんど）のくにへゆきたいな。//それがあんまり遠いなら、/せめてちいさくなりたいな。/ |
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動物（象・獣・ひばり・もぐら） |
おおきい のる ゆく とおい |
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おもちゃの象に乗りたいな。//菜の花ばたけ（畠・畑）、麦ばたけ、/どんなに深い森だろう。//そこで狩り出すけだもの（獣） |
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植物（菜の花・麦・れんげ） |
ちいさい ふかい かる |
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は、/象より大きなむぐらもち。//暮れりゃ雲雀（ひばり）に宿借りて、/七日七夜(なのかななや）を森のなか。// |
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遊び（おもちゃ） |
むぐらもち＝もぐら かりる |
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えもの（獲物）の山を曳きながら、/深い森から出たときに、//げんげ(れんげ）並木の中みち（道・路）は、/そこから仰ぐ |
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ひく あおぐ |
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大空（おおぞら）は、/どんなにどんなにきれいだろ。 |
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| 298 |
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四つ辻 |
|
よつつじ |
Ⅱ |
下80 |
199 |
誰（だれ）か/知らないお客さま、/おうち（お家）のみち（道）をきかないか。//すねてお家（おうち）をぬけた（抜けた）ゆえ、/ |
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植物（柳） |
きく すねる ぬける |
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秋の夕ぐれ（夕暮れ）、四つ（よつ）辻に。//はらりはらりと散る柳、/ちろりちろりとつく灯（ともし・あかり）。//たれ（誰）か/ |
|
ちる |
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知らない旅のひと、/お家のみちをきかないか。 |
|
きく |
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| 299 |
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光の籠 |
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ひかりのかご |
Ⅱ |
下82 |
200 |
私はいまね、小鳥なの。//夏の木のかげ（蔭・陰）、光（ひかり）の籠（かご）に、/みえない誰（だれ）かに飼われてて、/ |
|
動物（小鳥）植物（木） |
かう |
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知っているだけ唄（うた）うたう（唄う）、/私（わたし）はかわいい小鳥なの。//光の籠はやぶれる（破れる）の、/ぱっと翅） |
|
しる |
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(はねさえひろげ（広げ）たら。//だけど私は、おとなしく、/籠に飼われて唄ってる、/心（こころ）やさしい小鳥なの。 |
|
ひろげる おとなしい |
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|
| 300 |
|
草原の夜 |
|
そうげんのよる |
Ⅱ |
下84 |
201 |
ひるま（昼間）は牛がそこにいて、/青草食べていたところ。// 夜（よる）ふけ（更け）て、/月のひかり（光）があるいて |
|
童話的（天使）動物（牛） |
● たべる ふける あるく |
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（歩いて）る。//月のひかりのさわる（触る）とき、/草はすっすとまた伸びる（のびる）。/あした（明日）もご馳走（ごちそう） |
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植物（草・花） |
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してやろと。//ひるま（昼間）子ども（子供）がそこにいて、/お花をつんで（摘んで）いたところ。//夜ふけて、/天使がひとり |
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つむ |
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（一人）あるいてる。//天使の足のふむ（踏む）ところ、/かわり（代わり）の花がまたひらく（開く）、/あしたも子どもに |
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みせる |
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見せようと。 |
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| 301 |
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山の枇杷 |
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やまのびわ |
Ⅱ |
下86 |
203 |
山の枇杷（びわ）、/知らない人が枝にいて、/峠をのぼる（上る）わたし（私）らに/枝ごと投げてくれました。/
黄(きい）ろく |
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植物（枇杷・枝・葉） |
峠＝大日比峠 なげる |
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熟れた/
枇杷の実を ―//山の枇杷、/いまは葉ばかり、誰（だれ）もいず｡/峠のみち（道・路・径）のあき（秋）風に、/ |
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うれる ふかれる |
くだる |
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吹かれて私はくだり（下り）ます。/
ひとつ（一つ）の影の/
ながい（長い）こと ― |
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| 302 |
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石と種 |
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いしとたね |
Ⅱ |
下88 |
204 |
石ころは/街道(かいど・かいどう）の土にうもれて（埋もれて）た。//菜の種は/畠（はたけ）の土にうもれてた。//街道に/ |
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関連（石ころ Ⅰ-下62） |
●
うもれる |
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畠に/雨が降り、/街道に/畠に/日が照った。//畠の土から、芽（め）が出たら、/お百姓（ひゃくしょ・ひゃくしょう）さんが |
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植物（菜） |
てる |
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よろこんだ（喜んだ）。//街道に石がのぞいた（覗いた）ら、/乞食の子供（こども）がつまずいた。 |
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よろこぶ のぞく つまずく |
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| 303 |
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おひる休み |
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おひるやすみ |
Ⅱ |
下90 |
206 |
「城取りするもな みな来いよ。」/「ため鬼するもな みな来いよ。」//あの組ゃ、いれてはくれまいし、/あの組ゃ、あの子が |
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遊び（城取り・ため鬼） |
こい いれる くれる |
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大将だし。//知らぬかお（顔）して、片かげ（陰）で、/地面(じべた)に汽車を描いている。//あの組ゃ、わかれて（分かれて） |
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乗物（汽車）昆虫（蝉） |
しらない かく わかれる |
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はじめたな、/あそこは、鬼きめしているな。//なにか、びくびくしていたが、/みんなはじめて（始めて）しまったら、//騒ぎの |
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はじめる |
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なかに、裏山の/蝉のなく（鳴く・啼く）のがきこえるよ。 |
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きく |
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| 304 |
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さくらの木 |
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さくらのき |
Ⅱ |
下92 |
208 |
もしも、母さん(かあさん）が叱らなきゃ/咲いたさくらのあの枝へ、/ちょいとのぼって（上って）みたいのよ。// |
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童話的（お伽・姫さま） |
しかる さく のぼる みる |
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一番目（いちばんめ）の枝までのぼったら、/町（まち）がかすみ（霞）のなかにみえ、/お伽のくに（おとぎの国）のようで |
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気象（霞）家族（母・私） |
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しょう。//三番目（さんばんめ）の枝に腰かけて、/お花のなかにつつ（包）まれりゃ/、私がお花の姫さまで、/ふしぎな灰でも |
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植物（桜・木・枝・花） |
こしかける つつむ ふりまく |
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ふりまいて、/咲かせたような、気がしましょう。//もしも誰（だれ）かがみつけなきゃ、/ちょいとのぼってみたいのよ。 |
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まく きがする みつける |
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| 305 |
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さよなら |
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さよなら |
Ⅱ |
下94 |
210 |
母さま(かあさま)、母さま、待っててね、/とても私（わたし）はいそがしい。//うまや（厩舎）の馬に、鶏小屋の、/鶏と小ちゃな |
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同題（さよなら
Ⅰ-下208） |
★ まつ いそがしい |
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ひょっこに、/みんなさよならしてくるの。//きのうの木樵(きこり)に逢えるなら、/ちょいと山へもゆきたいな。//母さま、母 |
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家族（母・私）動物（馬・鶏・ひよこ） |
あう ゆく |
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さま、待っててね、/まだ忘れてたことがある。// 町（まち）へかえれ（帰れ）ばみられない、/みち（路・路）のつゆくさ、蓼 |
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植物（露草・蓼・花） |
わすれる かえる |
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(たで)のはな、/あの花、この花、顔をみて、/ようくおぼえて（覚えて）おきましょう。//母さま、母さま、待っててね。 |
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おぼえる |
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| 306 |
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学校 |
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がっこう |
Ⅱ |
下96 |
212 |
舟(ふね）でくる子もありました､/峠（とうげ）を越す子もありました｡//うしろは山で蝉の声､/まえはつつみ（堤）で葦（あし） |
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追憶（学校）
鏡現象(映る） |
こす |
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の風）｡//田圃（たんぼ）を超えて海がみえ､/真帆（まほ）も片帆（かたほ）もゆきました｡//赤い瓦に､雪が消え､/ |
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乗物（舟)
昆虫（蝉） |
みえる ゆく きえる |
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青いお空に桃（もも）が咲き､//新入生のくるころは､/鳰（にお）もかえろ（かえる）も啼きました｡//黒いつつみを背（せな）に |
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植物（葦・桃・苺）動物（鳰・かえる） |
さく くる なく |
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おい（負い）､/あか（赤）い苺（いちご）ももぎました｡//赤い瓦の学校よ､/水にうつった（映った）､あの屋根よ､//水に |
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おう もぐ うつる |
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うつった､影のよに､/いまはこころ（心）にあるばかり｡ |
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| 307 |
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となりの杏 |
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となりのあんず |
Ⅱ |
下100 |
214 |
花はのこらず見えました、/雨も、月夜も、ありました。//散ればちらちら垣越えて/風呂のなかにも浮きました。// |
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関連（喧嘩のあと
Ⅰ-下50） ● |
関連（お店ごっこ Ⅲ-下64） |
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葉かげ(蔭・陰）の小さい実のころは/みんな忘れて居りました。//熟れてまっか（真っ赤）になるころは/ |
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関連（お風呂
Ⅲ-下18） |
みえる ちる こえる うく |
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いつかくるかと待ちました。//そして私のもろうた(貰うた）は/あんず（杏）二つ（ふたつ）で |
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植物（花・葉・実・杏） |
ちいさい
わすれる うれる |
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ありました。 |
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まつ もらう |
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| 308 |
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ふり子/振子 |
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ふりこ/ふりこ |
Ⅱ |
下102 |
215 |
時計の窓をのぞいてる、/止まったふり子はさびしそう。//窓のそとには町（まち）がみえ、/子供（こども）が縄とび |
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新旧異題（ふり子） |
のぞく とまる さびしい |
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（なわとび）しているに、//誰（だれ）かみつけてくれないか。/鞦韆（ぶらんこ）ゆすってくれないか。//窓の硝子（がらす）を |
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遊び（縄とび・ぶらんこ） |
みえる みつける ゆする |
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のぞいてる、/錆びた（さびた）ふり子はさびしそう。 |
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のぞく さびる さびしい |
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| 308 |
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振子/ふり子 |
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ふりこ/ふりこ |
Ⅱ |
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215 |
時計の窓をのぞいてる、/止つたふり子はさびしさう。//窓のそとには、街（まち）がみえ/子供（こども）が縄とび（なわとび） |
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新旧異題（振子） |
のぞく とまる さびしい |
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してゐるに、//だれかみつけてくれないか。/鞦韆（ぶらんこ）押してくれないか。//窓の硝子（がらす）をのぞいてる、/ |
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遊び（縄とび・ぶらんこ） |
みつける おす のぞく |
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錆びた（さびた）ふり子は、さびしさう。 |
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さびる さびしい |
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| 309 |
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みえないお城 |
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みえないおしろ |
Ⅱ |
下104 |
216 |
野がり（野狩り）山がり日がくれて（暮れて）､/みえない家来（けらい）を供（とも）につれ､/みえないお城へかえります｡// |
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類似（空っぽ
Ⅱ-上198） |
くれる かえる |
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野ではみえない羊飼（ひつじかい）､/とおくでみえない笛吹いて､/みえない羊を呼んでます｡//森のむこうにゃ黄金色 |
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童話的（お城・王子） |
ふく よぶ |
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（きんいろ）の､/みえないお城の窓あかり（灯り・明かり）､/ちろりちろりと光ります｡//私はちいさい王子（おうじ）さま､/ |
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動物（羊・馬） |
ひかる のる ゆく |
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みえないお馬にのってゆきゃ､/みえないお鈴がひびき（響き）ます｡ |
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ひびく |
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| 310 |
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いろはかるた |
|
いろはかるた |
Ⅱ |
下106 |
217 |
ふときく（聞く）声は、/子供（こども）の声は、/「はな（花）より団子（だんご）、はの字だよ。」//小雨、ぬか雨、ふるなか |
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遊び（かるた） |
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（降る中）を、/兄さん（にいさん）むかえにゆくみち（道・路）よ。//みかえりゃ、雨戸がしまってて、/それでも灯（あかり）は |
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家族（兄）植物（花） |
むかえる みかえる しまる |
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こぼれてた。//「いいかい、おつぎは・・・・・。」/あるき（歩き）出す、/向うのむこうが/暗い（くらい）こと。 |
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こぼれる あるく |
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| 311 |
|
花と鳥 |
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はなととり |
Ⅱ |
下108 |
218 |
花と鳥、/あそんで（遊んで）た、/絵本のなかで。//花と鳥、/ならんでた、/おとむらい（弔い）のまえに。//たあれ（誰）と/ |
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弔い（おとむらい） |
あそぶ ならぶ |
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あそぶ。//花屋の花は。//たあれと/あそぶ。//鳥屋の鳥は。 |
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植物（花）動物（鳥） |
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| 312 |
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山ざくら |
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やまざくら |
Ⅱ |
下110 |
220 |
さくら（桜）、さくら、山ざくら、/私は髪に挿しました。/
山ひめ（姫）さまになりました。//さくら、さくら、山ざくら、/その木の |
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関連（魚売りの小母・・Ⅰ-下166） |
さす |
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下に立ちました｡/
山ひめさまは立ちました｡//さくら、さくら、やまざくら、/舞っておみせ、といいました。/
山ひめさまが |
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植物（桜・木） |
たつ まう みせる いう |
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いいました。//さくら、さくら、山ざくら、/ひらりしゃらりと舞いました。/ 山ひめさまにみせました。//さくら、さくら、山ざくら |
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、/髪から、みんな散りました｡/ 駆け駆けかえる（帰る）山みち（道・路）で。 |
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ちる かける |
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| 313 |
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雀の墓 |
|
すずめのはか |
Ⅱ |
下112 |
222 |
雀の墓をたてようと、/「スズメノハカ」と書いたれば、//風が吹いたと笑はれて、/だまって袂（たもと）へいれました。// |
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カタカナ（スズメノハカ） |
風が吹く＝気まぐれ風 |
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雨があがって、出てみたら、/どこへ雀を埋めたやら、/しろい(白い）はこべの花ばかり。//「スズメノハカ」は、建てもせず、 |
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動物（雀）植物（はこべ・花） |
かく ふく わらう だまる |
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/「スズメノハカ」は、棄てもせず。 |
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いれる あがる でる うめる |
たてる すてる |
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| 314 |
|
赤土山 |
|
あかつちやま |
Ⅱ |
下114 |
223 |
赤土山の赤土は、/売られて町（まち）へゆきました。
/赤土山の赤松は、/足のしたから崩れてて、/かたむきながら、 |
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植物（松）乗物（馬車） |
かえる堤付近にあった山か |
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泣きながら、/お馬車のあとを見送った。//ぎらぎら青い空のした下）、/しずかに白いみち（路・道）の上。//町へ売られた |
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うる ゆく くずれる
かたむく |
なく みおくる しずかな |
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赤土の、/お馬車は遠くなりました。 |
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とおい |
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| 315 |
|
仙人 |
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せんにん |
Ⅱ |
下116 |
224 |
花をたべて（食べて）た仙人は、/天へのぼって（昇って）ゆきました。/そこでお噺（おはなし)すみました。//私は花をた |
|
植物（花・緋桃・れんげ） |
たべる のぼる すむ |
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べました、/緋桃（ひもも）の花は苦かった。/ そこでげんげ（れんげ）をたべました。//お花ばかりをたべてたら、/ |
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にがい |
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いつかお空へゆけましょう。/ そこでも一つ（ひとつ）たべました。//けれどそろそろ日がくれて（暮れて）、/お家（おうち） |
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ゆく くれる |
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の灯り（あかり）がついたから、/そこで御飯をたべました。// |
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| 316 |
|
ピンポン/ピンポン |
|
ぴんぽん/ぴんぽん |
Ⅱ |
下118 |
225 |
二階のまどのすり硝子（がらす）、/ピンポンしてる/かげ法師。/港のまちの春のよい（宵）、/月はおかさ（傘）をさしていた。 |
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新旧相違（ピンポン） |
● 影法師 さす |
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//ほんのりとしゃぼんの香（か）、/母さま（かあさま）とお湯のかえりで/からころと。//とおりすぎても、しばらくは、/ |
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カタカナ（ピンポン）家族（母） |
しゃぼん＝石鹸 湯＝風呂 |
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|
|
ピンポンしてる/音がする。 |
|
とおる すぎる |
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| 316 |
|
ピンポン/ピンポン |
|
ぴんぽん/ぴんぽん |
Ⅱ |
|
225 |
二階の窓のすり硝子（がらす）/ピンポンしてる/かげ法師/港のまちの春のよひ（宵）/月はおかさ（傘）をさしてゐた。// |
|
新旧相違（ピンポン） |
● 影法師 さす |
|
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|
ほんのりとしやぼんの香（にほひ）/母さま（かあさま）とお湯のかへりで/からころと//とほりすぎてもお窓から/ |
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カタカナ（ピンポン）家族（母） |
しゃぼん＝石鹸 湯＝風呂 |
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|
|
ピンポンしてる/音がする。 |
|
とおる すぎる |
|
|
| 317 |
|
仲なおり |
|
なかなおり |
Ⅱ |
下120 |
226 |
げんげ（れんげ）のあぜみち（畦道）、春がすみ（霞）、/むこうにあの子が立っていた。//あの子はげんげを持っていた、/ |
|
植物（れんげ）気象（霞） |
★ かすみ たつ もつ |
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|
|
私（わたし）も、げんげを摘んでいた。//あの子が笑う、と、気がつけば、/私も知らずにわらってた。//げんげのあぜみち、 |
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カタカナ（ピイチク）動物（雲雀） |
つむ わらう きがつく |
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|
|
春がすみ、/ピイチク雲雀（ひばり）が啼いていた。 |
|
なく |
|
|
| 318 |
|
海の花園
-沢江（さわえ）の |
|
うみのはなぞの |
Ⅱ |
下122 |
227 |
入江の底の花園は、/舟(ふね）のうえから見られます。//とぶ（飛ぶ）は光（ひかり）の白い蝶（ちょう）、/ゆれるはみどり |
|
童話的（王さま）乗物（舟） |
みる |
|
|
|
海にて- |
|
-さわえのうみにて- |
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|
|
（緑）のとけい草。//ぼたんに似てる、むらさき(紫）の、/くらげの花はかず知れず、//こんなきれいな花ぞのは、/陸(おか） |
|
昆虫（蝶） |
にる |
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のうえにはありません。//だけどもそれは、つまらない、/浜の浜茶（はまちゃ）の花なのよ。//はるかの沖のその底の、/ |
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植物（花・時計草・ぼたん・浜茶） |
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丘(おか）や、谷間や、川べりや、/それから、海の王さま（王様）の、/御城(おしろ）の庭にさく（咲く）花は、//陸の花しきゃ |
|
しらない |
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知らぬ子にゃ、/おもう（思う）ことさえできません。 |
|
できない |
かける |
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| 319 |
|
ぶらんこ |
|
ぶらんこ |
Ⅱ |
下126 |
229 |
電信柱の鉄(かね）の枝、/電信工夫ののぼる（上る）枝。/ 私はぶらんこかけました。//だって、ここらにゃ木はないし、/ |
|
関連（橙畑
Ⅲ-上22） |
関連（お風邪
Ⅲ-下136） |
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家（うち）はせまくて叱られる。/ そこで私はかけました。//一つ（ひとつ）ゆすれば打つ（ぶつ）かった、/電信柱に |
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遊び（ぶらんこ・縄とび） |
せまい しかる ゆする |
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ぶつかった。/ そこでぶらんこときました。//縄を大事に手に巻いて、/私は駈けてゆきました。/ 縄とび（なわとび） |
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植物（枝・木） |
ぶつかる とく まく かける |
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出来る、裏まち（町）へ。 |
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ゆく できる |
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| 320 |
|
にぎやかなお葬い |
|
にぎやかなおとむらい |
Ⅱ |
下128 |
230 |
明るい、明るい、春の日です。/とても見事なおとむらい（弔い）です。//なん百という花輪の花は、/明るい（あかるい） |
|
弔い（花輪）植物（花） |
あかるい |
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明るい空の下で、/みんなみんな嬉しそうです。//朱ぬり（朱塗り）の車にのせられている、/鳩たちの黒い翅（はね）も、/ |
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乗物（車）動物（鳩） |
うれしい のせる ひかる |
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みんなみんな光っています。//あ、小さな男の子がひとり、/花輪のなかをくぐりぬけ（潜り抜け）ます、/私もぬけてみたく |
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祭り（通浦の神輿）青海島 |
神輿の下をくぐる習わし |
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なります。/ちょうどあの、祭りの晩に、/神輿の下をくぐるように。//たかい（高い）たかい旗のそばに、/うすい（薄い）うすい |
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くぐる ぬける うく |
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雲が浮いて、/ほんとにのどかな春の日です。 |
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註、四月二十六日、土地の親分伊藤なにがしの葬式あり。花輪二百余対、見物人おびただし。みな、なんとのう興ありげ |
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なりき |
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| 321 |
|
つばめ |
|
つばめ |
Ⅱ |
下131 |
232 |
つういと燕（つばめ）がとんだので、/つられてみたよ、夕空を。//そしてお空にみつけたよ、/くちべに（口紅）ほどの、 |
|
動物（燕）気象（夕やけ） |
● とぶ つられる みる |
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夕やけ(夕焼け）を。//そしてそれから思ったよ、/町(まち）へつばめがきた（来た）ことを。 |
|
おもう |
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| 322 |
|
お仏壇 |
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おぶつだん |
Ⅱ |
下132 |
233 |
お背戸（せど）でもいだ橙（だいだい）も、/町(まち）のみやげの花菓子も、/仏さまのをあげなけりゃ、/私（わたし）たちには |
|
長編詩 （381文字） |
もぐ あげる |
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とれないの。//だけど、やさしい仏さま、/じきにみんなに下さるの。/だから私はていねい（丁寧）に、/両手をかさねて |
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植物（橙・花）神仏（仏さま） |
とる くださる かさねる |
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いただくの。//家（うち）にゃお庭はないけれど、/お仏壇にはいつだって、/きれいな花が咲いてるの。/それでうち中 |
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家族（おばあさま） |
いただく さく |
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あかるい（明るい）の。//そしてやさしい仏さま、/それも私にくださるの。/だけどこぼれた花びらを、/踏んだりしては |
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こぼれる ふむ |
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いけないの。//朝と晩とにおばあさま、/いつもお灯明（あかり）あげるのよ。/なかはすっかり黄金（きん）だから、/御殿の |
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ように、かがやくの。//朝と晩とに忘れずに、/私もお礼をあげるのよ。/そしてそのとき思うのよ、/いちんち（一日）忘れて |
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わすれる おもう |
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いたことを。//忘れていても、仏さま、/いつもみていてくださるの。/だから、私はそういうの、/「ありがと、ありがと、仏さま |
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いう ありがとう |
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。」//黄金の御殿のようだけど、/これは、ちいさな御門なの。/いつも私がいい子なら、/いつか通ってゆけるのよ。 |
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とおる |
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| 323 |
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このみち |
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このみち |
Ⅱ |
下136 |
236 |
このみち(道・路)のさきには、/大きな森があろうよ。/ひとりぽっち（一人ぼっち）の榎(えのき)よ、/このみちをゆこうよ。// |
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植物（榎・蓮）動物（かえる） |
おおきい ある ゆく |
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このみちのさきには、/大きな海があろうよ。/蓮池(はすいけ)のかえろ(かえる・蛙)よ、/このみちをゆこうよ。// |
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このみちのさきには、/大きな都(みやこ)があろうよ。/さびしそうな案山子(かかし)よ、/このみちを行こうよ。// |
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さびしい |
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このみちのさきには、/なにか（何か）なにかあろうよ。/みんな（皆）でみんなで行こうよ、/このみちをゆこうよ。 |
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いく |
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| 324 |
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竹とんぼ |
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たけとんぼ |
Ⅱ |
下138 |
238 |
キリリ、キリリ、竹とんぼ、/あがれ、あがれ、竹とんぼ。//二階の屋根よりまだ高く、/一本杉よりまだ高く、/ |
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カタカナ（ｷﾘﾘ）遊び（竹とんぼ） |
あがる たかい |
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かつらぎ山よりまだ高く。//私のけずった竹とんぼ、/私のかわりに飛びあがれ。//キリリ、キリリ、竹とんぼ、/ |
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植物（竹・杉）動物（ひばり） |
たかい けずる とぶ |
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あがれ、あがれ、竹とんぼ。//ひばりの唄(うた)よりまだ高く、/かすんだお空をつき抜けろ。//けれどもきっと忘れずに、/ |
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二階の屋根＝大日比の親戚 |
かすむ つきぬける わすれる |
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お山の煙(けむ・けむり)よりまだ高く、/ここの小みち（小径・小路）へ下りてこい。 |
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たかい おりる |
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| 325 |
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誰がほんとを |
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だれがほんとを |
Ⅱ |
下140 |
240 |
誰（だれ）がほんと（本当）をいうでしょう、/私（わたし）のことを、わたしに。/ よその小母さん（おばさん）はほめたけど、/ |
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家族（母・私）植物（花） |
いう ほめる |
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なんだかすこうし（すこし）笑ってた。//誰がほんとをいうでしょう、/花にきいた（聞いた）ら首ふった。/ それもそのは |
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動物（小鳥） |
わらう きく ふる |
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ず、花たちは、/ みんな、あんなにきれいだもの。//誰がほんとをいうでしょう、/小鳥にきいたら逃げちゃった。/ |
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にげる |
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きっといけないことなのよ、/ だから、言わずに飛んだのよ。//誰がほんとをいうでしょう、/かあさん（母さん）にきく |
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とぶ |
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のは、おかしいし、/ （私は、かわいい、いい子なの、/
それとも、おかしなおかお（顔）なの。）//誰がほんとをいうで |
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しょう、/わたしのことをわたしに。 |
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| 326 |
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積った雪 |
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つもったゆき |
Ⅱ |
下144 |
242 |
上の雪/さむかろな。/つめたい（冷たい）月がさしていて。//下の雪/重かろな。/何百人ものせていて、// |
|
気象（雪） ● |
★ 中の雪 |
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中の雪/さみしかろな。/空も地面(じべた)もみえないで。 |
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さむい さす おもい のせる |
さみしい |
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| 327 |
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空いろの花 |
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そらいろのはな |
Ⅱ |
下148 |
245 |
青いお空の色してる、/小さい花よ、よくお聴き。//むかし（昔）、ここらに黒い瞳（め）の、/かわいい女の子があって、/ |
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植物（花） |
きく |
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さっき私（わたし）のしてたよに、/いつもお空をみていたの。//一日青ぞら（青空）映るので、/お瞳（めめ）はいつか、空いろ |
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みる うつる |
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（空色）の、/小さな花になっちゃって、/いまもお空をみているの。//花よ、わたしのお噺（はなし）が、/もしもちがって |
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ちがう |
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（違って）いないなら、/おまえはえらい博士（はかせ）より、/ほんとの空を知っていよ。//いつも私が空をみて、/たくさん、 |
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しる かんがえる |
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たくさん、考えて、/ひとつもほんと（本当）は知らぬこと、/みんなみていよ、知っていよ。//えらいお花はだｧまって |
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だまる |
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（だまって）、/じっとお空をみつめてる。/空に染まった青い瞳（め）で、/いまも、飽きずにみつめてる。 |
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みつめる そまる あきる |
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| 328 |
|
もういいの/もういいの |
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もういいの/もういいの |
Ⅱ |
下152 |
247 |
─
もういいの。/─ まあだだよ。/枇杷（びわ）の木の下と、/牡丹（ぼたん）のかげ（陰・蔭）で、/かくれんぼの子供 |
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新旧相違（もういいの） |
まだ |
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（こども）。//─
もういいの。/─ まあだだよ。/枇杷の木の枝と、/あお（青）い実のなかで、/小鳥と、枇杷と。// |
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植物（枇杷・木・牡丹）動物（小鳥） |
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─
もういいの。/─ まあだだよ。/青い空のそと（外）と、/黒い土のなかで、/夏と、春と。 |
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遊び（かくれんぼ） |
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| 328 |
|
もういいの/もういいの |
|
もういいの/もういいの |
Ⅱ |
|
247 |
─
もういいの。/─ まあだだよ。/枇杷（びわ）の木の下と、/牡丹（ぼたん）のかげ（陰・蔭）で、/かくれん坊の子供 |
|
新旧相違（もういいの） |
まだ |
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（こども）。//─
もういいの。/─ まあだだよ。/枇杷の木の枝と、/青い實のなかで、/小鳥と、枇杷と。// |
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植物（枇杷・木・牡丹）動物（小鳥） |
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|
─
もういいの。/─ まあだだよ。/お空のそと（外）と、/黒い土のなかで、/夏と、春と。 |
|
遊び（かくれんぼ） |
|
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| 329 |
|
げんげ |
|
げんげ |
Ⅱ |
下154 |
249 |
雲雀(ひばり)聴き聴き摘んでたら、/にぎり切れなくなりました。//持ってかえればしおれます、/しおれりゃ、誰かが捨て |
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類似題（れんげ
Ⅰ-下170） |
きく つむ にぎる もつ |
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ましょう。/きのうのように、芥箱(ごみばこ)へ。//私はかえるみち（道・路）みちで、/花のないとこみつけては、/はらり、 |
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動物（雲雀）植物（れんげ・花） |
しおれる すてる みつける |
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はらりと、撒きました。/―
春のつかい（使い）のするように。 |
|
まく |
もつ かえる しおれる |
|
| 330 |
|
ふうせん |
|
ふうせん |
Ⅱ |
下156 |
250 |
ふうせん(風船)持った子がそばにいて、/私が持ってるようでした。/ぴい、とどこぞで笛が鳴る、//まつり(祭り)のあとの、 |
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遊び（風船）祭り（祭・笛） |
● もつ なる |
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裏どおり、//あか(赤）いふうせん、/昼の月、/春のお空にありました。//ふうせん持った子が行っちゃって、/ |
|
いく |
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|
すこしさびしくなりました。 |
|
さびしい なる |
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| 331 |
|
ちんがらこ |
|
ちんがらこ |
Ⅱ |
下158 |
251 |
ちんが､ちんが､ちんがらこ｡/切れた草履（ぞうり）を手に提げて､/麦の中みち（道・路）ちんがらこ｡//飛ぶとき遠くの川瀬が |
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植物（麦・豆・花・れんげ・菜種） |
ちんがら＝跛（ちんば） |
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みえた､/あっちのあぜ（畦）の､豆の花みえた｡/麦も飛ぶたび飛ぶような｡//みちの縁(ふち)にはげんげ（れんげ）草､/菜種 |
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きれる さげる とぶ とおい |
みえる |
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もこぼれて咲いている｡//右に花摘み､左に花摘み､/切れた片し（かたし・片足・片方）が邪魔（じゃま）になる｡//切れた |
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こぼれる さく つむ |
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草履が要るものか､/ぽんとほうって（放って）､ちんがらこ｡//ちんが､ちんが､ちんがらこ｡ |
|
いる ほうる |
|
|
| 332 |
|
紙ふうせん |
|
かみふうせん |
Ⅱ |
下160 |
253 |
一つ（ひとつ）、ついては、て（手）をたたく、/紙ふうせんののぼる（上る）空。//絹（きぬ）の旗雲（はたぐも）、羽の雲、/ |
|
遊び（紙風船） |
つく たたく |
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柳（やなぎ）のような、枝の雲。//「さんさん笹山」その唄（うた）の/猿もさんさん、笹山で、/お手々(おてて)たたいて |
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植物（柳・枝・笹） |
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春の日を、/みなでたのしくあすぼうし（遊ぼうし）、//ひとりあそび（一人遊び）もお日和(ひより）は、/ |
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あそぶ |
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ひとりあそびも春の日は。 |
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註、「さんさん笹山お猿が一匹手をたたく」
一つ手を拍つ、「さんさん笹山お猿が一匹手をたたく」
二つ手を拍つ。 |
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|
| 333 |
|
金米糖の夢 |
|
こんぺいとうのゆめ |
Ⅱ |
下162 |
255 |
金平糖（こんぺいとう)は/夢みてた。//春の田舎(いなか)の/お菓子屋の/硝子（がらす）のびんで/夢みてた。// |
|
遺稿集にﾀｲﾄﾙのみの同名詩あり |
★ みる |
|
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硝子の舟(ふね)で/海越えて/海のあなたの/大ぞら(大空)の/お星になった/夢みてた。 |
|
乗物（舟） |
こえる なる |
|
| 334 |
|
電信柱 |
|
でんしんばしら |
Ⅱ |
下164 |
256 |
耳もとでおしゃべり雀の声がして、/電信柱は眼（め）がさめた（覚めた）。//野菜ぐるま（車）の絶えたころ、/工夫（こうふ）が |
|
動物（雀）カタカナ（コツコツ） |
●★ さめる たえる |
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コツコツやって来た。//おひる（昼）すぎから風が出た、/子供（こども）がお耳をおっつけた。//糸を切られたふうせんは、/ |
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植物（野菜）乗物（くるま） |
くる でる おしつける きる |
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|
鼻をかすめて飛んでった。//夕焼小焼（ゆうやけこやけ）で日がくれた（暮れた）、/あたま（頭）の近くへ星が出た。// |
|
遊び（ふうせん）気象（夕焼け） |
かすめる とぶ くれる |
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足もとで救世軍がうたう（歌う）ので、/電信柱はねむなった（眠なった）。 |
|
ねむる |
救世軍＝キリスト教慈善団体 |
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| 335 |
|
いい眼 |
|
いいめ |
Ⅱ |
下166 |
258 |
山のむこうの鳩の眼（め）を、/ねらって鐵砲（てっぽ・鉄砲）が射てるよな、
/いい眼が私にあったなら、//町（まち）の |
|
遊び（鉄砲遊び） |
ねらう うつ ある |
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|
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|
かあさん（母さん）のそばにいて、/田舎（いなか）の、林の、木の枝の、
/小鳥の巣かけもみな見える。//沖の、小島の、 |
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動物（鳩・小鳥）植物（木・枝） |
みえる |
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|
片かげ（影・陰）の、/岩の鮑(あわび)もみなみえる。
//空の、夕焼（ゆうやけ）の、雲のうえ、/天使のすがた（姿）もよく |
|
魚貝類（鮑）気象（夕焼け）
● |
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|
みえる。
//そんないい眼があったなら、/いつも、母さんのそばにいて、/いろんなことをみようもの。 |
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家族（母） |
みる |
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| 336 |
|
声 |
|
こえ |
Ⅱ |
下168 |
260 |
空のあかるい（明るい）/日のくれ（暮れ）は、/いつも遠くで/声がする。//かごめなんか/してるよな。/それとも/波の音の |
|
関連（魚市場
Ⅲ-上24） |
とおい |
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よな。/やっぱり/子供（こども）の声のよな。//なにか（何か）ひもじい/日のくれは、/いつもとおく（遠く）で/声がする。 |
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遊び（かごめ） |
|
|
| 337 |
|
お孃さん |
|
おじょうさん |
Ⅱ |
下170 |
262 |
道を教えた旅びと（旅人）は、/とうにみえなく（見えなく）なったのに、/私（わたし）はとぼんとしていたよ。//いつも私の |
|
童話的（姫） |
おしえる みえない |
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かんがえる（考える）、/あのおはなし（お話・お噺）のお国では、/お姫さまともよばれて（呼ばれて）も、/あたし（私）は |
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よぶ |
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|
貧乏(びんぼ・びんぼう）な田舎（いなか）の子。//「お嬢さん、ありがとう。」/そっとあたりをみまわして（見回して）、/なにか |
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びんぼう きがする |
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（何か）ふしぎな（不思議な）気がするよ。 |
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| 338 |
|
みそはぎ |
|
みそはぎ |
Ⅱ |
下172 |
263 |
ながれ（流れ）の岸のみそはぎは、/誰（だれ）も知らない花でした。//ながれの水ははるばると、/とおく（遠く）の海へゆき |
|
植物（みそはぎ・花） |
しらない とおい ゆく |
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ました。//大きな（おおきな）、大きな、大海で、/小さな（ちいさな）、小さな、一しずく（ひと滴）、//誰も、知らないみそはぎ |
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を、/いつもおもって（思って）居りました。//それは、さみしいみそはぎの、/花からこぼれた露でした。 |
|
こぼれる |
|
|
| 339 |
|
輪まはし |
|
わまわし |
Ⅱ |
下174 |
264 |
あの町（まち）ぬけて（抜けて）/この町ぬけて/輪まわし がァらがら。/一つ(ひとつ）人力/二つ(ふたつ）荷車/おいこし |
|
遊び（輪まわし） |
★ ぬける ガラガラ |
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|
|
（追い越し）て
がァらがら。/三つ目(みっつめ）をぬけば/もう町はずれ、/町の外へ がァらがら。//田圃（たんぼ）のみち |
|
乗物（人力車・荷車） |
おいこす |
|
|
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（道・路）は/お空へつづく（続く）、/空の上まで がァらがら。/日が暮れかかりゃ/夕やけ(ゆうやけ）のなかへ/ほうり出して、 |
|
気象（夕やけ）
● |
くれる ほうる |
|
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|
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かァえろ（帰ろ）。//海から出た星が、/その輪をかぶって（被って）、/天文台の博士、/びっくり、しゃっくり、目(め）を |
|
かえる かぶる |
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|
|
|
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|
まわす。/「大発見じゃ、たいへん（大変）じゃ、/土星が二つ（ふたつ）にふえちゃた。」 |
|
ふえる |
|
|
| 340 |
|
空と海 |
|
そらとうみ |
Ⅱ |
下178 |
266 |
春の空はひかる（光る）、/絹のようにひかる、/なんで（何で）なんでひかる。//なかのお星が/透く(すく）からよ。//春の海は |
|
魚貝類（貝） |
★ すける |
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|
|
|
|
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ひかる、/貝のよにひかる、/なんでなんでひかる。//なかに真珠が/あるからよ。 |
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|
|
| 341 |
|
いいこと |
|
いいこと |
Ⅱ |
下180 |
267 |
古い土塀が/くずれてて、/墓のあたま（頭）の/みえる（見える）とこ。//道の右には/山かげ（陰・影）に、/はじめて（初めて） |
|
くずれる |
大日比峠か? |
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|
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|
|
|
|
|
|
海の/みえるとこ。//いつかいいこと/したところ、/通るたんび（たび・度）に/うれしいよ。 |
|
とおる |
|
|
| 342 |
|
昼と夜 |
|
ひるとよる |
Ⅱ |
下182 |
268 |
昼のあとは/夜よ、/夜のあとは/昼よ。//どこに居たら/見えよ。//長い長い/縄（なわ）が、/その端（はし）と/端が。 |
|
いる みえる |
|
|
| 343 |
|
葉っぱの赤ちゃん |
|
はっぱのあかちゃん |
Ⅱ |
下184 |
269 |
「ねんね（寝んね）なさい」は/月の役。/そっと光（ひかり）を着せかけて、/だまってうたう（唄う・歌う）ねんね唄（うた）。// |
|
植物（葉・枝）動物（小鳥） |
● ねる きせる だまる |
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|
|
|
|
|
|
|
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「起っきなさい」は/風の役。東の空のしらむ（白む）ころ、/ゆすっておめめ（お目めめ）さま（覚ま）させる。//昼のお守りは/ |
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おきる ゆする さます うたう |
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|
|
|
|
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小鳥たち。/みんなで唄をうたったり、/枝にかくれて（隠れて）、また出たり。//ちいさな/葉っぱの赤ちゃんは、/おっぱい |
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かくれる |
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|
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|
|
|
|
|
|
のんでねんねして、/ねんねした間にふとり（太り）ます。 |
|
のむ ふとる |
|
|
| 344 |
|
一番星 |
|
いちばんぼし |
Ⅱ |
下186 |
271 |
ひばり（雲雀）が空で/一番星みィつけた（見つけた）。//船頭（せんど）の子が海で/一番星みィつけた。//支那（しな）の子 |
|
動物（雲雀） |
★ 一番星・長者＝言い伝え |
|
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|
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|
|
が支那で/一番星みィつけた。//たァれ（誰）が長者に/なァる。//知っているものは/一番星ばかり。 |
|
みつける しる なる |
|
|
| 345 |
|
あの子 |
|
あのこ |
Ⅱ |
下188 |
272 |
―
あの子を誰（だれ）が奪り（とり）ました。/―
あの子は私（わたし）が呼びました。//―
あの子はどこへゆきました。/ |
|
家族（母・子） |
とる よぶ ゆく |
|
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|
―
私のくにへゆきました。//―
あの子はいけない子でしたに。/―
あの子はいけない子だけれど、/あの子のかあさま |
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|
ゆく |
|
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|
|
|
|
|
（母さま）、そこにいて、/あまり待つから、おもう（思う）から。 |
|
まつ おもう |
|
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| 346 |
|
仏さまのお国 |
|
ほとけさまのおくに |
Ⅱ |
下190 |
273 |
おなじ（同じ）ところへゆくのなら、/み仏(みほとけ）さまはたれ（誰）よりか、/わたくしたちがお好きなの。//あんないい子の |
|
神仏（仏さま）植物（花） |
★ すき |
|
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|
|
|
|
|
花たちや、/みんなにいい唄(うた）きかせてて、/鉄砲（てっぽ・てっぽう）で射たれる鳥たちと、/おなじところへゆく |
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動物（鳥） |
きかす うつ ゆく |
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のなら。//ちがうところへゆくのなら、/わたくしたちの行くとこは、/一ばん（いちばん）ひくい（低い）とこなのよ。// |
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いく |
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一ばんひくいとこだって、/私たちには行けないの。/それは、支那(しな）より遠い（とおい）から、/それは、星より高いから。 |
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たかい |
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| 347 |
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ガラスふき |
|
がらすふき |
Ⅱ |
下192 |
275 |
お窓にのぼって（上って）ガラス(がらす・硝子)ふき（拭き）。/ふきふき見れば、教室の、/机の上に草が生え、/誰かはだし |
|
カタカナ（ｶﾞﾗｽ）鏡現象(反射） |
のぼる ふく みる はえる |
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で取っている。//草取る上の黒板に、/誰か墨汁（すみじる）ぬって（塗って）いる。//ぬったばかりの黒板にゃ、/花のさかり |
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植物（草・花・桜） |
ぬる |
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の山ざくら（山桜）。//土手のむこうを守（もり）っ子が、/花をみい（見い）みい行きすぎる。//うつった（映った）影を |
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いく すぎる うつる
しらない |
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知らないで、/みている私（わたし）を知らないで。 |
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みる |
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| 348 |
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桃 |
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もも |
Ⅱ |
下194 |
277 |
一（いち）、二（に）ィ、三（さん）、/飛びついた。//ゆっさゆっさゆれる（揺れる）/桃（もも）の枝。//枝は下って来は来たが、/ |
|
植物（桃・枝） |
とびつく さがる |
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右もひだりも手があかぬ。//一、二ィ、三、/飛び下りた。//ぴんとかへった（返った）/桃の枝。//あの桃、あの桃、たァかいな |
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あかない とぶ おりる |
たかい |
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（高い）、/あの桃、あの桃、大きいな。 |
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おおきい |
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| 349 |
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御本 |
|
ごほん |
Ⅱ |
下196 |
279 |
さびしいときは、父さん（とうさん）の、/お留守の部屋で、本棚の、/御本の背（せな）の金文字を、/じっと眺めて立ってるの。// |
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家族（父）植物（若葉） |
ながめる たつ |
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ときにゃ（時には）、こっそり背のびして、/重たい御本をぬき出して、/人形のように、抱っこして、/明るい（あかるい）お縁 |
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おもい ぬきだす だっこ |
お縁＝縁側 |
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（えん）へ出てゆくの。//なかは横文字ばかし（ばかり）なの、/カナはひとつ（一つ）もないけれど、/もよう（模様）みたいで、 |
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カタカナ（カナ） |
でる |
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きれいなの。/それに、ふしぎな（不思議な）香（か・かおり）がするの。//お指なめなめ、つぎつぎ（次々）に、/しろ(白）い、 |
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なめる |
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頁（ﾍﾟｲｼﾞ・ﾍﾟｰｼﾞ）をくり（繰り）ながら、/そこにかかれた（書かれた）お噺（はなし）を、/つぎからつぎへとこさえるの。// |
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くる かく |
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若葉のかげ（陰・蔭）の文字にさす、/五月のお縁で父さんの、/大きな御本よむ（読む）ことが、/私（わたし）ほんとに好き |
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すき |
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なのよ。 |
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| 350 |
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まり |
|
まり |
Ⅱ |
下200 |
281 |
まり（毬）を尋ねて（たずねて）町（まち）の子は/知らぬ町までゆきました。/塀（へい）の上からふと飛んだ、/それはしゃぼん |
|
遊び（まり）植物（あじさい・柳） |
たずねる ゆく とぶ |
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玉、消えました。//まりを尋ねて町の子は/田舎(いなか）の一軒屋へゆきました。/一軒屋のお背戸(せど）でみつけたが、/ |
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しゃぼん玉 きえる みつける |
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それはあじさい、散りました。//まりを尋ねて町の子は/青い空までゆきました。/白いやなぎ（柳・楊）の雲かげ（影・陰）に、/ |
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ちる |
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まりはかくれて（隠れて）おりました。 |
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かくれる |
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Ⅱ-
空のかあさま （下） |
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Ⅱ |
Ⅱ |
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Ⅱ-
空のかあさま （下） |
|
Ⅱ |
Ⅱ |
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Ⅲ-
さみしい王女 (上） |
|
Ⅲ |
Ⅲ |
|
|
Ⅲ-
さみしい王女 (上） |
|
Ⅲ |
Ⅲ |
|
| 351 |
|
雀 |
|
すずめ |
Ⅲ |
上10 |
3 |
ときどき私（わたし）はおもう（思う）のよ。//雀に御馳走(ごちそう）してやって、/みんな馴らして(ならして)名をつけて、/ |
|
動物（雀）遊び |
ならす つける |
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て、/肩やお掌(てて)にとまらせて、/よそへあそび（遊び）に行くことを。/けれどもじきに忘れるの。/だって、遊びはたくさん |
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とまる あそぶ わすれる |
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で、/雀のことなんか忘れるの。//思い出すのは夜だもの、/雀のいない夜だもの。//いつも私のおもうこと、/もしか雀が |
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おもいだす |
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知ってたら、/待ちぼけ（待ちぼうけ）ばっかしてるでしょ。/わたし（私）、ほんとにわるい子（悪い子）よ。 |
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しる |
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| 352 |
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つくる |
|
つくる |
Ⅲ |
上12 |
5 |
小鳥は/藁(わら)で/その巣をつくる。/
その藁/ その藁/
たあ（誰）れがつくる。//石屋は/石で/お墓をつくる。/ |
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動物（小鳥）遊び（箱庭） |
つくる |
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その石/
その石/ たあれがつくる。//わたし（私）は/砂で/箱庭つくる。/
その砂/ その砂/
たあれがつくる。 |
|
植物（藁） |
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| 353 |
|
世界中の王樣 |
|
せかいじゅうのおうさま |
Ⅲ |
上14 |
7 |
世界中の王様をよせて（寄せて）、/「お天気ですよ。」と云って（言って）あげよう。//王様の御殿はひろい（広い）から、/ |
|
童話的（王様） |
よせる いう あげる |
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どの王様も知らないだろう。/こんなお空を知らないだろう。//世界中の王様をよせて/そのまた王様になったのよりか、/ |
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しらない |
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もっと、ずっと、うれしいだろう。 |
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| 354 |
|
時のお爺さん |
|
ときのおじいさん |
Ⅲ |
上16 |
8 |
タッ、タッ、といそいで（急いで）駈けてゆく、/忙しい（せわしい）「時」のお爺さん（おじいさん）。//私（わたし）の持ってるもの |
|
カタカナ（タッタッ・ラムネ） |
いそぐ かける いそがしい |
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ならば、/なんでも（何でも）あなたにあげましょう。//穴のある石、縞(しま)の石、/あお（青）いラムネの玉いつつ（五つ）。/ |
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植物（芒） |
あげる |
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ふるい（古い）不思議な芝居絵も、/銀の芒(すすき)のかんざしも。//タッ、タッ、と休まず駈けてゆく、/巨きな(おおきな）「時」 |
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祭り（祭） |
やすむ かける おおきな |
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のお爺さん。//もしも、あなたがお祭を、/いますぐ持って来てくれるなら。 |
|
もつ くる |
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| 355 |
|
人形の木 |
|
にんぎょうのき |
Ⅲ |
上18 |
10 |
いつだか埋めた種からは、/ちいさい桃の木生えました。/たった一つ（ひとつ）の人形だけど、/お庭のすみに埋めましょう。// |
|
童話的・遊び（人形） |
うめる はえる |
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さみしくってもがまん（我慢）して、/ちいさい二葉を待ちましょう。//ちいさいその芽（め）をそだて（育て）たら、/三年さきで |
|
植物（桃の木・花・葉・芽） |
さみしい まつ そだてる |
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花が咲き、/秋にゃかわいい人形が生(な)って、/町じゅうの子供（こども）にひとつずつ、/木からもいではわけてやる、/ |
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さく なる もぐ わける |
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|
人形の木が生えるから。 |
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| 356 |
|
ねがい |
|
ねがい |
Ⅲ |
上20 |
11 |
夜が更けるなあ、/ねむたい（眠たい）なあ。//いいや、いいや、ねて（寝て）しまおう。/夜の夜なかに、この部屋へ、/ |
|
童話的（小人） |
ふける ねむい ねる |
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|
赤い帽子(しゃっぽ)でひょいと出て、/こっそり算術やっておく、/悧巧な(りこうな・利口な）小びと（小人）が一人やそこら、/ |
|
でる やる |
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きっとどこぞにいるだろよ。 |
|
いる |
|
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| 357 |
|
橙畑 |
|
だいだいばたけ |
Ⅲ |
上22 |
12 |
橙畑(だいだいばたけ)の橙の木は、/みんな伐られた、その根も掘られた、/ただの畑になるって話だ。//なに（何）を |
|
関連（ぶらんこ
Ⅱ-下126） |
関連（お風邪
Ⅲ-下136） |
|
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つくるか知らないけれど/茄子(なすび・なす)にゃぶらんこ掛けられまいし/
(てんと虫ならできようけれど)/豆で木登りできる |
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植物（橙・なす・豆・木） |
きる ほる |
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ものか。/
(ジャックの豆なら知らないけれど。)//橙畑の橙の木は、/青い実のままみんな伐られた。/あそぶ処（ところ）が |
|
遊び（ぶらんこ）昆虫（てんと虫） |
しらない かける のぼる |
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また一つ減った（へった）よ。 |
|
カタカナ（ジャック） |
へる |
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| 358 |
|
魚市場 |
|
うおいちば |
Ⅲ |
上24 |
13 |
瀬戸に/渦まく/夕潮/
とおく（遠く）/とどろく（轟く）/夕暗(ゆうやみ)//市のひけた/市場に、/海からかげ（影）が/のぞく |
|
関連（声
Ⅱ-下168） |
うずまく |
|
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（覗く）よ。//子供（こども）は、子供は、/どこにと、/何か、何か、/のぞくよ。//秋刀魚(さんま)の色した/夕ぞら（夕空）、/ |
|
動物（からす）魚類（さんま） |
|
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|
烏(からす)が啼かずに/わたる（渡る）よ。 |
|
なく |
烏が渡る＝青海島に帰る |
|
| 359 |
|
みえない星 |
|
みえないほし |
Ⅲ |
上28 |
15 |
空のおく（奥）には何がある。//
空のおくには星がある。/星のおくには何がある。//
星のおくにも星がある。/
眼（め） |
|
宇宙的（星）童話的（王様） |
★ |
|
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|
には見えない星がある。//みえない星はなんの星。//
お供の多い王様の、/ ひとり（一人）の好きなたましい（魂）と、/ |
|
すき |
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|
みんなに見られた踊り子の、/かくれて（隠れて）いたいたましいと。 |
|
みられる かくれる |
|
|
| 360 |
|
トランプのお家 |
|
とらんぷのおうち |
Ⅲ |
上30 |
16 |
トランプの札でお家（おうち）を/つくりましょう。/お室(へや)はみんな裏むきで、/床のもようがうつくしく、/ダイヤの一が |
|
童話的（王・女王）遊び（トランプ） |
つくる うつくしい |
|
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|
電灯(でんき)です。//お庭にゃスペード、クラブの木、/ハートの花もちらちらと。/トランプの札のお家にゃ/誰（だれ）が棲む。/ |
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ｶﾀｶﾅ（ﾄﾗﾝﾌﾟ・ﾀﾞｲﾔ・ｽﾍﾟｰﾄﾞ・・ﾎﾞﾝ） |
すむ |
|
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|
四人の王と四人の女王のそのなかで、/きらわれ(嫌われ）もののスペードの、/王と女王を棲ませましょう。//トランプの札の |
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植物（木・花） |
きらう |
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|
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|
|
お家を/こわしましょう。/ポンポン時計が五つ鳴り、/ねえやが箒(ほうき)を持って来た。 |
|
こわす なる もつ くる |
|
|
| 361 |
|
夏 |
|
なつ |
Ⅲ |
上32 |
18 |
「夏」は夜更かし/朝寝ぼう（寝坊）。//夜は私（わたし）がねた（寝た）あとも、/ねないでいるが、朝早く、/私が朝顔起こす |
|
植物（あさがお） |
ねる はやい おこす |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ときゃ、/まだまだ「夏」は起きて来ぬ。//すずしい（涼しい）、すずしい。/そよ風だ。 |
|
おきる |
|
|
| 362 |
|
夏越まつり |
|
なごしまつり |
Ⅲ |
上34 |
19 |
ぽっかりと/ふうせん（風船）、/瓦斯(ガス)の灯（ひ・あかり）が映るよ。//影（かげ）灯籠の/人どおり、/氷屋の声が |
|
カタカナ（瓦斯＝ｶﾞｽ）遊び（風船） |
★ うつる しみる |
|
|
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|
|
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沁みる（しみる）よ。しらじら（白々）と天の川、/夏越祭（なごしまつり）の夜更けよ。//辻を曲がれば/ふうせん、/星ぞら |
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祭り（夏越祭） |
まがる |
|
|
|
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|
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|
|
（星空）に暗いよ。 |
|
くらい |
|
|
| 363 |
|
雨の五穀祭り |
|
あめのごこくまつり |
Ⅲ |
上36 |
20 |
ざんざの雨に流された、/五穀まつりの夜更けて、/いまはちらほら星が出た。//誰（だれ）もとおらぬ、ぬかるみに、/消えた |
|
祭り（五穀まつり）気象（大雨）
★ |
ふける でる とおる きえる |
|
|
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|
|
|
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提灯映ってる。//遠い通りを自動車で、/わっと囃(はや・はやし)して通るのが、/空ゆくように、きィこえた（聞こえた）。// |
|
乗物（自動車） |
うつる とおい きこえる |
|
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|
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|
ひとつ、ふたつ、みィつ（三つ）、/お空に星がふゥえた（増えた）。//どこかの軒の提灯が、/またひとつ（一つ）、消(きィ)えた。 |
|
ふえる きえる |
|
|
| 364 |
|
夏の宵 |
|
なつのよい |
Ⅲ |
上38 |
22 |
暮れても明るい（あかるい）/空のいろ、/星がハモニカ/吹いている。//暮れても街（まち）には/立つ埃(ほこり)、/空（から） |
|
カタカナ(ﾊﾓﾆｶ）乗物
(馬車） |
★ ふく たつ |
|
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馬車からから/踊ってる。//暮れても明るい/土のいろ、/線香花火が/もえ尽きて。/あかい（赤い）火だまが/ほろと散る。 |
|
おどる くれる もえる |
つきる ちる |
|
| 365 |
|
ひよどり越 |
|
ひよどりごえ |
Ⅲ |
上40 |
24 |
ひよどり越（ごえ）の/さかおとし、/蟻（あり）の大軍/攻めくだる。//めざす平家は/梨（なし）の芯、/わたし（私）の捨てた/ |
|
動物（ひよどり）昆虫（蟻・蝉） |
せめる |
|
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|
|
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|
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|
梨の芯。// 峠の茶屋の/ ひるさがり（昼下がり）、/
ふる（降る）は松葉と/
蝉しぐれ（時雨）。//蟻の大軍/いさましく |
|
植物（梨・松葉） |
いさましい |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
（勇ましく）、/梨のお城を/とりまいた。 |
|
とりまく |
|
|
| 366 |
|
啞蝉 |
|
おうしぜみ |
Ⅲ |
上42 |
26 |
おしゃべり蝉は歌うたう、/朝から晩まで歌うたう、/誰が見てても歌うたう、いつもおんなじ歌うたう。//唖(おうし・おし)の蝉 |
|
昆虫（蝉）植物（葉） |
みる うたう |
|
|
|
|
|
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|
|
|
は歌を書く、/だまって葉っぱに歌を書く、/誰も見ぬとき歌を書く、/誰もうたわぬ歌を書く。//
(秋が来たなら地に落ちて、/ |
|
だまる かく みない おちる |
|
|
|
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|
|
|
|
|
|
朽ちる葉っぱと知らぬやら。) |
|
くちる しらない |
|
|
| 367 |
|
山の子の夢 |
|
やまのこのゆめ |
Ⅲ |
上44 |
27 |
山のおくの/湯の町（まち）の､/宿のむすめ（娘）の/見る夢は､/うつくしい/海の夢。//
まろく（円く）/ かさなる/ 朱(しゅ) |
|
動物（千鳥） |
|
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|
|
|
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|
の波に、/
金と/ 銀との/ むら千鳥。//さめて（覚めて）おもえば（思えば）/さみしいな、/それは手筥(てばこ)の/舞扇 |
|
さめる おもう |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
(まいおうぎ)。 |
|
|
|
|
| 368 |
|
ちいさなお里 |
|
ちいさなおさと |
Ⅲ |
上46 |
29 |
芥子(けし)人形、/芥子人形。/おまえのお里へ行きたいな。//おまえのお里の藁（わら）屋根は、/わたし（私）の掌（て）に |
|
遊び（芥子人形） |
● いく |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
でものる（乗る）のだろ。//それでもげんげ（れんげ）も咲くのだろ、/おまえも摘んでいたのだろ。//げんげつみ（摘み）つみ |
|
植物（藁・れんげ） |
さく つむ |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
日が暮れりゃ、/ちいさな月も出るのだろ。/芥子人形、芥子人形。/おまえのお里の春の日は、/わたし（私）でさえも、 |
|
動物（猫） |
くれる でる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
なつかしい。//巨きな(おおきな）室(へや)がさむい（寒い）とき、/巨きな猫がこわい（怖い）とき、/どんなにおまえにゃ |
|
|
|
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|
|
|
|
|
|
|
恋しかろ。 |
|
こいしい |
|
|
| 369 |
|
象の鼻 |
|
ぞうのはな |
Ⅲ |
上48 |
31 |
むうく、むうく/山の上、/巨きな(おおきな）象（ぞう）が白い。//むうく、むうく/空に、/象の鼻が伸びる。/―
水いろ(水色） |
|
動物（象） |
むくむく のびる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
空に、/ 失くした（なくした）牙（きば）が/しィろく（白く）ほそく。//むうく、むうく/鼻が、/伸びても(のびても）伸びても |
|
のびる ほそい のびる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
遠い。//とどかぬ（届かぬ）/ままに、/灰いろ(灰色）に暮れて、/―
しずかな（静かな）空に、/
とれない牙は、/ いよいよ |
|
とおい とどく くれる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
しろ（白）く。 |
|
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|
|
| 370 |
|
文字燒き |
|
もじやき |
Ⅲ |
上50 |
33 |
文字焼き（もじやき）の焼けるにおい（匂い）よ、/雨がふる（降る）、/こんこんこまかな（細かな）雨がふる。//駄菓子屋の |
|
やく こまかい |
|
|
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|
|
奥の暗さよ、/ぽっちりと、/あか（赤）い煙草(たばこ)の火（ひ）がみえる。/五六人そこらの辻で、/くちぐちに（口々に）、/ |
|
くらい |
|
|
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|
|
|
|
|
さよならしてる声がする。//文字焼きの焼けるにおいよ、/雨がふる、/こんこんこまかな雨がふる。 |
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|
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| 371 |
|
海を歩く母さま |
|
うみをあるくかあさま |
Ⅲ |
上52 |
34 |
母さま、いやよ、/そこ、海なのよ。/ほら、ここ、港、/この椅子（いす）、お舟（ふね）、/これから出るの。/お舟に乗ってよ。// |
|
関連（椅子の上
Ⅱ-下54）） |
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|
あら、あら、だァめ（だめ）、/海んなか歩いちゃ、/あっぷあっぷしてよ。/母さま、ほんと、/笑ってないで、/はよ、はよ、乗って |
|
家族（母）乗物
(舟） |
あるく わらう のる |
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よ。//とうとう行っちゃった。/でも、でも、いいの、/うちの母さま（かあさま）、えらいの、/海、あるけるの。/えェらい |
|
いく |
|
|
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|
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（えらい・偉い）な、/えェらいな。 |
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| 372 |
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舟の唄 |
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ふねのうた |
Ⅲ |
上54 |
36 |
わたし（私）は若い舟（ふね）だった。/あの賑やか（にぎやか）な舟（ふな）おろし、/五色（ごしき）の旗にかざられ（飾られ） |
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魚類（魚）気象（嵐） |
わかい にぎやか かざる |
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て、/はじめて（初めて）海にのぞむ（臨む）とき、/限り知られぬ波たちは、/みんな一度にひれ伏した。//わたし（私）は強い |
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植物（藁・ひまわり） |
かぎり しらぬ ひれふす |
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舟だった。/嵐も波も渦潮（うずしお）も、/荒れれば勇む舟だった。/銀の魚を山と積み、/しらしら（白しら）明けに戻るときゃ、/ |
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あれる いさむ つむ もどる |
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勝った戦士のようだった。//わたしも今は年老いて、/瀬戸ののどかな渡し舟。/岸の藁屋（わらや）の向日葵(ひまわり)の、/ |
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おいる わたす |
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まわる（回る）あいだ（間）を/うつうつと、眠りながらもなつかしい、/むかし（昔）の夢をくりかえす（繰り返す）。 |
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ねむる |
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| 373 |
|
蝉しぐれ |
|
せみしぐれ |
Ⅲ |
上56 |
38 |
お汽車の窓の/蝉しぐれ。//ひとり（一人）の旅の/夕ぐれ（夕暮れ）に、/眼(まなこ)とじれば（閉じれば）/眼（め）のなかに、/ |
|
乗物（汽車）昆虫（蝉） |
● とじる |
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金とみどり（緑）の/百合が咲き、//眼(まなこ)ひらけば/窓のそと、/名知らぬ山は/夕焼けで、//すぎて/また来る/蝉しぐれ。 |
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植物（百合）気象（夕焼け） |
さく ひらく しらない
すぎる |
|
| 374 |
|
お月さんとねえや |
|
おつきさんとねえや |
Ⅲ |
上58 |
40 |
私があるくとお月さんも歩く、/いいお月さん。//毎晩忘れずに/お空へくるなら/もっともっといいお月さん。// |
|
わすれる くる |
● |
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私が笑うとねえやも笑う、/いいねえや。//いつでも御用がなくて/あそんで（遊んで）くれるなら/もっともっといいねえや。 |
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わらう あそぶ |
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| 375 |
|
帆 |
|
ほ |
Ⅲ |
上60 |
41 |
ちょいと/渚の貝がら見た間に、/あの帆はどっか（どこか）へ/行ってしまった。//こんなふうに/行ってしまった、/誰（だれ）か |
|
同題（帆
Ⅰ-下192） |
みる いく |
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があった―/何かがあった― |
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魚貝類（貝殻） |
ある |
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| 376 |
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さみしい王女 |
|
さみしいおうじょ |
Ⅲ |
上64 |
45 |
つよい王子にすくわれて（救われて）、/城へかえった、おひめさま（お姫様）。//城はむかし（昔）の城だけど、/薔薇も |
|
童話的（王子・おひめさま） |
すくう かえる さく |
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かわらず咲くけれど、//なぜかさみしいおひめさま、/きょうもお空を眺めてた。//
(魔法つかいはこわい（怖い）けど、/
あの |
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植物（薔薇・花） |
ながめる |
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はて（果て）しないあお空（青空）を、/
白くかがやく（輝く）翅(はね)のべて、/
はるかに遠く旅してた、/
小鳥のころが |
|
動物（小鳥） |
とおい |
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なつかしい。)//街（まち）の上には花が飛び、/城に宴はまだつづく（続く）。/それもさみしいおひめさま、/ひとり日暮（ひぐれ） |
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とぶ むく |
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の花園で、/真紅（まっか・まあか）な薔薇は見も向かず/お空ばかりを眺めてた。 |
|
ながめる |
|
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| 377 |
|
林檎畑 |
|
りんごばたけ |
Ⅲ |
上66 |
47 |
七つの星のそのしたの、/誰（だれ）も知らない雪国に、/林檎ばたけ（畑・畠）がありました。//垣もむすばず、人もいず、/ |
|
植物（りんご・木・樹・枝） |
★ しらない むすぶ いない |
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なかの古樹（ふるき）の大枝に、/鐘がかかっているばかり。//
ひとつ（一つ）林檎をもいだ子は、/
ひとつお鐘をならし |
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乗物（馬橇） |
かかる もぐ ならす |
|
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|
ます。// ひとつお鐘がひびく（響く）とき、/
ひとつお花がひらきます。//七つの星のしたを行く、/馬橇(ばそり)の上の |
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ひびく ひらく いく |
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|
旅びとは、/とおい（遠い）お鐘をきき（聞き）ました。//とおいその音をきくときに、/凍ったこころ（心）はとけました、/みんな |
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きく こおる とける |
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|
泪(なみだ)になりました。 |
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| 378 |
|
はつ秋 |
|
はつあき |
Ⅲ |
上68 |
49 |
白いいかめしい日曜の銀行に、/ころ、ころ、ころ、とこおろぎが鳴き、//白いようにうすい朝の空を、/すらすらと |
|
同題（はつ秋
Ⅰ-上84） |
● なく |
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蜻蛉(とんぼう・とんぼ）が飛ぶ。//
（秋は今朝、/ 港に着いた。）// |
|
昆虫（こおろぎ・とんぼ・蝉） |
とぶ つく |
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白い巨きな（おおきな）日曜の銀行に、/陽（ひ）はかっきりと影をつくり、//白い糸のついた蝉は電線にからまって、/ |
|
おおきい つくる からまる |
おおきい つくる |
|
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|
うすい翅(はね)をふるわせて（震わせて）いる。 |
|
ふるう |
|
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| 379 |
|
踏切 |
|
ふみきり |
Ⅲ |
上70 |
50 |
踏切の小屋は大きな空の下。//小屋のおもてで爺さんは、/きょうの新聞よんで（読んで）いる。//
ながい、ながい、 |
|
昆虫（こおろぎ・虫）植物（嫁菜） |
● よむ かげぼうし |
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|
影ぼうし（影法師）、/
裾に嫁菜(よめな)の花が咲き、/
胸のあたりで虫がなく。//踏切の柵はしィろ（白）い空のなか。// |
|
さく なく |
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草の葉かげ（陰・蔭）でこおろぎは、昼の月見てないている。 |
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| 380 |
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曼珠沙華 |
|
ひがんばな |
Ⅲ |
上72 |
51 |
村のまつりは/夏のころ、/ひるまも花火を/たきました。//秋のまつりは/となり村、/日傘のつづく/裏みち（道・路）に、/ |
|
祭り（村まつり・秋まつり） |
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地面((じべた)のしたに/棲むひとが、/線香(せんこ・せんこう)花火を/たきました。//あかい（赤い）/あかい/曼球沙華 |
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植物（曼殊沙華） |
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（ひがんばな）。 |
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| 381 |
|
小さい女の子と男の子 |
|
ちいさいおんなのことおとこのこ |
Ⅲ |
上74 |
53 |
赤いビラが散った、/青いビラが散った、/春の日の街（まち）に。//小さい女の子が/赤いビラ拾うた、/赤いビラ折って、/ |
|
カタカナ（ビラ） |
ちる ひろう おる |
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|
石っころ（いしころ）に着せて、/ねんねん（寝んねん）ころりと/子守唄うとう（唄う）た。/小さい男の子が/青いビラ |
|
きせる |
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|
拾うた、/青いビラ持って、/お家（おうち）まで駈けて、/電報、電報と/力一ぱい（いっぱい）どなった。 |
|
かける どなる |
|
|
| 382 |
|
秋は一夜に |
|
あきはいちやに(ひとよに) |
Ⅲ |
上76 |
55 |
秋は一夜にやってくる。//二百十日に風が吹き、/二百十日に雨が降り、/あけの夜あけにあがったら、/その夜に |
|
乗物
(舟） |
ふく ふる あがる |
|
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|
こっそりやって来る。//舟（ふね）で港へあがるのか、/翅(はね)でお空を翔けるのか、/地からむくむく湧き出すか、/ |
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くる わく かける わく |
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|
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|
|
それは誰（だれ）にもわからない、/けれども今朝はもう来てる。//どこにいるのか、わからない、/けれど、どこかに、もう |
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|
|
来てる。 |
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|
|
| 383 |
|
落葉のカルタ |
|
おちばのかるた |
Ⅲ |
上78 |
56 |
山路(やまみち)に散ったカルタは/なんの札(ふだ)。/金と赤との落葉の札に、/虫くい流の筆のあと。// |
|
カタカナ・遊び（カルタ） |
ちる |
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|
山路に散ったカルタは/誰（だれ）が読む。/黒い小鳥が黒い尾はねて、/ちちッ、ちちッ、と啼(な)いている。// |
|
植物（落葉）昆虫（虫） |
よむ はねる なく |
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|
山路に散ったカルタは/誰がとる。/むべ山ならぬこの山かぜが、/さっと一度にさらってく。 |
|
動物（小鳥） |
さらう |
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| 384 |
|
爪 |
|
つめ |
Ⅲ |
上80 |
57 |
親指（おやゆび）の爪は/平たいお顔。/丈夫そうなお顔。/ わたし（私）らの先生。//人差指(ひとさしゆび)の爪は/ |
|
類似（けがした指
Ⅲ-下24） |
ひらたい |
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|
ゆがんだお顔。/泣きそなお顔。/ いつかの曲馬(きょくば)の子。//中指の爪は/まあるいお顔。/笑ってるお顔。/ |
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ゆがむ なく わらう |
曲馬＝サーカス |
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まえいたねえや。//紅(べに・あか)さし指の爪は/四角なお顔。/考えてるお顔。/ あの、旅の小父さん（おじさん）。// |
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かんがえる |
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|
小指の爪は/ほそくて、きれい。/
知ってるようで、/ 誰だか知らぬ。 |
|
ほそい しる しらない |
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| 385 |
|
紙鐡砲 |
|
かみでっぽう |
Ⅲ |
上84 |
59 |
紙鉄砲（かみでっぽう・てっぽう）、/ポン、ポン、ポン。//きのうまでなかったに、/一にち（一日）で流行ったよ。//みんなが |
|
遊び（紙鉄砲） |
ない はやる きる |
|
| 385 |
|
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|
|
|
篠竹切ってくる、/みんなが紙玉こしらえる。//紙鉄砲、/ポン、ポン、ポン。//きのうまで暑かったに、/一にちで秋が来た。// |
|
カタカナ（ﾎﾟﾝ、ﾎﾟﾝ）植物（竹） |
きる あつい くる |
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|
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|
|
みんなが篠竹けずって（削って）る、/みんながお空をみあげて（見上げて）る。 |
|
けずる みあげる |
|
|
| 386 |
|
お勘定 |
|
おかんじょう |
Ⅲ |
上86 |
61 |
空には雲がいま二つ（ふたつ）、/路(みち)には人がいま五人。//ここから学校(がっこ・がっこう)へゆくまでは、/五百六十七 |
|
遊び（南京玉） |
★ |
|
|
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|
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|
足(あし)あって、/電信柱が九本ある。//私の箱のなんきん玉（南京玉）は、/二百三十あったけど、/七つはころげて（転げて） |
|
ころげる なくなる |
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なくなった。//夜のお空のあの星は、/千と三百五十まで、/かぞえた（数えた）ばかし、まだ知らぬ。//私は勘定が |
|
かぞえる しらない |
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|
大(だァい・だい）好き。/なん（何）でも、勘定するよ。 |
|
すき |
|
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| 387 |
|
こわれ帽子
(しゃっぽ) |
|
こわれしゃっぽ |
Ⅲ |
上88 |
63 |
てんてん手毬(てまり)、/おててん手から、辷(すべ)ってころげて（転げて）、/乞食の子供（こども）にひろ（拾）われた。// |
|
遊び（手毬） |
すべる ころげる ひろう |
|
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|
手まりは欲しし、怖さは怖し、/睨(にら)みゃ、睨んでほうって（放って）くれて、//行くか、帰るか、あち向きかけて、/ |
|
カタカナ（ｱﾊﾊ）昆虫（とんぼ） |
ほしい こわい にらむ |
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麦藁帽子(むぎわらしゃっぽ)をすぽりとかぶりゃ、/すぽり、こわれた（壊れた）、こわれた、帽子（しゃっぽ）、/つばがすぽりと |
|
ほうる いく かえる かぶる |
こわれる |
|
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|
くび（首）まで抜けた。くるり、ふりむき（振り向き）、アハハと笑うた、/私もうっかり、アハハと笑うた。//こわれ帽子の、 |
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ぬける わらう |
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|
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|
|
そのゆくみち（道・路）にゃ、/とんぼ、千も万も舞い舞いしてた。 |
|
まう |
|
|
| 388 |
|
らくがき |
|
らくがき |
Ⅲ |
上90 |
65 |
雨の音/きき（聞き）ながら/瞶める(みつめる)壁の/楽書き（らくがき）よ。//いつの日/誰（だれ）が描いたやら、/私みたいに/ |
|
遊び（姉さま人形） |
きく かく |
|
|
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|
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|
|
（まずい）画（え）。//くすり（薬）の香（か・かおり）/芬(ぷん)とする、/大きな火鉢に/ひとり（一人）いて、//しみじみと/ |
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|
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|
|
ながめてる、/お顔だけの/あねさま。 |
|
ながめる |
|
|
| 389 |
|
万倍 |
|
まんばい |
Ⅲ |
上92 |
67 |
世界中の王様の、/御殿をみんなよせ（寄せ）たって、/その万倍もうつくしい。/―
星で飾った夜の空。// |
|
童話的（王様・女王様） |
★ よせる かざる |
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世界中の女王様の、/おべべ（衣）をみんなよせたって、/その万倍もうつくしい。/―
水に映った朝の虹。// |
|
気象（虹）神仏（神さま） |
おべべ=衣服 うつる |
|
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|
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|
星でかざった夜の空、/水にうつった朝の虹、/みんなよせてもその上に、/その万倍もうつくしい。/ |
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|
|
|
|
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|
|
|
|
|
|
―
空のむこうの神さまのお国。 |
|
|
|
|
| 390 |
|
ねんねの汽車 |
|
ねんねのきしゃ |
Ⅲ |
上94 |
68 |
ねんねん（寝んねん）寝る子は汽車に乗る、/ねんねの駅を汽車は出る。//汽車の通るは夢のくに（国）、/なんきん玉 |
|
童話的（夢の国・塔）乗物（汽車） |
●★ のる でる とおる |
|
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|
|
|
|
|
（南京玉）の地の上の、/赤い線路をひた走り。//月は明るし、雲は紅(べに・あか)、/硝子（がらす）の塔のてっぺんに、/ |
|
遊び（南京玉） |
はしる |
|
|
|
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|
|
|
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|
ちらりと白い星も出る。//みんなお窓に見て過ぎて、/おめざの駅へ汽車は着く。//お夢のくにのお土産（おみやげ）は、/ |
|
つく |
おめざ＝おめざめ |
|
|
|
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|
|
|
|
誰（だれ）も持っては帰れない。/お夢のくにへゆくみち（道・路）は、/ねんねの汽車が知るばかり。 |
|
もつ かえる しる |
|
|
| 391 |
|
子供と潛水夫と月と |
|
こどもともぐりとつきと |
Ⅲ |
上96 |
70 |
子供（こども）は野原の花をつむ、/けれども、帰るみち（道・路）みちで/はらりはらりと撒きちらす。//お家へかえれば、 |
|
植物（花） ●★ |
つむ まく ちらす かえる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
何もない。//もぐりは海の珊瑚（さんご）採る、/けれど、あがれば舟（ふね）におき、/からだ一つでまたもぐる。// |
|
乗物(舟） |
とる おく |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
じぶん（自分）のものは、何もない。//月はお空の星ひろう（拾う）、/けれど、十五夜すぎたなら、/またもお空へ撒きちらす。// |
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|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
晦日（みそか）ごろには、何もない。 |
|
|
|
|
| 392 |
|
遠い火事 |
|
とおいかじ |
Ⅲ |
上98 |
72 |
遠い火事、/忘れたように、みんな（皆）して、/戦(いくさ)ごっこをしていたよ。//消えた、消えた、と駈けて来た。/ |
|
遊び（戦ごっこ）カタカナ(ﾎﾟﾝﾌﾟ）
● |
とおい きえる かける くる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
誰（だれ）かの鼻先(はなさき)、工兵が、/敵の地雷(じらい)をつかまえた（捕まえた）。//勝負がついて、みちばた（道端）で、/ |
|
つかまえる つく |
|
|
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|
|
|
|
|
|
みんながせいせい（ぜいぜい）いって（言って）たら、/三番組が引上げた、/らっぱ(ラッパ)吹き吹き通った。//みんな、 |
|
いう ひきあげる ふく とおる |
|
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|
|
|
|
|
|
|
|
だまって見送った、/黒くポンプのゆく空にゃ、/半分かけたお月さん、/とても大きな傘さしてた。 |
|
みおくる |
|
|
| 393 |
|
うらない |
|
うらない |
Ⅲ |
上100 |
74 |
夕やけ、/小やけ、/赤い草履(ぞんぞ・ぞうり)/飛ばそ。//赤い草履/裏だ、/も一度/飛ばそ。//表/出るまで、/何べんでも/ |
|
遊び（草履とばし）気象（夕やけ） |
● とばす でる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
飛ばそ。//夕やけ、/小やけ、/雲まで/飛ばそ。 |
|
|
|
|
| 394 |
|
芒とお日さま |
|
すすきとおひさま |
Ⅲ |
上102 |
76 |
―
もうすこし、/― もうすこし。/芒（すすき）はせい伸び（背伸び）しています。//あまり照られてしおれそな、/白いやさしい |
|
植物（芒・ひるがお） |
●
てる しおれる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ひるがおを、/どうにか、蔭にしてやろと。//―
もうすこし、/― もうすこし。/お日はぐずぐずしています。//まだまだ籠（かご）は |
|
（思いやり） |
してやる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
大きいに、/あれっぽちしかよう刈らぬ、/草刈むすめ(娘）がかあいそ(かわいそう）で。 |
|
かる |
|
|
| 395 |
|
みんなを好きに |
|
みんなをすきに |
Ⅲ |
上104 |
77 |
私（わたし）は好きになりたいな、/何でもかんでもみいんな（みんな）。//葱(ねぎ)も、トマトも、おさかな(お魚）も、/残らず |
|
植物
(葱・トマト）カタカナ（トマト） |
すき |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
好きになりたいな。//うちのおかずは、みいんな、/母さまがおつくりになったもの。//私は好きになりたいな、/誰(だれ）でも |
|
魚類（魚）家族（母） |
つくる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
かれでもみいんな。//お医者さんでも、烏(からす)でも、/残らず好きになりたいな。//世界のものはみィんな、/神さまが |
|
動物（烏）神仏（神さま） |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
おつくりなったもの。 |
|
|
|
|
| 396 |
|
水と影 |
|
みずとかげ |
Ⅲ |
上106 |
79 |
お空のかげ（影）は、/水のなかにいっぱい。//お空のふちに、/木立もうつる、/野茨(のばら)もうつる。/ 水はすなお、/ |
|
鏡現象（映る） |
|
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|
|
|
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|
|
|
|
なんの影も映す。//水のかげは、/木立のしげみにちらちら。//明るい影よ、/すずしい影よ、/ゆれてる影よ。/ |
|
植物（木・のばら） |
ゆれる |
|
|
|
|
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|
|
|
|
水はつつましい、/
自分の影は小さい。 |
|
ちいさい |
|
|
| 397 |
|
井戸ばたで |
|
いどばたで |
Ⅲ |
上108 |
81 |
お母さま（かあさま）は、お洗濯、/たらいの中をみていたら、/しゃぼんの泡(あわ)にたくさんの、/ちいさなお空が光ってて、/ |
|
童話的（魔法）家族（母・私） |
しゃぼん＝石鹸 |
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ちいさな私(わたし）がのぞいて(覗いて）る。//こんなに小さくなれるのよ、/こんなにたくさんになれるのよ、/私は魔法つかい |
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昆虫（蜂） |
みる ちいさい ひかる |
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なの。//なにかいいことして遊ぼ(あそぼ)、/つるべ(釣瓶）の縄(なわ)に蜂がいる、//私も蜂になってあすぽ(遊ぼ)。// |
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植物（石竹・花） |
のぞく |
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ふっと、見えなくなったって、/母さま、心配しないでね、/ここの、この空飛ぶだけよ。//こんなに青い、青ぞら(青空)が、/ |
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とぶ |
あそぶ |
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私の翅(はね)に触るのは、/どんなに、どんなに、いい気持。//つかれ(疲れ）りゃ、そこの石竹(せきちく)の、/ |
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さわる つかれる |
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花にとまって蜜吸って、/花のおはなし(話)きいてるの。//ちいさい蜂にならなけりゃ、/とても聞こえぬおはなしを、/ |
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とまる きく |
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日暮（ひぐれ）まででも、きいてるの。//なんだか蜂になったよう、/なんだかお空を飛んだよう、/とても嬉しく(うれしく）なり |
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うれしい |
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ました。 |
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| 398 |
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大きな手籠 |
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おおきなてかご |
Ⅲ |
上112 |
83 |
手籠(てかご)、手籠、/大きな手籠。/広い野へ出て、この駕籠に、/いっぱい蓬(よもぎ)を摘もうとて、/どの子も、どの子も、 |
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季節行事（節句）植物（よもぎ・芽） |
おおきな でる つむ |
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町（まち）の子は。//けれど、どの子も知りゃしない、/野にある蓬（よもぎ）はみいんな（みんな）、/町へと売りに行くために、/ |
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対比（町・田舎） |
しる うる |
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田舎（いなか）の人が摘んだのを。//
節句は来ても、春浅い、/
よもぎはほんの、芽（め）ばかりで、/
摘めばしおれて |
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くる あさい しおれる |
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しまうのに、/
摘めばしおれてしまうのに。//手籠、手籠、/大きな手籠。/どの子も、どの子も、楽しげに。 |
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たのしい |
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| 399 |
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花のお使い |
|
はなのおつかい |
Ⅲ |
上114 |
85 |
白菊、黄菊、/雪のような白い菊。/月のような、黄菊。//たあれも、誰(たあれ・だれ)も、みてる、/
私（わたし）と、花を。/ |
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植物（菊・花・秋） |
● |
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(菊は、きィれい（きれい）、/
私は菊を持ってる、/ だから、私はきィれい。)//叔母さん家（ち）は遠いけど、/秋で、 |
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もつ とおい |
叔母さん家=青海島・大日比 |
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日和（ひより）で、いいな。/花のお使い、いいな。 |
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| 400 |
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納屋 |
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なや |
Ⅲ |
上116 |
86 |
納屋のなかは、うす暗い。/納屋のなかにあるものは、/みんなきのうのものばかり。//あの隅のは縁台だ、/夏じゅうは |
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追憶（思い出）童話的（糸車・呪い） |
● くらい |
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あの上で、/お線香花火をたいて居た。//梁（はり）に挿された、一束の、/黒く煤けた（すすけた）さくらの花は、/祭りに |
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植物（さくら）家族（祖母） |
たく さす すすける |
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軒へさしたのだ。//いちばん奥にみえるのは、/ああ、あれは糸ぐるま、/忘れたほども、とおい日に、/お祖母さま |
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祭り（祭）昆虫(蜘蛛） |
わすれる |
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（おばあさま）がまわしてた。//いまも、夜中に屋根を洩（も）る、/月のひかりをつむぐ(紡ぐ）だろ。/ 梁にかくれて、わるもの |
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まわす もる かくれる |
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（悪者）の、/ 蜘蛛（くも）がいつでもねらって(狙って）て、/ 糸を盗っては息をかけて、/ 呪いの糸に変えるのを、/ |
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ねらう とる かける かえる |
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昼は眠ていて知らないで。//納屋のなかは、うす暗い。/納屋のなかには、なつかしい、/すぎた日のかずかず(数々） |
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ねる |
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が、/蜘蛛の巣にかがられている。 |
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かがる |
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| 401 |
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墓たち |
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はかたち |
Ⅲ |
上122 |
91 |
墓場のうらに/垣根ができる。//墓たちは/これからは、/海がみえなくなるんだよ。//こども(子供）の、こどもが、乗っている、/ |
|
乗物（舟） |
みえない のる |
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舟（ふね）のでる(出る）のも、かえる(帰る）のも。// 海辺のみち(道・路）に、/垣根ができる。//僕たちは/これからは、/ |
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墓がみえなくなるんだよ。//いつもひいきに、見て通る、/いちばん小さい、丸いのも。 |
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みる とおる ちいさい |
まるい |
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| 402 |
|
叱られる兄さん |
|
しかられるにいさん |
Ⅲ |
上124 |
93 |
兄さん（にいさん）が叱られるので、/さっきから私（わたし）はここで、/袖無（そでなし）の紅（あか）い小紐（こひも）を、/ |
|
家族（兄）遊び（城取り） |
しかる |
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結んだり、といたりしている。//それだのに、裏の原では、/さっきから城取りしてる、/ときどき鳶（とび・とんび）も |
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動物（鳶） |
むすぶ とく |
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|
ないている。 |
|
なく |
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| 403 |
|
私の髪の |
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わたしのかみの |
Ⅲ |
上126 |
94 |
私（わたし）の髪の光るのは、/いつも母さま(かあさま）、撫でる（なでる）から。//私のお鼻の低いのは、/いつも私が鳴らす |
|
関連（黄金の小鳥
Ⅲ-下28） |
ひかる ひくい |
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から。//私のエプロンの白いのは、/いつも母さま、洗うから。私のお色の黒いのは、/私が煎豆（いりまめ）たべる(食べる） |
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家族（母・私） |
ならす あらう |
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から。 |
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カタカナ（エプロン） |
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| 404 |
|
硝子と文字 |
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がらすともじ |
Ⅲ |
上128 |
95 |
硝子（がらす）は/空（から）っぽのように/すきとおって(透き通って）見える。//けれども/たくさん重なると、/海のように |
|
昆虫（蟻） |
みえる かさねる |
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青い。//文字は/蟻(あり)のように/黒くて小さい。//けれども/たくさん集まると、/黄金(きん)のお城のお噺(はなし)もできる。 |
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ちいさい |
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| 405 |
|
お月さん |
|
おつきさん |
Ⅲ |
上130 |
96 |
夜あけ(夜明け）のお月さん/山のきわ。/籠（かご）に飼われた白い鸚鵡（おうむ）、/ねとぼけ（ねぼけ）お眼（めめ）でひょい |
|
動物（おうむ・小鳥）植物
(枝） |
● かう みる |
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と見て、/おうやおや、お連れだ、呼ぼうかな。//昼間のお月さん/沼の底。/麦藁帽子（むぎわらしゃっぽ）の子供（こども）が |
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みる よぶ |
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岸で、/釣竿（つりざお）かまえて睨（にら）めてた。/すてきだ、釣ろうか、かかるかな。//日ぐれのお月さん/枝のなか。/ |
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かまえる にらむ つる |
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くちばし赤い小鳥が一羽、/お眼（めめ）くりくりみはって(見張って）た。/とっても、熟れたぞ、つつこかな。 |
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みはる うれる つつく |
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| 406 |
|
初あられ |
|
はつあられ |
Ⅲ |
上132 |
98 |
あられ（霰）/あられ/手に受けて、/春の夜の/お雛まつり(ひなまつり)を/ふとおもう(思う）。//おなじみの隣の雛は/こんな |
|
季節行事（ひなまつり） |
うける |
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晩、/暗いお倉(くら)の片隅の/ひとり(一人）びとりの箱のなか。/ぱら、ぱら、と/きれぎれに/樋（とい）うつ音を聴いていよ。// |
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気象（霰） |
きく 倉＝酒屋の倉 |
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あられ/あられ/初あられ。 |
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| 407 |
|
冬の星 |
|
ふゆのほし |
Ⅲ |
上134 |
100 |
霜夜（しもよ）の/まち(町・街）で/お姉さま(おねえさま）、/空をみながら/いいました。/―
しずかに（静かに）/ さむく（寒く）/ |
|
家族（姉）気象（霜） |
★ みる いう |
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さよならと。//霜夜の/そら（空）の/お星さま、/いちばん青い/お星さま。/―
ちょうど/ あなたに/
いうように。 |
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| 408 |
|
白い帽子 |
|
しろいぼうし |
Ⅲ |
上136 |
102 |
白い帽子（ぼうし）、/あったかい（温かい）帽子、/惜しい（おしい）帽子。//
でも、もういいの、失くしたものは、/失くした |
|
植物（木・枝）動物（鳥） |
なくす |
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ものよ。//お願いだから、/溝やなんぞに落ちないで、/どこぞの、高い木の枝に、/ちょいとしな(品）よくかかってね、/ |
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ねがう おちる かかる |
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|
私(わたし）みたいに、不器っちょ（不器用）で、/よう巣をかけぬかわいそ（かわいそう）な鳥の、/あったかい、いい巣になっ |
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かける あたたかい |
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ておやり。//白い帽子、/毛糸の帽子。/ |
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| 409 |
|
店の出来事 |
|
みせのできごと |
Ⅲ |
上138 |
104 |
霰（あられ）がこんころり、/潜戸（くぐりど）からはいった。/お客さんが、霰と、/お連れになってはいった。/ (こんばんは。) |
|
気象（霰） |
はいる |
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/
(はい、いらっしゃい。)//歌時計がちんからり、/お客さんの手で鳴った。/あられの音にまじって、/一つとやを歌うた。/ |
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なる まじる うたう |
歌時計＝懐中ｵﾙｺﾞｰﾙ |
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(さようなら。)/
(はい、ありがとう。)//歌時計がちんからり、/鳴り鳴り出てった。/消えるまできいてて、/ふっと |
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きえる きづく |
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|
気がつけば、/霰はとうに止んでいた。 |
|
やむ |
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| 410 |
|
大晦日と元日 |
|
おおみそかとがんじつ |
Ⅲ |
上140 |
106 |
兄さま（にいさま）は掛取り（かけとり）、/母さま(かあさま）はお飾り、/わたし（私）はお歳暮。/町(まち）じゅうに人が |
|
季節行事（大晦日・正月） |
●
掛取り＝集金 |
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急いで、/町じゅうにお日があたって、/町じゅうになにか光って。//うす水いろ(水色）の空の上、/鳶（とんび）は静か |
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家族（兄・母） |
いそぐ あたる ひかる |
|
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に輪を描いてた。//兄さまは紋付き(もんつき）、/母さまもよそゆき、/わたし（私）もたもとの。/町じゅうに人があそんで |
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動物（とんび）気象（霰）植物（松） |
しずかに かく あそぶ |
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（遊んで）、/町じゅうに松が立ってて、/町じゅうに霰(あられ）が散ってて。//うす墨(うすずみ)いろの空の上、/鳶は大きく |
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たつ ちる おおきく |
松＝門松 |
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輪を描いてた。 |
|
かく |
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| 411 |
|
去年 |
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きょねん |
Ⅲ |
上142 |
108 |
お舟（ふね）、みたみた、/お正月(、おしょうがつ）元旦（がんたん）、/旗も立てずに黒い帆あげて、/ここの港を出てゆく |
|
季節行事（正月） |
● みる たてる あげる |
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舟を。//お舟、あの舟、/乗ってるものは、/きょうの初日に追い立てられた、/ふるい（古い）去年か、去年か、そうか。// |
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乗物
(舟） |
でる のる おう |
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お舟、ゆくゆく、/あのゆく先に、/去年のあがる港があるか、/去年を待って、たあれ（誰）か居るか。//去年、みたみた、/ |
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まつ いる |
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お正月、元旦、/黒い帆かけたお舟に乗って、/西へ西へと逃げてく影（かげ）を。 |
|
かける にげる |
|
|
| 412 |
|
硝子のなか |
|
がらすのなか |
Ⅲ |
上144 |
110 |
おもての雪が見えるので、/ひらひらお花のようなので、/明かり(あかり）障子の絵硝子を、/お炬燵（おこた・こたつ） |
|
鏡現象（映る）気象（雪） |
みえる |
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にあたって見ていたら、//うらの木小屋へ木をとりに、/雪ふるなかを歩いてく、お祖母さま（おばあさま）のうしろかげ(影）、/ |
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家族（祖母）植物（花・木） |
あたる みる とる あるく |
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ちらちら映って、消えました。 |
|
うつる きえる |
|
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| 413 |
|
朝蜘蛛 |
|
あさぐも |
Ⅲ |
上146 |
111 |
朝から朝蜘蛛（あさぐも）さがったし、/朝からなんだかうれしいし、/きっと、今日こそ来るでしょう。//お母さま（おかあさま）も |
|
長編詩（365文字）昆虫（蜘蛛） |
さがる くる |
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知らないが、/生きて、遠くに棲んでいる、/お父さま（おとうさま）のおむかえ(迎え）が。//すぐに、私（わたし）は髪結うて、/ |
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童話的（城）家族（母・父） |
いきる とおく
すむ ゆう |
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好きなお手毬（てまり）のおべべ(衣装）着て、/赤いお馬車に乗るでしょう。//赤いお馬車のゆくみち(道・路）は、/白い |
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乗物(馬車）植物（芒・野菊） |
きる のる ゆく |
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芒（すすき）のみちでしょう、/野菊もちいさく咲いてましょう。//旗のたってる小（ち）さい村、/鐘の鳴ってる寺のまえ、/ |
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遊び（手毬）気象
(夕焼け）
● |
さく たつ ちいさい なる |
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|
しめった、暗い森のなか。//そして、夕焼（ゆうやけ）消えるころ、/むこうのむこうに城のよな、/大きなお家（おうち）が |
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しめる くらい
きえる おおきい |
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|
みえるでしょう。//お父さまは待ちきれず、/門から駆けてくるでしょう、/私も馬車から飛ぶでしょう。//私は「父さま」と呼ぶ |
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まちきれない かける |
とぶ よぶ |
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でしょう、/いやいや、黙っているでしょう、/あんまり、あんまり、嬉しくて。//朝からなんだかうれしいし、/朝から朝蜘蛛 |
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だまる |
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|
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|
さがったし、/きょうは、何かがあるでしょう。 |
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|
|
|
| 414 |
|
私 |
|
わたし |
Ⅲ |
上150 |
114 |
どこだって私（わたし）がいるの、/私のほかに、私がいるの。//通りじゃ店の硝子(がらす)のなかに、/うち(家）へ帰れば |
|
鏡現象（硝子・時計・盆・・） |
かえる |
|
|
|
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|
|
|
|
|
時計のなかに。//お台所じゃお盆(ぼん)にいるし、/雨のふる日は、路(みち)にまでいるの。//けれどもなぜか、いつ見ても、/ |
|
みる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
お空にゃ決していないのよ。 |
|
|
|
|
| 415 |
|
かたばみ |
|
かたばみ |
Ⅲ |
上152 |
115 |
駆けてあがった(上がった）/お寺の石段。//おまいり(お参り）すませて/降りかけて、/なぜだか、ふっと、/おもい(思い） |
|
追憶（思い出） |
かける あがる すませる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
出す。//石のすきまの/かたばみの/赤いちいさい/葉のことを。/─
とおい（遠い）昔（むかし）に/
みたように。 |
|
植物（かたばみ・葉） |
おもう |
|
| 416 |
|
まち |
|
まち |
Ⅲ |
上154 |
116 |
通る、通る、/春の日の街（まち）を、/通る、通る、/縦に通る。//荷馬車、荷ぐるま、/自動車、自転車。//通る、通る、/ |
|
乗物(馬車・荷車・自動車・自転車） |
とおる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
白い白い路(みち）を、/通る、通る、/横に通る。//乞食の子供(こども）と/けむり(煙）の影が。 |
|
|
|
|
| 417 |
|
貝と月 |
|
かいとつき |
Ⅲ |
上156 |
117 |
紺屋(こうや)のかめに/つかって（浸かって）、/白い糸は紺(こん)になる。//青い海に/つかって、/白い貝はなぜ白い。/ |
|
類似（空の色・桑の実・不思議・なぞ） |
●● |
|
|
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|
|
|
|
|
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夕やけ空に/そまって、/白い雲は赤くなる。//紺の夜ぞらに/うかんで、/白い月はなぜ白い。 |
|
魚貝類（貝）気象（夕焼け） |
つかる そまる うかぶ |
|
| 418 |
|
絹の帆 |
|
きぬのほ |
Ⅲ |
上158 |
118 |
王様のお船（ふね）にかける帆は、/うすく、うすくといいつかる。//うす紫のうす絹（ぎぬ）に、/港のまち(町・街）が絵と |
|
童話的（王様）乗物(船） |
うすい いう すける |
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|
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|
透いて、/とてもきれいな帆は帆だが、/風は、びゅうと来て、/穴あけた。//風のみち(道）あけたらやぶるまい、/風のみち |
|
あける やぶる |
|
|
|
|
|
|
|
|
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あけろといいつかる。//うすむらさき(薄紫）のうすぎぬに、/王様の御紋のきりぬきで、/とてもきれいな帆は帆だが、/風は、 |
|
くる いく ぬける でる |
|
|
|
|
|
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|
|
|
|
ぴゅうと来て、/行きぬけて、/船は出やせぬ、/一尺（いっしゃく）も。 |
|
ぬける でない |
|
|
| 419 |
|
自動車 |
|
じどうしゃ |
Ⅲ |
上160 |
120 |
すぎて(過ぎて）ゆく/自動車に、/わたし（私）の影が/うつり(映り）ます。//自動車は/すぎてゆく、/わたしの影は/すぐ |
|
鏡現象（影）乗物（自動車） |
すぎる うつる |
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|
消える。//もう遠い/町（まち）のはて、/春の日ぐれ（日暮れ）の/雲の下。//自動車よ、/ああ、いまは、/誰をうつして/ |
|
とおい きえる うつす |
|
|
|
|
|
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|
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|
|
いるのやら。 |
|
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|
| 420 |
|
田舍の町と飛行機 |
|
いなかのまちとひこうき |
Ⅲ |
上162 |
122 |
飛行機お空にみえたので､/町（まち）じゅう表へ出て来たよ｡//菓子屋の店にも誰（だれ）もいず､/床屋の鏡も空っぽ |
|
乗物（飛行機）動物（小鳥） |
みえる
でる くる いない |
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（からっぽ)で､//みんな揃って口あけて､/春のお空をみていたよ｡//群れて小鳥のとぶ(飛ぶ）ように､/ﾋﾞﾗがお空を舞って |
|
カタカナ（ビラ）植物(桜） |
そろう あける みる
むれる |
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たよ｡//うち(家）の庭にはちらちらと､/桜になって散ってたよ｡//飛行機おそら（空）をすぎたので､/町じゅうぽかんとして |
|
まう ちる すぎる |
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いたよ｡ |
|
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| 421 |
|
桃の花びら |
|
もものはなびら |
Ⅲ |
上164 |
124 |
みじかい(短い）、みどり（緑）の/春の草、/桃（もも）がお花をやりました。//枯れてさみしい/竹の垣、/桃がお花をやりま |
|
植物（草・桃・花・竹） |
● やる かれる |
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した。//しめって(湿って）黒い/畑（はた）の土、/桃がお花をやりました。//おてんと（お天道）さまは/よろこんで、/花の |
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しめる よろこぶ |
おてんとう＝お日さま |
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たましい(魂）呼びました。//(草のうえから、/畠（はたけ）から、/ゆらゆらのぼるかげろうよ。) |
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よぶ |
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| 422 |
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梨の芯 |
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なしのしん |
Ⅲ |
上166 |
126 |
梨の芯はすてる(捨てる）もの、だから/芯まで食べる子、けちんぼよ。//梨の芯はすてるもの、だけど/そこらへほうる |
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植物（梨）昆虫（蟻） |
すてる たべる |
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(放る）子、ずるい子よ。//梨の芯はすてるもの、だから芥箱（ごみばこ）へ入れる子、お悧巧（りこう・利口）よ。//そこらへ |
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いれる |
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すてた梨の芯、/蟻（あり）がやんやら、ひいてゆく。/「ずるい子ちゃん、ありがとよ。」//芥箱へいれた梨の芯、/芥取 |
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ひく |
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（ごみとり）爺さん、取りに来て、/だまってごろごろひいてゆく。 |
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とる |
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| 423 |
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額のなか |
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がくのなか |
Ⅲ |
上168 |
128 |
額（がく）のなかの人通り、/硝子（がらす）にうつる(映る）人通り。//白い浴衣（ゆかた）の小母さん（おばさん）が、/赤い |
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鏡現象（額）童話的（額の中） |
うつる |
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苺（いちご）を踏んでゆく。//黒いお洋傘（おかさ）の薬屋は、/葡萄（ぶどう）の房を超えてゆく。//あかい苺が踏むほどに、/ |
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植物（苺・葡萄） |
ふむ ようがさ こえる |
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紫(むらさき）葡萄は山ほどに。//額のなかはいいお国。.//誰もはいれぬ、いいお国。//額のなかの人どおり、/ |
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はいる |
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午(ひる）のまち(町・街）の人どおり、/ひとり(一人）の部屋もたのしい(楽しい）な。 |
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| 424 |
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橙の花 |
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だいだいのはな |
Ⅲ |
上170 |
130 |
泣いじゃくり(泣きじゃくり）/するたびに、/橙(だいだい）の花のにおい(匂い）がして来ます。//いつからか、/すねてるに、/ |
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植物（橙・花） |
なく くる すねる |
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誰も探しに来てくれず、/壁の穴から/つづいてる、//蟻をみるのも飽きました。//壁のなか、/倉（くら）のなか、/誰（だれ）か |
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さがす つづく あきる |
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の笑う声がして、//思い出しては泣いじゃくる、/そのたびに、/橙の、花の匂いがして来ます。 |
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わらう おもいだす |
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| 425 |
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茶碗とお箸 |
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ちゃわんとおはし |
Ⅲ |
上172 |
132 |
お正月でも/花ざかり(盛り）、/私の紅（べに・あか）絵のお茶碗は。/四月(しがつ）が来ても/花咲かぬ。/私のみどり（緑）の |
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季節行事（正月） |
くる さく |
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お箸(はし）には。 |
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植物（花） |
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Ⅲ-
さみしい王女 (下） |
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Ⅲ |
Ⅲ |
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Ⅲ-
さみしい王女 (下） |
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Ⅲ |
Ⅲ |
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| 426 |
|
男の子なら |
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おとこのこなら |
Ⅲ |
下12 |
135 |
もしも私（わたし）が男の子なら、/世界の海をお家（おうち）にしてる、/あの、海賊になりたいの。//お船(ふね）は海の色に |
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★最・長編詩（395文字） |
なる ぬり |
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塗り、/お空の色の帆（ほ）をかけりゃ、/どこでも、誰（だれ）にもみつからぬ。//ひろい大海乗りまわし、/強いお国のお船を |
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童話的(海賊）乗物（船） |
かける みつける のる |
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見たら、/私、いばってこういうの。/「さあ、潮水をさしあげましょう。」//よわい(弱い）お国のお船なら、/私、やさしくこういう |
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カタカナ（ランプ） |
いばる いう あげる |
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の。/「みなさん、お国のお噺（おはなし）を、/置いて下さい、一つ（ひとつ）ずつ。」//けれども、そんないたずらは、/それこそ |
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やさしい おく |
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暇（ひま）なときのこと、/いちばん大事なお仕事は、/お噺（おはなし）にある宝をみんな、/「むかし（昔）」の国へはこんで |
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はこぶ |
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（運んで）しまう、/わるい（悪い）お船をみつけることよ。//そしてその船みつけたら、/とても上手に戦って、/宝残らず取り |
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みつける たたかう のこる |
とりかえす |
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かえし、/かくれ外套（マント）や、魔法の洋灯（ランプ）、/歌をうたう（歌う）木、七里靴（しちりぐつ）・・・・・・・・・。/お船いっぱい |
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かくれる |
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積み込んで、/青い帆いっぱい風うけて、/青い大きな空の下、/青い静かな海の上、/とおく（遠く）走って行きたいの。// |
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つむ おおきい しずかな いく |
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もしもほんとに男の子なら、/私、ほんとにゆきたいの。 |
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ゆく |
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| 427 |
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こころ |
|
こころ |
Ⅲ |
下16 |
138 |
お母さま（おかあさま）は/大人(おとな）で大きい（おおきい）けれど、/お母さまの/おこころ（心）はちいさい(小さい）。// |
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家族（母・私） |
おおきい |
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だって、お母さまはいいました。/ちいさい私（わたし）でいっぱいだって。//私は子供（こども）で/ちいさいけれど、/ちいさい |
|
いう |
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私の/こころは大きい。//だって、大きいお母さまで、/まだいっぱいにならないで、/いろんな事をおもう（思う）から。 |
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| 428 |
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お風呂 |
|
おふろ |
Ⅲ |
下18 |
140 |
母さま（かあさま）と一しょ（いっしょ）にはいる(入る）ときゃ、/私（わたし）、お風呂がきらいなの。/母さまは私をつかまえて、/ |
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関連（杏の花
Ⅱ-下100） |
はいる つかまえる |
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お釜みたいにみがく（磨く）から。//だけど一人ではいるときゃ、/私、お風呂が好きなのよ。//そこでする事、多いけど、/ |
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家族（母・私）童話的（王様） |
すき うかべる |
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なかで一ばん（いちばん・一番）好きなのは、/ぽかり浮かべた木のきれに、/石鹸（しゃぼん）の函（はこ）や、おしろいの、/ |
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カタカナ(ﾃｲﾌﾞﾙ） |
しゃぼん＝石鹸 |
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かけた小瓶を（こびん）をならべる(並べる）の。//
(それはすてきな御馳走の、/ ならんだ黄金（きん）の卓子（テイブル） |
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植物（杏・花・蓮）乗物（船） |
ならぶ |
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で、/ 私は印度の王様で、/ 白蓮紅蓮（しらはすべにはす）咲きみちた、/ きれいなお池に浸かってて、/ 涼しい |
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遊び（おもちゃ） |
さく つかる すずしい |
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お夕飯あがるとこ。)//玩具（おもちゃ）を持ってゆくことは、/いつか母さま、禁めた（とめた）けど、/時にゃ隣の花びらが、/ |
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もつ とめる |
隣の花びら＝杏 |
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散ってお船(ふね)になってくれ、/時にゃ私の指たちが、/魔法つかって長くなる。/誰も知ってやしないけど、/私、お風呂が |
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つかう ながい しらない |
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好きなのよ。 |
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| 429 |
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汽車の窓から |
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きしゃのまどから |
Ⅲ |
下22 |
142 |
お山であか（赤）いは/あれはなに(何）。//あれは櫨(はじ)の木、櫨紅葉(もみじ)、/なにか怖いな、黒い赤。//お里で |
|
植物（櫨・紅葉・柿） |
こわい |
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あか（赤）いは/あれはなに。//あれは熟れてる柿の実よ、/見てもうまそな、黄いな赤。//お空であか（赤）いは/あれは |
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乗物（汽車） |
うれる うまそう |
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なに。//あれはお汽車の灯(ひ)のかげ（影）よ、/さみしい赤よ、亡い（ない）赤よ。 |
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|
亡い＝存在しない |
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| 430 |
|
けがした指 |
|
けがしたゆび |
Ⅲ |
下24 |
144 |
白い包帯/していたら、/見てもいとうて(痛うて）、/泣きました。//あねさまの帯借りて、/紅(あか）い鹿の子（かのこ）で |
|
類似（爪
Ⅲ-上80） |
いたい なく かりる |
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むすんだら、/指はかわいい/お人形。//爪にお顔を/描いてたら、/いつか、痛いの/わすれてた。 |
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遊び（あねさま=人形） |
むすぶ かく わすれる |
|
| 431 |
|
私と小鳥と鈴と |
|
わたしとことりとすずと |
Ⅲ |
下26 |
145 |
私（わたし）が両手をひろげて(広げて）も、/お空はちっとも飛べないが、/飛べる小鳥は私のように、/地面(じべた)を速くは |
|
動物（小鳥） |
ひろげる とぶ はしる |
|
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走れない。//私がからだをゆすって(揺すって）も、/きれいな音は出ないけど、/あの鳴る鈴は私のように、/たくさんな |
|
ゆする でない なる |
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|
唄(うた)は知らないよ。//鈴と、小鳥と、それから私、/みんなちがって、みんないい。 |
|
しらない ちがう |
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| 432 |
|
黄金の小鳥（きんのことり） |
|
きんのことり |
Ⅲ |
下28 |
146 |
木の葉が黄金（きん）に変わった、/私（わたし）も黄金に変わろ。//とおい(遠い）お国の王様（おうさま）の、/使いが私を |
|
関連（私の髪の
Ⅲ-上126） |
かわる |
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おむかえに、/宝玉(たま)でかざった籠（かご）もって、/きっと、きっとやって来る。//黄金の木の葉は散った、/散っても黄金 |
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童話的（王様） |
たま＝ほうぎょく かざる |
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のいろだ。//明日(あした）はきっと変わろ、/くろ(黒）い私が黄金に。// |
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動物（小鳥）植物（木の葉） |
くる ちる あす かわる |
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黄金の木の葉は朽ちた、/黄金になりゃ、朽ちる、/黒くて光っていような。 |
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くちる ひかる |
|
|
| 433 |
|
波 |
|
なみ |
Ⅲ |
下30 |
148 |
波は子供（こども）、/手つないで、笑って、/そろって(揃って）来るよ。//波は消しゴム、/砂の上の文字を、/みんな消して |
|
カタカナ（消しゴム） |
つなぐ わらう くる けす |
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|
ゆくよ。//波は兵士、/沖から寄せて、一ぺん（いっぺん）に、/どどんと鉄砲（てっぽう）うつよ。//波は忘れんぼ、/きれいな |
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魚貝類（貝） |
よせる うつ |
|
|
|
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|
|
|
きれいな貝がらを、/砂の上においてくよ。 |
|
おく |
|
|
| 434 |
|
落葉 |
|
おちば |
Ⅲ |
下32 |
149 |
お背戸（せど）にゃ落葉がいっぱいだ、/たあれ（誰）も知らないそのうちに、/こっそり掃いておきましょか。// |
|
植物（落葉） |
しらない はく |
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ひとり(一人）でしようと思ったら、/ひとりで嬉しくなって来た。//さらりと一掃き（ひとはき）掃いたとき、/表に楽隊やって |
|
おもう うれしい |
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来た。//あとで、あとでと駈け出して、/通りの角までついてった。//そして、帰ってみた時にゃ、/誰か、きれいに掃いて |
|
かける ついてゆく |
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|
|
いた、/落葉、のこらず(残らず）すてていた。 |
|
すてる |
|
|
| 435 |
|
海と山 |
|
うみとやま |
Ⅲ |
下34 |
151 |
海からくるもの/なあに、/海からくるもの/夏、風、さかな（魚）、/バナナのお籠(かご）。//それから、新造(しんぞう）の |
|
カタカナ・植物（ﾊﾞﾅﾅ・ゆずり葉） |
|
|
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|
お舟（ふね）にのって、/海からくるもの/住吉まつり。//山からくるもの/なあに。/山からくるもの/冬、雪、小鳥、/ |
|
乗物（舟）祭り（住吉まつり） |
住吉まつり＝青海島・通 |
|
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|
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|
|
|
炭積んだお馬。//それから、ゆずゆずゆずり葉にのって、/山からくるもの/お正月。 |
|
動物（小鳥・馬）季節行事（正月） |
つむ のる |
|
| 436 |
|
女王さま/女王さま |
|
じょおうさま/じょおうさま |
Ⅲ |
下36 |
153 |
私（わたし）が女王さまならば/国じゅうのお菓子屋呼びあつめ、/お菓子の塔をつくらせて、/そのてっぺんに椅子据えて、/ |
|
新旧相違（女王さま） |
よぶ あつめる つくる |
|
|
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|
|
|
|
|
あまい鉛筆なめながら、/いろんなお布令（おふれ）を書きましょう。//いちばんさきに書くことは、/「私の国に住むものは、/ |
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童話的（女王さま） |
すえる なめる かく すむ |
|
|
|
|
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|
|
子供（こども）ひとりにお留守番、/させとくことはできません。」//そしたら、いまの私のように、/さみしい子供はいない |
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遊び（毬） |
させる できない |
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|
|
|
|
|
|
|
|
でしよう。//それから、つぎに書くことは、/「私の国に住むものは、/私の毬（まり）より大きな毬を、/誰（だれ）も持つこと |
|
おおきい |
|
|
|
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|
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|
|
|
|
できません。//そしたら私も大きい毬が、/欲しくなくなることでしょう。 |
|
ほしい |
|
|
| 436 |
|
女王さま/女王さま |
|
じょおうさま/じょおうさま |
Ⅲ |
|
153 |
あたしが女王さまならば/国中のお菓子屋呼びあつめ、/お菓子の塔をつくらせて、/そのてっぺんに椅子据えて、/ |
|
新旧相違（女王さま） |
よぶ あつめる つくる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
壁をむしって喰べながら、/いろんなお布令（おふれ）を書きませう。//いちばんさきに書くことは、/「私の國に棲むものは、/ |
|
童話的（女王さま） |
すえる たべる かく すむ |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
子供（こども）ひとりにお留守居を、/させとくことはなりません。」// そしたら、今日の私のやうに、/ さみしい子供は |
|
遊び（毬） |
させる |
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|
|
|
|
ゐないでせう。//それから、つぎに書くことは、/「私の國に棲むものは、/私の毬（まり）より大きな毬を、/誰(だれ）も持つこと |
|
おおきい |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
出來ません。// そしたら私も大きい毬が、/ 欲しくなくなることでせう。 |
|
ほしい |
|
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| 437 |
|
柘榴の葉と蟻 |
|
ざくろのはとあり |
Ⅲ |
下40 |
155 |
柘榴(ざくろ)の葉っぱに蟻（あり）がいた。/柘榴の葉っぱは広かった、/青くて、日蔭（ひかげ）で、その上に、/葉っぱは |
|
植物（柘榴・葉・花）昆虫（蟻） |
ひろい |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
静かにしてやった。//けれども蟻は、うつくしい、/花をしとうて旅に出た。/花までゆくみち(道）遠かった、/葉っぱはだまって |
|
しずかに したう とおい だまる |
|
|
|
|
|
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|
|
|
|
それ見てた。//花のふちまで来たときに、/柘榴の花は散っちゃった、/しめった(湿った）黒い庭土に。/葉っぱはだまってそれ |
|
みる ちる しめる |
|
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|
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|
|
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|
見てた。//子供（こども）がその花ひィろって(拾って）、/蟻のいるのも知らないで、/握って駈けて行っちゃった。/葉っぱは |
|
ひろう しらない にぎる かける |
いく |
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|
|
|
|
|
|
|
|
だまってそれ見てた。 |
|
|
|
|
| 438 |
|
あと押し |
|
あとおし |
Ⅲ |
下42 |
157 |
車のあと押し、/せっせっせ。/どっこい、重いぞ/上り坂、/汗が、ぽっつり、/地にしみる(沁みる）。//車のあと押し、/ |
|
乗物（車）植物（薔薇） |
おす おもい のぼる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
せっせっせ。/ほらほら速いぞ/下り坂、/みちの小石が、/縞(しま)になる。//車のあと押し、/せっせっせ。/ |
|
はやい くだり |
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|
|
|
|
|
|
|
下ばっかりを/みてゆくと、/真紅(まっか・まあか)な薔薇が、/みつかった。 |
|
みる ゆく みつかる |
|
|
| 439 |
|
生きたかんざし |
|
いきたかんざし |
Ⅲ |
下44 |
159 |
子守ころころ漁師の子/もしゃしゃ髪の毛、これゃいいな、/雀（すずめ）、巣かけよととまったら、/赤いダリヤ（だりや・ダリア) |
|
動物（雀）カタカナ・植物（ﾀﾞﾘﾔ） |
かける とまる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
が燃えていて、/あっつ、あっつと/飛んで逃げた。//日ぐれ(日暮れ）にゃしおれたかんざし（簪）は、/髪から抜かれて |
|
家族（母） |
もえる とぶ にげる ぬく |
|
|
|
|
|
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|
すてられて、/浜からかえった母さん（かあさん）に、/髪結（ゆ）てもらう漁師の子。/雀は軒（のき）に/巣をかけた。 |
|
すてる かえる ゆう かける |
|
|
| 440 |
|
のぞきからくり |
|
のぞきからくり |
Ⅲ |
下46 |
160 |
のぞきからくり/のぞく(覗く）子は、/みんなちいさい子供(こども)たち。//去年まで/母さま（かあさま）と、/おまいり(お参り） |
|
祭り（祇園祭）家族（母） |
のぞきからくり＝見世物 |
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|
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|
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するたび、この前を、/よこ目で見い見い/通ってた、/指をくわえて/通ってた。//きょうは/ひとり(一人）で来ているし、/光る |
|
みる かよう くる |
ひかる |
|
|
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|
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|
|
銀貨（ぎんか）もあるけれど。/のぞきからくり/替る（かわる）子は、/またもちいさい子等（こら）ばかり。 |
|
|
|
|
| 441 |
|
土曜日曜 |
|
どようにちよう |
Ⅲ |
下48 |
162 |
土曜は葉っぱ/日曜は花よ。//柱ごよみ（暦）の/葉っぱをちぎる、/土曜の晩は/たのしいものよ。//お花はじきに/ |
|
植物（葉っぱ・花） |
|
|
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|
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|
|
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|
しぼむ(萎む）ものよ。//柱ごよみの/お花をちぎる、/日曜の晩は/さみしいものよ。 |
|
|
|
|
| 442 |
|
犬とめじろ |
|
いぬとめじろ |
Ⅲ |
下50 |
163 |
巨きな（おおきな）、犬の吠えるのは、/大きらいだけれど、//小さな（ちいさな）目白（めじろ）のなく声は、/大好きなのよ。// |
|
動物（犬・めじろ） |
ほえる なく |
|
|
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|
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|
|
|
わたしの泣くこえ、/どっちに似てるだろう。 |
|
なく にる |
|
|
| 443 |
|
人形と子供 |
|
にんぎょうとこども |
Ⅲ |
下51 |
164 |
（人形）
/ 一、二ィ、三、(いち、にぃ、さん）/ 嬢（じょっ）ちやん（おじょうちゃん）がいま瞬き（またたき）するよ、/ |
|
類似（見えないもの
Ⅰ-下212） |
|
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この間にすばやく伸びをしよう。// |
|
のびる |
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（子供）/
あら、あら、あら、/ お行儀（ぎょうぎ）のわるい(悪い）お人形ね、/たった今、すわらせて(座らせて）あげた |
|
すわる |
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|
|
|
|
|
|
のに。 |
|
|
|
|
| 444 |
|
山の子浜の子 |
|
やまのこはまのこ |
Ⅲ |
下52 |
165 |
町（まち）を見て来た山の子よ､/町には何がありました｡//日ぐれ(日暮れ）の辻の人ごみに､/踏まれもせずにぽっちりと､/ |
|
植物（ぐみ）乗物（電車） |
★ みる くる ふむ |
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森の一軒屋の灯（ひ・あかり）のように､/茱萸（ぐみ）がこぼれて居りました｡//町を見て来た浜の子よ､/町には何があり |
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こぼれる ある |
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ました｡//電車どおりの水たまり､/底のきれいな青空に､/さみしい昼の星のよに､/鱗（うろこ）がうかんで居りました｡ |
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うかぶ |
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| 445 |
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大將 |
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たいしょう |
Ⅲ |
下54 |
166 |
僕が大将になったとき、/横町のいじめっ子が失敬(しっけい)したら、/空見て、かっぽ、かっぽ、/お馬を飛ばそ。// |
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動物（馬）家族（父） |
なる みる とばす |
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僕が大将になったとき、/田圃(たんぼ)の案山子(かかし)が失敬したら、/ていねいに失敬かえしてやろう。// |
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かえす |
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僕が大将になった時、/お父さん（おとうさん）がやって来て失敬したら、/僕のお馬に乗っけてあげよう。 |
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のせる |
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| 446 |
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不思議 |
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ふしぎ |
Ⅲ |
下56 |
167 |
私（わたし）は不思議でたまらない、/黒い雲からふる雨が、/銀にひかって(光って）いることが。//私は不思議でたまら |
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類似（空の色・桑の実・貝と月・なぞ） |
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ない、/青い桑の葉たべている、/蚕が白くなることが。//私は不思議でたまらない、/たれ（誰）もいじらぬ夕顔が、/ |
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類似（海とかもめ
Ⅰ-下206） |
たべる いじる |
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ひとりでぱらりと開くのが。//私は不思議でたまらない、/私は不思議でたまらない、/誰にきいても笑ってて、/ |
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植物(桑）昆虫（蚕） |
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あたりまえだ、ということが。 |
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ひらく わらう |
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| 447 |
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打ち独楽（ぶちごま） |
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ぶちごま |
Ⅲ |
下58 |
168 |
いつかはメンコが流行（はや）ってた、/いつかはパチンコが流行ってた、/みんな学校で禁（と）められた。// |
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遊び（こま・ﾒﾝｺ・ﾊﾟﾁﾝｺ） |
はやる とめる |
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このごろ流行った打ち独楽（ぶちごま）も、/また学校で禁められた。//だれ(誰）もかくれて(隠れて）みなしてる、/時にゃ |
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ｶﾀｶﾅ（ﾒﾝｺ・ﾊﾟﾁﾝｺ） |
かくれる する |
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わたし（私）もしたくなる。//けれどわたしは思い出す、/歩くことさえ禁められた、/石や草木のあることを。 |
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植物（草・木） |
したい おもいだす あるく |
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| 448 |
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荷馬車 |
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にばしゃ |
Ⅲ |
下60 |
169 |
お馬は/じぶん（自分）の影んぼ（影法師）の、/おかしなお耳が踏みたくて、/下見ていそいで歩きます。// |
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動物（馬）乗物
(馬車） |
ふむ みる いそぐ あるく |
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馬車屋は/空っぽ（からっぽ）の馬車の上、/おおきなお煙管（きせる）横っちょで、/のどかにお空をみています。// |
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おおきい みる |
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空には/雲がかがやいて(輝いて）、/昨夜（ゆうべ）の火事はうそのよう。/町（まち）にも春がじき来ます。 |
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かがやく くる |
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| 449 |
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足ぶみ |
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あしぶみ |
Ⅲ |
下62 |
170 |
わらびみたよな雲が出て、/空には春が来ましたよ。//ひとり(一人）で青空みていたら、/ひとりで足ぶみしましたよ。// |
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植物（わらび・からたち・芽） |
でる くる みる |
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ひとりで足ぶみしていたら、/ひとりで笑えて来ましたよ。//ひとりで笑ってして居たら、/誰（だれ）かが笑って来ましたよ。// |
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わらう |
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からたち垣根が芽をふいて、/小径(こみち)にも春が来ましたよ。 |
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ふく くる |
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| 450 |
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お店ごっこ |
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おみせごっこ |
Ⅲ |
下64 |
171 |
杏（あんず）のかげ（陰・蔭）の、/三軒(さんげん）お店、/店はちがえど/ずらりと出たは、/おんなじ草っぱ(葉）、/ |
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関連（喧嘩のあと
Ⅰ-下50） |
（となりの杏 Ⅱ-下100） |
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名なしの草っぱ、/名前ないから/なん(何）にでもなるよ。//お菓子屋さんでは/亀の子(かめのこ）せんべい、/下駄屋さん |
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植物（杏・花・草・葉） |
亀の子せんべい＝下関菓子 |
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なら/草履(ぞうり）にこっぽり、/魚屋さんなら/小鯛に比良目（ひらめ）よ。//さあさ、店出し、/誰（だれ）もかもおいでよ、/ |
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動物・魚類（亀・魚・鯛・ひらめ） |
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小石のお銭（ぜぜ・お金）を/うんとこさ持って。//三軒ならんだ/お店のうえに、/杏のお花が/ひらひら散るよ。 |
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もつ ならぶ ちる |
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| 451 |
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漁夫の子の唄 |
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りょうしのこのうた |
Ⅲ |
下67 |
173 |
私（わたし）は海に出るだろう。/ いつか大きくなった日に、/ そしてこんなに凪（なぎ）の日に、/ 浜の小石におくられて |
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類似（人なし島
Ⅱ-上33） |
でる おおきい おくる |
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(送られて）、/ ひとりぼっち(一人ぼっち）で勇ましく。//私は島に着くだろう。/ ひどい暴風（あらし）に流されて、/ 七日 |
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気象（凪・暴風） |
いさましい つく ながす |
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七夜（なぬかななや）の、夜あけ（夜明け）がた、/ いつも私のおもって（思って）る、/ あの、あの、島のあの岸へ。// |
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植物（赤い実）動物（鳩） |
おもう |
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私は手紙を書くだろう。/ ひとりで建てた小屋のなか、/ ひとりで採った赤い実を、/ ひとり楽しく食べながら。/ とおい |
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かく たてる とる たべる |
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（遠い）日本のみなさま、と。/ (そうだ手紙を持ってゆく、/お鳩ものせて(乗せて）行かなけりゃ。)//そして私は待つだろう。/ |
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もつ のせる まつ |
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いつも、いじめてばかりいた、/ 町（まち）の子たちがみんなして、/ 私とあそび（遊び）にやってくる、/ あか（赤）いお船 |
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いじめる あそぶ |
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の見えるのを。//そうだ、私は待つだろう。/ 丁度こんなふうにねころんで（寝転んで）、/ 青いお空と海を見て。 |
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みえる ねる みる |
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| 452 |
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花津浦 |
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はなづら |
Ⅲ |
下72 |
177 |
浜で花津浦（はなづら）眺めてて、/「むかし（昔）、むかし」と/きき(聞き）ました。/浜で花津浦みる度(たび）に、/こころ(心） |
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仙崎八景① |
● ながめる きく |
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さみしく/おもい(思い）出す。//「むかし、むかし」と/花津浦の/その名の所縁(いわれ）きかされた/郵便局の小父さん |
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植物（花）気象（入日） |
さみしい おもいだす |
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（おじさん）は、/どこでどうしているのやら.。//あのはなづらの/はな越えて、/お船(ふね）はとおく(遠く）/消えました。// |
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こえる きえる |
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いまも、入日（いりひ）に海は燃え、/いまもお船（ふね）は沖をゆく。//「むかし（昔）、むかし」よ/花津浦よ、/みんなむかしに |
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もえる ゆく |
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なりました。 |
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| 453 |
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弁天島 |
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べんてんじま |
Ⅲ |
下76 |
179 |
「あまりかわいい島だから/ここには惜しい島だから、/貰ってゆくよ、綱（つな）つけて。」//北のお国の船乗り（ふなのり） |
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仙崎八景② |
おしい もらう つける |
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が、/ある日、笑っていいました。//うそだ、うそだと思っても/夜が暗うて、気になって、//朝はお胸もどきどきと、/ |
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乗物
(船） |
わらう いう おもう くらい |
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駆けて浜辺へゆきました。//弁天島は波のうえ、/金(きん）のひかりにつつまれて、/もとの緑（みどり）でありました。 |
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きになる かける ゆく つつむ |
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| 454 |
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王子山 |
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おうじやま |
Ⅲ |
下78 |
181 |
公園になるので植えられた、/桜はみんな枯れたけど、//伐られた雑木(ぞうき)の切株（きりかぶ）にゃ、/ |
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仙崎八景③ |
うえる かれる きる |
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みんな芽（め）が出た、芽が伸びた。//木の間に光る銀の海、/わたし（私）の町（まち）はそのなかに、/龍宮（りゅうぐう） |
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植物
(桜・雑木・芽・木） |
でる のびる ひかる |
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みたいに浮んでる。//銀の瓦と石垣と、/夢のようにも、霞(かす)んでる。//王子山から町（まち）見れば、/わたし（私）は町が |
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気象（霞）魚類（鰮） |
うかぶ かすむ |
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好きになる。//干鰮(ほしか)のにおい(匂い）もここへは来ない、/わかい(若い）芽立ちの香(か・かおり)がするばかり。 |
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| 455 |
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小松原 |
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こまつばら |
Ⅲ |
下80 |
183 |
小松原、/松はすくなく（少なく）なりました。//いつも木挽き（こびき）のお爺さん（おじいさん）、/巨（おお）きな材木ひいて |
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仙崎八景④ |
すくない おおきい ひく |
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ます。//押したり、引いたり、その度（たび）に、/白帆（しらほ）が見えたり、かくれたり、//かもめも飛びます、波のうえ、/ |
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植物（松・木）動物（かもめ・雲雀） |
おす みえる かくれる とぶ |
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雲雀（ひばり）も啼（な）きます、空のなか。//海もお空も春だけど、/松と、木挽きはさみしそう。//ところどころに新しい、 |
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なく さみしい |
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家が建ちます、/小松原、/松はすくなくなりました。 |
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たつ すくない |
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| 456 |
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極楽寺 |
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ごくらくじ |
Ⅲ |
下82 |
185 |
極楽寺のさくらは、八重ざくら（桜）、/八重ざくら、/使いにゆくとき見て来たよ。//横町(よこちょ）の四つ角（よつかど） |
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仙崎八景⑤ |
つかい みる くる
よこちょう |
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まがる(曲がる）時、/まがる時、/よこ目(横目）でちらりと見て来たよ。//極楽寺のさくらは土ざくら、/土ざくら、/ |
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植物（さくら・八重桜・土桜） |
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土の上ばかりに咲いてたよ。/若布結飯(わかめむすび）のお弁当（おべんと・おべんとう）で、/お弁当で、/ |
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さく |
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さくら見に行って見てきたよ。 |
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いく |
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| 457 |
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波の橋立 |
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なみのはしだて |
Ⅲ |
下84 |
186 |
波の橋立よいところ、/右はみずうみ(湖）、もぐっちょがもぐる(潜る）、/左ゃ外海(そとうみ）、白帆（しらほ）が通る、/なかの |
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仙崎八景⑥ |
● とおる |
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松原、小松原、/さらりさらりと風が吹く。/
海のかもめは/ みずうみ(湖)の/
鴨(かも)とあそんで(遊んで）/ 日をくらし、/ |
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動物（もぐっちょ・かもめ・かも） |
ふく あそぶ くらす |
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あお(青)い月出りゃ/
みずうみの、/ ぬし(主)は海辺で/
貝ひろう(拾う）。//波の橋立、よいところ、/右はみずうみ、 |
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植物(松）魚貝類（貝） |
もぐっちょ＝かいつぶり |
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ちょろろの波よ、/左ゃ外海、どんどの波よ、/なかの石原、小石原、/からりころりと通りゃんせ。 |
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とおる |
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| 458 |
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大泊港 |
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おおとまりみなと |
Ⅲ |
下86 |
188 |
山の祭(まつり)のかえり(帰り）みち(道・路）、/送ってくれた伯母様(おばさま）と、/別れて峠を降りるとき、/杉の梢に |
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仙崎八景⑦ |
かえる おくる わかれる |
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ちかちかと/きれいな海が光ってた。//海に帆(ほ)柱、とまり舟(ぶね・ふね）、/岸にちらほら藁（わら）の屋根、/みんな |
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祭り（大日比祭）乗物（舟） |
おりる ひかる |
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お空にあるような、/みんなお夢にあるような、//峠くだれば（下れば）蕎麦畑（ばたけ・はたけ）、/あれはやっぱり、大泊、/ |
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植物（杉・蕎麦） |
くだる |
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ふるい（古い）さみしい港です。 |
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| 459 |
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祇園社 |
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ぎおんしゃ |
Ⅲ |
下88 |
189 |
はらはら/松の葉が落ちる、/お宮の秋は/さみしいな。//のぞきの唄（うた）よ/瓦斯(ガス)の灯よ、/赤い帯した、/ |
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仙崎八景⑧ |
のぞき＝のぞきからくり |
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肉桂(にっけい)よ。//いまは/こわれた（壊れた）氷屋に、/さらさら/秋風ふく（吹く）ばかり。 |
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植物（松）カタカナ（瓦斯＝ガス） |
肉桂＝ニッキ、噛む嗜好品 |
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| 460 |
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雪 |
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ゆき |
Ⅲ |
下92 |
193 |
誰（だれ）も知らない野の果て（はて）で/青い小鳥が死にました。/
さむい（寒い）、さむい、くれ方（暮れがた）に。// |
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動物・弔い（小鳥）神仏（神さま） |
しらない しぬ |
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そのなきがら（亡骸）を埋めよとて/お空は雪を撒きました。/
ふかく（深く）、ふかく、音もなく。//人は知らねど、人里の、/ |
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気象（雪・青空） |
うめる まく ふかい
しらない |
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家もおとも（お供）にたちました。/
しろ（白）い、しろい、被衣(かつぎ)着て。//やがてあけゆく（明けゆく）あくる朝、/ |
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たつ きる あける はれる |
被衣＝頭からかぶる衣装 |
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お空はみごとに晴れました。/
あお（青）く、あおく、うつくしく。//小さい(ちさい）きれいなたましい（魂）の、/神さまの |
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うつくしい ちいさい
あける |
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お国へゆくみち（道）を、/
ひろく（広く）、ひろく、あけ（開け）ようと。 |
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あける |
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| 461 |
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栗と柿と絵本 |
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くりとかきとえほん |
Ⅲ |
下94 |
195 |
伯父さん（おじさん）とこから栗が来た､/丹波のお山の栗が来た｡//栗のなかには丹波の山の/松葉が一すじはいってた｡// |
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植物（栗・松葉・柿） |
くる はいる |
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叔母さん（おばさん）とこから柿が来た､/豊後（ぶんご）のお里の柿が来た｡//柿の蔕（へた）には豊後の里の/小蟻（こあり） |
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昆虫（小蟻） |
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が一ぴき（いっぴき）這って（はって）いた｡//町（まち）の私（わたし）の家からは､/きれいな絵本がおくられ（送られ）た｡// |
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はう おくる |
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けれども小包（こづつみ）あけた（開けた）とき､/絵本のほかに､何がある｡ |
|
あける |
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| 462 |
|
向日葵 |
|
ひまわり |
Ⅲ |
下96 |
197 |
おてんとさま(お天道様）の車の輪（わ）、/黄金（きん）のきれいな車の輪。//青い空をゆくときは、黄金のひびき（響き）を |
|
植物（向日葵）乗物（車） |
●★ ゆく ひびく |
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たてました。//白い雲をゆくときに、/見たは小さな黒い星。/天でも地でもだれ（誰）知らぬ、/黒い星を轢く（ひく）まいと、/ |
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たてる みる ちいさい しらない |
ひく お天道＝お日さま |
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急に曲がった車の輪。//おてんとさまはほり（放り）出され、/真っ赤になってお腹立ち、/黄金のきれいな車の輪、/はるか |
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まがる ほうりだす 腹立つ |
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下界へすて（捨て）られた、/むかし（昔）、むかしにすてられた。//いまも、黄金（こがね）の車の輪、/お日を慕（しと）うて |
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すてる したう まわる |
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まわります。 |
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| 463 |
|
十三夜 |
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じゅうさんや |
Ⅲ |
下98 |
199 |
今朝がた通った/とおり雨、/霰（あられ）がまじった居りました。//きのうから/急につめたい（冷たい）風吹いて、/母さま |
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気象（霰）家族（母） |
まじる ふく |
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（かあさま）障子を貼りました。//いまは雲さえ/見えないで、/つめたく冴（さ）えた十三夜。//このくさむら（草むら）で/ |
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昆虫（虫）植物（草むら） |
はる さえる みえない |
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なく（鳴く・啼く）虫が、/きゅうにすくなく（少なく）なりました。 |
|
すくない |
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| 464 |
|
お祖母様の病気 |
|
おばあさまのびょうき |
Ⅲ |
下100 |
200 |
お祖母様が御病気で、/庭には草がのびました。//花咲くころは朝ごとに、/仏さまに､と剪って（きって）いた､/ |
|
家族（祖母）神仏(仏さま） |
のびる さく きる |
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薔薇の葉っぱは穴だらけ､/松葉ぼたんも枯れました｡//となりから来る鶏（にわとり）も､/なにか小くび（小首）をかしげます｡// |
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植物（草・花・薔薇・松葉・牡丹） |
かれる くる かしげる |
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|
昼もひろうて（広うて）､しんとして､/秋の風が吹いていて､/空屋（あきや）みたいになりました｡ |
|
動物（鶏） |
ひろい ふく |
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| 465 |
|
鯨捕り |
|
くじらとり |
Ⅲ |
下102 |
201 |
海の鳴る夜は/冬の夜は、/栗を焼き焼き/聴きました。//むかし（昔）、むかしの鯨捕り、/ここのこの海､紫津(しづ)が浦。// |
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気象（荒海・風・雪）動物（鯨） |
鯨捕り＝長門の古式捕鯨 |
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海は荒海、時季(とき)は冬、/風に狂うは雪の花、/雪と飛び交う銛(もり)の縄。//岩も礫(こいし)もむらさき（紫）の、/ |
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植物（栗・花）乗物（舟） |
なる やく きく |
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常は水さえむらさきの、/岸さえ朱(あけ・あか)に染む(そむ)という。//厚いどてらの重ね着で、/舟(ふね)の舳(みよし)に |
|
かさねる |
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見て立って、/鯨弱ればたちまちに、/ぱっと脱ぎすて素っ裸(すっぱだか・はだか)、/さかまく（逆巻く）波におどり込む、/ |
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たつ よわる ぬぐ おどる |
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むかし（昔）、むかしの漁夫(りょうし)たち―/きいてる（聴・聞いてる）胸も/おどり（踊り）ます。//いまは鯨はもう寄らぬ、/ |
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おどる よる |
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浦は貧乏(びんぼ・びんぼう)になりました。//海は鳴ります。/冬の夜を、/おはなし（お話）すむと、/気がつくと
― |
|
なる きがつく |
|
|
| 466 |
|
雪に |
|
ゆきに |
Ⅲ |
下106 |
203 |
海にふる（降る）雪は、海になる。/街（まち）にふる雪は、泥（どろ）になる。/山にふる雪は、雪でいる。//空にまだいる雪、/ |
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類似（淡雪
Ⅱ-上182） |
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|
どォれ（どれ）がお好き。 |
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気象（雪） |
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| 467 |
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大きなお風呂 |
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おおきなおふろ |
Ⅲ |
下108 |
204 |
とても大きな/大きなお風呂。/湯槽(ゆぶねは白砂（しらすな）、/天井（てんじょう）は青空、/誰がはいろと/お湯銭(ゆせん)は |
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関連（浜の石
Ⅰ-下110） |
おおきい はいる いらない |
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要らぬ。//ここじゃ私（わたし）と西瓜（すいか）の皮が、/そこじゃ弟と玩具(おもちゃ）の亀が。//見えない遠いどこぞの |
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家族（私・弟）植物（西瓜） |
とおい |
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ふちにゃ、/支邦（しな）の子供も浸かっていよし、/くろい印度（インド）の子供（こども）も遊ぼ。//世界中つづいた/大きな |
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遊び（おもちゃ）動物（亀） |
つかる あそぶ つづく |
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お風呂、/すてきなお風呂。 |
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| 468 |
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角の乾物屋の |
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かどのかんぶつやの |
Ⅲ |
下110 |
206 |
―わがもとの家、まことにかくありき― |
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角（かど）の乾物屋（かんぶつや）の/塩俵、/日ざし（日差し）がかっきり/もう斜(ななめ）。//二軒目(にけんめ）の空家 |
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動物（犬・馬） |
たわら |
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（あきや）の/空俵、/捨て犬ころころ/もぐれてる。/三軒目(さんけんめ）の酒屋の/炭俵、/山から来た馬/いま飼葉 |
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もぐる |
飼葉＝馬の飼料 |
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(かいば）。//四軒目(よんけんめ）の本屋の/看板（かんばん）の、/かげ（陰）から私（わたし）は/ながめてた。 |
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ながめる |
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| 469 |
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唄 |
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うた |
Ⅲ |
下112 |
208 |
お風邪（かぜ）なおって/表へ出たら/みんな袖無（そでなし）着てました。//みんなで唄う（うたう）/唄きけば/ |
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植物（紅葉） |
なおる でる きる |
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「ほうい、ほうい、ほうれん坊。」//知らぬその唄/きき（聞き）ながら/ふところ手して山見れば、/山は紅葉（もみじ）に |
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しらない きく みる |
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なりました。 |
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| 470 |
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日曜の朝 |
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にちようのあさ |
Ⅲ |
下114 |
209 |
青い洋服さんは/父さん（とうさん）と、/丸屋根の教会堂へ/ゆきました。//白い前かけさんは/母さん（かあさん）と、/ |
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家族（父・母） |
ゆく |
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四つ辻（よつつじ）で朝の新聞/売ってます。//夏が来ました/青い空。//教会堂の/丸屋根に/きのう来た燕(つばめ)が |
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動物（燕） |
うる きた |
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とまって/みています。 |
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とまる みる |
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| 471 |
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日曜の午後 |
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にちようのごご |
Ⅲ |
下116 |
211 |
この掌(て)のなかにあるものは、/青と白との/十二竹（じゅうにたけ）。//竹であそんだみいちゃんは、/呼ばれて使いに |
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遊び（十二竹） |
● あそぶ よぶ |
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ゆきました。//朝から気にして、今までも、/お復習（おさらい）しない日曜の/あそび疲れたお八つ（おやつ）すぎ。/ |
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ゆく きにする つかれる |
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晴れたお空にあるものは、/お湯屋（ゆや）の煙突（えんとつ）/ひる（昼）の月。 |
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湯屋＝銭湯 |
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| 472 |
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丘で/丘の上で |
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おかで/おかのうえで |
Ⅲ |
下118 |
212 |
あたま(頭）の上には青い空、/足の下には青い草。//お伽噺（おとぎばなし）にいつも出る、/王女の姿はうつくしい。// |
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新旧相違（丘で） |
でる |
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けれども黄金（きん）の冠（かんむり）は、/青い空よりちいさいし、//きれいな黄金のあの靴も、/青い草よりかたいだろ。// |
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童話的（王女・姫）植物（草） |
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あたまの上には青い空、/足の下には青い草。//丘に立ってる私（わたし）こそ、/もっときれいな王女さま。 |
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たつ |
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| 472 |
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丘の上で/丘で |
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おかのうえで/おかで |
Ⅲ |
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212 |
あたま(頭）の上には青い空/足のしたには青い草。//お伽噺の繪（え）でみたは、/きれいなきれいな王女さま。// |
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新旧相違（丘の上で） |
みる |
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|
けれども黄金（きん）の冠（かんむり）は、/青い空よりちひさいし、//きれいな黄金のあの靴も/青い草よりかたいだろ。// |
|
童話的（王女・姫）植物（草） |
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あたまの上には青い空/足の下には青い草。//丘に立つてる私（わたし）こそ、/もつとりつぱなおひめさま。 |
|
たつ |
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| 473 |
|
守唄 |
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もりうた |
Ⅲ |
下120 |
214 |
ねんね（寝んね）よねんね、/日のくれ（暮れ）がたは、/つんで来たあか（赤）いげんげ（れんげ）も/
おねんねするよ。/ |
|
植物（れんげ）動物（みみずく） |
つむ |
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ほそいみどり(緑）の/
おくび（首）をたれて（垂れて）。//ねんねよねんね、/日のくれがたは、/あの丘の白いお家（おうち）も/ |
|
たれる |
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おねんねするよ。/あお（青）い硝子（がらす）の/お眼（めめ）をとじて。//ねんねよねんね、/日のくれがたに、/ほっかりと |
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とじる |
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お眼（めめ）さます（覚ます）は/電灯（でんき）のたま（球）と、森のほうほう/みみずくばかり。 |
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さめる |
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| 474 |
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広告塔 |
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こうこくとう |
Ⅲ |
下122 |
216 |
さようなら､/さようなら
―//汽車のうしろの赤い灯(ひ)は､/はるかの暗（やみ）に消えました｡//あきらめて､/くるり廻れば/ |
|
乗物（汽車） |
きえる あきらめる
まわる |
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はなやかな､/春のいい夜の街(まち）の空｡//広告塔の赤い灯は､/みるまに青くなりました｡ |
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| 475 |
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十二竹 |
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じゅうにたけ |
Ⅲ |
下124 |
217 |
二貫（にかん）借りてる/かんしゃくの、/やりばのなさに
/投げ出した、/竹のおもての /こみどり（緑）を、/ちかりと白く/ |
|
遊び（十二竹） |
かりる
かんしゃく＝怒り |
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光らせる、/縁（えん）の日ざし(日差し）の/うららかさ。//十二竹/かえしそこねて(返し損ねて）/投げ出して、/すこし |
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ひかる 縁＝縁側 かえす |
そこねる なげだす |
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泪（なみだ）の/にじむ眼（め）に
─ |
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| 476 |
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小さなお墓 |
|
ちいさなおはか |
Ⅲ |
下126 |
219 |
小さな（ちいさな）お墓、/まあるい（まるい）お墓、/おじいさまのお墓。//百日紅(さるすべり）の花が、/かんざしに |
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家族（祖父） |
百日紅＝遍照寺の墓にあった |
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なってた。/去年のことよ。//きょう来て見れば、/新しいお墓、/しろじろと立ってる。//せんのお墓、/どこへ行った、/ |
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植物（さるすべり.・花） |
くる
みる たつ いく |
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石屋にやった。//今年も花は、/百日紅（さるすべり）の花は、/墓の上に散っている。 |
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ちる |
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| 477 |
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鯨法会 |
|
くじらほうえ |
Ⅲ |
下128 |
221 |
鯨法会は春のくれ、/海に飛魚(とびうお)採れるころ。//浜のお寺で鳴る鐘が、/ゆれて水面(みのも)をわたるとき、// |
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動物（鯨）魚類（飛び魚） |
鯨法会＝捕った鯨の為の法要 |
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村の漁夫(りょうし)が羽織着て、/浜のお寺へいそぐとき、/沖で鯨(くじら)の子がひとり、/その鳴る鐘をきき（聞き）ながら、// |
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家族（子・父・母） |
とる なる ゆれる |
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死んだ父さま（とうさま）、母さま（かあさま）を、/こいし、こいしと泣いてます｡//海のおもてを、鐘の音は、/海のどこまで、 |
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こいしい なく |
きる きく |
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ひびくやら。 |
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| 478 |
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お朔月 |
|
おついたち |
Ⅲ |
下130 |
223 |
お朔月（ついたち）、お朔月、/とてもきれいな朝の空、/きょうから私（わたし）は単衣（ひとえ）です。//お朔月、お朔月、/ |
|
お朔月＝月の最初の日 |
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お巡査（おまわり）さんも白の服、/黒い喪章（もしょう）が目立ちます。//お朔月、お朔月、/晩にゃ坊さまおいでです、/ |
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めだつ おいでる |
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あとでお菓子がさがります。//お朔月、お朔月、/とてもすてきな日和（ひより）です、/きょうから町（まち）は夏でしょう。 |
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さがる |
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| 479 |
|
達磨おくり |
|
だるまおくり |
Ⅲ |
下132 |
224 |
白勝った、/
白勝った、/ 揃って(そろって)手をあげ/「ばんざあい」/
赤組の方見て/「ばんざあい」//だまってる/赤組よ、/ |
|
学校の事（運動会） |
● ばんざい だまる |
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秋のお昼の/日の光（ひかり）、/土によごれて（汚れて）、ころがって（転がって）、/
赤いだるまが照られてる。// |
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よごれる ころがる てる |
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も一つ（もひとつ）と/先生が云う（言う）ので/「ばんざあい。」/すこし小声になりました。 |
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いう なる |
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| 480 |
|
くれがた |
|
くれがた |
Ⅲ |
下134 |
226 |
暗いお山に紅(あか）い窓、/窓のなかにはなに（何）がある。//空っぽ(からっぽ）になったゆりかごと、/涙(なみだ）をためた |
|
同題（くれがたⅠ-下102） |
● くらい |
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母さま(かあさま)と。//明るい空に金の月、/月の上にはなにがある。//あれはこがね(黄金)のゆりかごよ、/その赤ちゃん |
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家族（母・赤子） |
あかちゃん |
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がねんね（寝んね）してる。 |
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寝んね＝ねる |
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| 481 |
|
お風邪 |
|
おかぜ |
Ⅲ |
下136 |
227 |
風吹きゃ匂う（におう）/橙（だいだい）の花よ、/橙畑の/橙に、/わたしは昨日、/鞦韆（ぶらんこ）かけた。//きょうはお風邪 |
|
関連（橙畑
Ⅲ-上12） |
におう かける |
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（かぜ）よ/お床のなかよ、/さっき来たのは/おひげのお医者、/にがい（苦い）お薬/くれるだろうな。//しろじろ（白々）/ |
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植物（橙の花）遊び（ぶらんこ） |
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におう/橙の花よ。 |
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| 482 |
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籔蚊の唄 |
|
やぶかのうた |
Ⅲ |
下138 |
229 |
ブーン、ブン、/木蔭（こかげ）にみつけた、乳母車（うばぐるま）、/ねんね（寝んね）の赤ちゃん、かわいいな、/ちょいとキス |
|
昆虫（蚊）植物（藪・花・木） |
みつける |
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しよ、頬っぺた（ほっぺた）に。//アーン、アン、/おやおや、赤ちゃん泣き出した、/お守どこ行た、花つみか、/飛んでって |
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カタカナ（ブーン・キス・アーン・・） |
なく いく つむ とぶ |
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告げましょ、耳のはた（端）。//パーン、パン、/どっこい、あぶない、おお怖い、/いきなりぶたれた、掌（て）のひらだ、/ |
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蚊の家族（母） |
つげる こわい ぶつ |
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命、ひろうた（拾うた）ぞ、やあれ、やれ。//ブーン、ブン、/籔（やぶ）のお家（おうち）は暗いけど、/やっぱりお家へかえろ |
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くらい かえる |
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かな、/かえって、母さん（かあさん）とねようかな。 |
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|
ねる |
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| 483 |
|
おどり人形 |
|
おどりにんぎょう |
Ⅲ |
下140 |
231 |
おどり人形は、箱の上、/きょうもちりから、くるくると。//前にゃ夜店の瓦斯（ガス）の灯（ひ）に、/欲しそな顔が |
|
遊び（人形）ｶﾀｶﾅ（瓦斯＝ｶﾞｽ） |
おどる ほしい |
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七つ八つ（ななつやつ）。//くるり廻れば暗い海、/お船（ふね）の灯（あかり）がちらちらと。//おどり人形は、越えて来た、/ |
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乗物（船） |
まわる くらい こえる |
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とおい（遠い）海路をおもい（思い）出し、//眼（め）にはなみだ（涙・泪）が湧いてても、/足はやすまず、くるくると。//またも |
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おもいだす わく やすむ |
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|
まわれば、瓦斯の灯に、/更けて浴衣（ゆかた）の子がふたり。 |
|
ふける |
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| 484 |
|
知らない小母さん |
|
しらないおばさん |
Ⅲ |
下142 |
233 |
ひとりで杉垣（すぎがき）/のぞいて（覗いて）いたら、/知らない小母さん（おばさん）/垣（かき）の外通った。// |
|
植物（杉・柘榴・花） |
のぞく しらない とおる |
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小母さんって呼んだら/知ってるよに（様に）笑った、/私（わたし）が笑ったら/もっともっと笑った。//知らない小母さん、/ |
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よぶ わらう |
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いい小母さんだな、/花の咲いた柘榴（ざくろ）に/かくれて隠れて）行ったよ。 |
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さく かくれる いく |
|
|
| 485 |
|
なぞ |
|
なぞ |
Ⅲ |
下144 |
234 |
なぞ（謎）なぞなァに（何）、/たくさんあって、とれないものなァに。/
青い海の青い水、/ それはすくえば青かない。// |
|
類似（空の色・桑の実・貝と月・不思議） |
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なぞなぞなァに、/なんにもなくって、とれるものなァに。/
夏の昼の小（ち）さい風、/ それは団扇(うちわ)で |
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すくう ちいさい |
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すくえるよ。 |
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| 486 |
|
こだまでしょうか |
|
こだまでしょうか |
Ⅲ |
下148 |
237 |
「遊(あす)ぼう」っていうと/「遊ぼう」っていう。//「馬鹿(ばか)」っていうと/「馬鹿」っていう。//「もう遊ばない」っていうと/ |
|
あそぶ |
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「遊ばない」っていう。//そうして、あとで/さみしくなって、//「ごめんね」っていうと/「ごめんね」っていう。// |
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さみしい |
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こだまでしょうか、/いいえ、誰（だれ）でも。 |
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| 487 |
|
数字 |
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すうじ |
Ⅲ |
下150 |
239 |
二つ（ふたつ）と三つ（みっつ）で五つ（いつつ）です。/五つと七つ（ななつ）で十二（じゅうに）です。//一年生になりたて |
|
カタカナ（サンタクロス） |
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は、/浜の小石を拾って行って、/それで算術習います。//何万、何千、何百を、/割ったり、掛けたり、加えたり、/ |
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ひろう いく ならう わる |
かける くわえる |
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|
そんなにお算用（おさんにょ）する今は、/サンタクロスの小父さん（おじさん）ほども、/小石背負(しょ・せおう）わなきゃ |
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せおう |
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|
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なるまいに。//かろい（かるい）鉛筆一本で、/書ける数字は、嬉しいな。 |
|
うれしい |
|
|
| 488 |
|
りこうな桜んぼ |
|
りこうなさくらんぼ |
Ⅲ |
下152 |
240 |
とてもりこうな桜んぼ(さくらんぼ）、/ある日、葉かげ（蔭）で考える。/待てよ、私はまだ青い、/行儀のわるい鳥の子が、/ |
|
植物（さくらんぼ・葉・木） |
● かんがえる まつ |
|
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|
つつきゃ、ぽんぽ（おなか)が痛くなる、/かくれてる（隠れてる）のが親切だ。/
そこで、かくれた、葉の裏だ、/
鳥も見ない |
|
動物（鳥） |
つつく いたい かくれる |
|
|
|
|
|
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|
|
が、お日さま（おひさま）も、/ みつけないから、染め残す。//やがて熟れたが、桜んぼ、/またも葉かげで考える。/待てよ、 |
|
みつける そめる のこす |
うれる |
|
|
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私を育てたは、/この木で、この木を育てたは、/あの年とったお百姓（ひゃくしょう）だ、/鳥にとられちゃなるまいぞ。/ |
|
そだてる とられる |
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そこで、お百姓
、籠（かご）もって、/ 取りに来たのに、桜んぼ、/
かくれてたので採り残す。//やがて子供（こども）が |
|
もつ とる のこす |
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|
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|
|
二人（ふたり）来た、/そこでまたまた考える。/待てよ、子供は二人いる、/それに私はただ一つ（ひとつ）、/けんかさせて |
|
くる |
|
|
|
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|
|
|
|
|
|
はなるまいぞ、/落ちない事が親切だ。/
そこで、落ちたは夜夜中(よるよなか)、/ 黒い巨きな（おおきな）靴が来て、/ |
|
おちる |
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|
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|
りこうな桜んぼを踏みつけた。 |
|
ふむ |
|
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| 489 |
|
山と空 |
|
やまとそら |
Ⅲ |
下156 |
242 |
もしもお山が硝子(がらす）だったら、/私も東京が見られましょうに。/ ─
お汽車で/ 行った、/ 兄さん（にいさん）の |
|
家族（兄・妹） |
みる いく |
|
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ように。//もしもお空が硝子だったら、/私も神さまが見られましょうに。/─
天使に/ なった/ 妹（いもうと）のように。 |
|
神仏（神さま） |
|
|
| 490 |
|
お寝着 |
|
おねまき |
Ⅲ |
下158 |
243 |
八時打ちます、/お時計が、
/おねまき(寝着）着せます、/おかあさま（お母さま）。//白い、白い、おねまきを、/着て |
|
家族（母） |
うつ きせる |
|
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|
寝りゃ、/白い 夢ばかり。/お花のついた昼のベベ（着物）、 /着て寝りゃ、/お花になれように。 / 蝶々（ちょうちょ・ |
|
植物（花）昆虫（蝶） |
ねる なれる |
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ちょうちょう）のついた外出着(よそゆき)を /着て寝りゃ、/蝶々になれように。 //だけども母さま/着せるから、/だまって |
|
きる |
|
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|
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|
着ましょう/白ねまき。 |
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| 491 |
|
玩具のない子が |
|
おもちゃのないこが |
Ⅲ |
下160 |
245 |
玩具(のおもちゃ）ない子が/さみしけりゃ、/
玩具をやったらなおるでしょう。//母さん(かあさん）のない子が/ |
|
遊び（おもちゃ）家族（母・私） |
さみしい やる |
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|
かなしけりゃ、/母さんをあげたら嬉しいでしょう。//母さんはやさしく/髪を撫で、/玩具は箱から/こぼれてて、// |
|
かなしい あげる うれしい |
やさしい なでる こぼれる |
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それで私（わたし）の/さみしいは、/何を貰うたらなおるでしょう。 |
|
もらう |
|
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| 492 |
|
波の子守歌 |
|
なみのこもりうた |
Ⅲ |
下162 |
247 |
ねんね（寝んね）よ、ねんね、ざんぶりこ、/ざんぶり、ざぶりこ、ねんねしな。// 海の底では貝の子が、/ 藻(も)のゆりかごで |
|
魚貝類（貝・蟹）植物（藻） |
★ |
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ねんねした。//ねんねよ、ねんね、ざんぶりこ、/お十五夜(じゅうごや）さま、もう高い。/
海の渚（なぎさ）じゃ蟹の子 |
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たかい |
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が、/
砂のお床でねんねした。//ざんぶり、ざぶりこ、ねんねしな、/あけの明星の白む（しらむ）まで。 |
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| 493 |
|
学校
-人におくる- |
|
がっこう -ひとにおくる- |
Ⅲ |
下164 |
248 |
氷がとけたら/みずうみ（湖）の/底に学校は/あるでしょう。//葦（あし）の葉かげ(蔭）に/映って揺れた/赤い瓦よ/白壁よ。// |
|
追憶・学校（思い出） |
とける うつる ゆれる |
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葦は枯れ/学校はあとなく/なったけど、//氷がとけたら/みずうみに/むかし（昔）の影があるでしょう。//葦が青めば/ |
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その底で/鐘のなる日も来るでしょう。 |
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くる |
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| 494 |
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早春 |
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そうしゅん |
Ⅲ |
下168 |
250 |
飛んで来た/毬(まり)が、/あとから子供（こども）。//浮いている/凧(たこ)が、/海から汽笛(きてき)。//飛んで来た/春が、/ |
|
遊び（毬・凧） |
● とぶ うく |
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きょうの空 青さ。//浮いている/こころ（心）、/遠い月 白さ。 |
|
とおい |
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| 495 |
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明日 |
|
あした |
Ⅲ |
下170 |
251 |
街（まち）で逢った/母さん（かあさん）と子供（こども）/ちらと聞いたは/｢明日（あした）」//街の果(はて)は/夕焼小焼、/ |
|
家族（母・子）気象（夕焼け）
● |
あう きく ちかい |
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春の近さも知れる日。//なぜか私も/うれしくなって/思って来たは/「明日」 |
|
しる うれしい |
|
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| 496 |
|
あさがお |
|
あさがお |
Ⅲ |
下172 |
252 |
青いあさがお（朝顔）あっち向いて咲いた、/白いあさがおこっち向いて咲いた。//
ひとつの蜂が、/ ふたつの花に。// |
|
植物（あさがお・花） |
● むく さく |
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ひとつのお日（ひ）が、/
ふたつの花に。//青いあさがおあっち向いてしぼむ、/白いあさがおこっち向いてしぼむ。// |
|
昆虫（蜂） |
しぼむ |
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それでおしまい、/
はい、さようなら。 |
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| 497 |
|
しもやけ |
|
しもやけ |
Ⅲ |
下174 |
253 |
しもやけの/すこうし(すこし)かゆい小春日に、/お背戸の山茶花（さざんか）咲きました。//その花折って髪にさし、/ |
|
植物（山茶花・花） |
さく おる さす |
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そしてしもやけ見ていたら、/ふっと、私がお噺(おはなし）の、/継娘(ままこ)のようにおもわれ（思われ）て、//浅黄（あさぎ）に |
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みる おもう |
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|
澄んだお空さえ、/なにかさみしくなりました。 |
|
すむ さみしい |
|
|
| 498 |
|
鶴 |
|
つる |
Ⅲ |
下176 |
254 |
お宮の池の/丹頂(たんちょう)の鶴よ。//おまえが見れば、/世界じゅうのものは、/何もかも、網の目（め）が/ついて |
|
動物（鶴）乗物（汽車） |
みる つく |
|
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いよう。//
あんなに晴れたお空にも、/
ちいさな私（わたし）のお顔にも。//お宮の池の/丹頂の鶴が、/網のなかで |
|
はれる ちいさい |
お宮＝下関・亀山八幡宮 |
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|
静かに/羽(は・はね)をうつ（打つ）ときに。/一山(ひとやま)むこうを/お汽車が行った。 |
|
いく |
|
|
| 499 |
|
赤い靴 |
|
あかいくつ |
Ⅲ |
下178 |
256 |
空はきのうもきょうも青い、/路（みち）はきのうもきょうも白い。//溝のふちにも花が咲いた、/小さなはこべの花が咲いた。// |
|
植物（花・はこべ） |
さく |
|
|
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坊や(ぼうや）もべべがかろく（かるく）なって、/一足(ひとあし）、二足（ふたあし）、あるき出した。//一足踏んでは |
|
あるく ふむ |
べべ＝衣服 |
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|
得意そうに、/笑う（わらう）、笑う、声を立てて。//買ったばかしの赤い靴で、/坊や、あんよ、春が来たよ。 |
|
たてる かう あんよ＝足 |
くる |
|
| 500 |
|
暗夜 |
|
やみよ |
Ⅲ |
下180 |
257 |
暗い広い原っぱで、/誰（だれ）か唱歌(しょうか)をうたってる。/高台(たかだい)に並んだ窓の灯（ひ）の、/一つ（ひとつ）を |
|
植物（みかん） |
くらい ひろい うたう |
|
|
|
|
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|
影（かげ）が暗くする。//とおい（遠い）巨きな（おおきな）都会（まち）の空、/ぼっと砂金(さきん）をぼかしてる。//物干 |
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ぼかす |
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|
|
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|
|
(ものほし）台にひとり（一人）居て、/蜜柑(みかん)たべたべ（食べ食べ）眺めてる。 |
|
いる たべる ながめる |
|
|
| 501 |
|
野茨の花 |
|
のばらのはな |
Ⅲ |
下182 |
258 |
白い花びら/棘(とげ）のなか、/「おうお、痛かろ。」/そよ風が、/駆けてたすけ（助け）に/行ったらば、/ほろり、ほろりと/ |
|
植物（野茨・花・とげ） |
● いたい かける たすける |
|
|
|
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|
|
ちりました。//白い花びら/土の上、/「おうお、寒かろ。」/お日さま（おひさま）が、/そっと、照らして/ぬくめたら、/ |
|
いく ちる さむい てらす |
ぬくめる |
|
|
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|
|
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|
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|
茶いろ(茶色）になって/枯れました。 |
|
かれる |
|
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| 502 |
|
宵節句 |
|
よいぜっく |
Ⅲ |
下184 |
260 |
虫歯(むしば）がいたい（痛い）/歯がいたい、/しぼしぼ小雨の/宵節句。//雪洞（ぼんぼり）の灯（ひ）も/いつか消え/ |
|
季節行事（節句） |
きえる |
|
|
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|
|
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|
|
官女（かんじょ）も仕丁（しちょう）も/ねむった（眠った）ろ。//寝ててみえるは/ほの白い/裸人形(はだかにんぎょう）の/ |
|
官女・仕丁＝雛人形 |
ねむる ねる |
|
|
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|
|
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|
|
|
足のうら。//むし歯がいたい/歯が痛い、/更けてさみしい/宵節句。 |
|
ふける |
|
|
| 503 |
|
木屑ひろい |
|
きくずひろい |
Ⅲ |
下186 |
262 |
朝鮮人の子、何つむの、/れんげ（げんげ）が咲いたの、よもぎなの。/
いやいや、草は枯れてます。//朝鮮人の子、 |
|
植物（れんげ・よもぎ・草） |
さく かれる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
何うたう、/朝鮮人のお唄(うた)なの。/
いやいや、日本の童謡（どうよう）です。/朝鮮人の子、楽しげに、/こぼれ |
|
家族（母・父・子） |
たのしい こぼれる |
|
|
|
|
|
|
|
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|
木屑（きくず）をひろいます。/
製材裏（せいざいうら）の広っぱで。//木屑ひろうて、束（たば）にして、/頭にのせてかえり |
|
ひろう のせる かえる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ます。/
小さなお小舎(こや)で、母さん（かあさん）と、/
とろとろ赤い火(ひ)を燃して、/ 父さん(とうさん)の帰りを待つ |
|
ちいさい もやす かえる まつ |
|
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|
|
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|
|
ために。 |
|
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|
|
| 504 |
|
やせっぽちの木 |
|
やせっぽちのき |
Ⅲ |
下188 |
264 |
森の隅っこの木が云うた。/「きれいな小さい駒鳥（こまどり）さん、/わたしの枝でも、おあそびな。」
//高慢ちき |
|
植物（木・花・実・梢） |
● あそぶ |
|
|
|
|
|
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|
|
(こうまんちき）な駒鳥は、
/よその小枝で啼いていた。 /「あか（赤）い実もない、花もない、/やせっぽちさん、お前には、
/ |
|
動物（駒鳥） |
なく |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
森の女王は呼べまいよ。」
// （誰がきいてた、/ 誰か知ら、 / きいてお空へ告げに行(い)た。）
//高慢ちきな駒鳥 |
|
よぶ きく つげる |
駒鳥＝自称・森の女王 |
|
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|
|
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|
|
が、
/日ぐれにまた来てたまげたは、/やせっぽちの木、その梢(こずえ)、
/黄金（きん）の木（こ）の実が光ってた。 // |
|
くる たまげる ひかる |
|
|
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|
|
|
|
（まるい、十五夜お月さま。） |
|
月（十五夜） |
|
|
| 505 |
|
かくれんぼう |
|
かくれんぼう |
Ⅲ |
下190 |
266 |
かくれんぼう、かあくれた（隠れた）。/太郎も、次郎も、かあくれた。/
裏戸にしょんぼり、鬼ばかり。/ (向日葵（ひまわり） |
|
類似題（かくれんぼⅠ-下18） |
かくれる |
|
|
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|
まわった、/
五分(ごぶ)ほどまわった。)/かくれんぼう、なに（何）してる。//ひとり（一人）はお背戸の柿の木で、/青い |
|
遊び（かくれんぼ） |
まわる |
|
|
|
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|
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|
|
柿の実むしってる。/ひとりは日ぐれ（日暮れ）の台所、/お鍋の湯気（ゆげ）でも眺めてる。//そして鬼さん、何してる。// |
|
植物（ひまわり・柿・木・桐） |
むしる ながめる |
|
|
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|
らっぱ（ラッパ）の音で飛んで出て、/お馬車へついて行っちゃった。//
裏戸に立つは桐（きり）の木の/静かに、たかい、 |
|
乗物
(馬車） |
とぶ でる いく たつ しずか |
|
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|
|
|
影（かげ）ばかり。 |
|
|
|
|
| 506 |
|
あけがたの花 |
|
あけがたのはな |
Ⅲ |
下192 |
268 |
お宮(おみや）の太鼓（たいこ）は鳴ったけど、/花のおめめはまだ眠い。//しらしら明けの靄(もや）のなか、/とおく（遠く） |
|
祭り（太鼓）植物（花・草） |
なる ねむい ひびく |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ひびいて（響いて）、近く来て、/だんだん消える轍（わだち）の音を、/花はうつつ（現）にきいて（聞いて）いる。//夢に |
|
気象（靄） |
ちかく
くる きえる きく |
|
|
|
|
|
|
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|
|
まじって、その音は、/とおい（遠い）、とおい、見知らぬ里へ、/花のこころ（心）をのせて（乗せて）ゆく。//名なしの草の |
|
まじる みしらぬ のせる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
花たちは、/きのうの埃(ほこり）、今朝の露（つゆ）、/のせた（載せた）まんまで、みち（道・路）のはた（端）。/うつらうつらと |
|
|
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|
|
|
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|
|
夢みてる。 |
|
|
|
|
| 507 |
|
すかんぽ |
|
すかんぽ |
Ⅲ |
下194 |
270 |
すかんぽ、すかんぽ/みいつけた(見つけた）。/豆の畑（はたけ）の畔道（あぜみち）に。//
遠いお里よ、あのころよ、/ |
|
植物（すかんぽ）動物（鳥） |
すかんぽ＝ｽｲﾊﾞ・ｲﾀﾄﾞﾘ |
|
|
|
|
|
|
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|
|
とうに忘れた、その味よ。/
ここは巨きな(おおきな）都会（まち）の裏、/
一山（ひとやま）越えた、段畑（だんばたけ・ |
|
乗物（汽船） |
わすれる こえる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
はたけ）、/
ぽうと鳴るのは汽船（ふね）の笛（ふえ）、/ ごうとひびく（響く）は、なん（何）の音。//すかんぽ、すかんぽ/ |
|
なる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
噛みしめて、/空のはるかを見た時に、/なんの鳥やら、わたり鳥、/群れて、ちいさく行きました。 |
|
かむ みる むれる いく |
|
|
| 508 |
|
蛙 |
|
かえろ |
Ⅲ |
下196 |
272 |
憎まれっ子（にくまれっこ）、/憎まれっ子、/いつでも、かつでも、誰からも。//雨が降らなきゃ、草たちが、/「なんだ、 |
|
植物（草）気象（雨・虹） |
ふる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
蛙(かえろ・かえる）め、なまけて。」と、/それをおいらが知る事か。//雨が降り出しゃ子供(こども）らが、/「あいつ、鳴く |
|
動物（かえる） |
なまける しる なく |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
から降るんだ。」と、/みんなで石をぶっつける。//それがかなしさ、口おしさ、今度は降れ、降れ、降れ、となく。// |
|
ぶつける かなしい ふる |
くちおしい＝くやしい |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
なけばからりと晴れあがり、/馬鹿(ばかに）したよな、虹が出る。 |
|
はれる でる |
|
|
| 509 |
|
冬の雨 |
|
ふゆのあめ |
Ⅲ |
下198 |
274 |
「母さま（かあさま）、母さま、ちょいと見て、/雪がまじって降っててよ。」/「ああ、降るのね。」とお母さま、/お裁縫（しごと) |
|
家族（母）気象（雪・氷雨） |
みる まじる ふる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
してるお母さま。/─
氷雨（ひさめ）の街（まち）をときどき行くは、/
みんな似たよな傘ばかり。//「母さま、それでも |
|
季節行事（正月）乗物（船） |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
七つ（ななつ）寢りゃ、/やっぱり正月来るでしょか。」/「ああ、来るのよ。」とお母さま、/春着縫ってるお母さま。/ |
|
ねる くる ぬう |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
─
このぬかるみが河（かわ）ならいいな、/ ひろい海なら、なおいいな。//「母さま、お舟（ふね）がとおるのよ、/ぎいちら、 |
|
とおる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ぎいちら、櫓（ろ）をおして。」/「まあ、馬鹿（ばか）だね。」とお母さま、/こちら向かないお母さま。/─
さみしくあてる、左の |
|
おす むく さみしい |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
頬に、/
つめたい（冷たい）つめたい硝子（がらす）です。 |
|
|
|
|
| 510 |
|
紙の星 |
|
かみのほし |
Ⅲ |
下200 |
276 |
思い出すのは、/病院の、/すこし汚れた白い壁。//ながい夏の日、いちにち（一日）を、/眺め暮した白い壁。//小さい蜘蛛 |
|
昆虫（蜘蛛） ★ |
おもいだす ながめる
くらす |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
の巣、雨のしみ、/そして七つ（ななつ）の紙の星。//星に書かれた七つの字、メ、リ、－、ク、リ、ス、マ、七つの字。// |
|
カタカナ（メリークリスマス） |
ちいさい |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
去年、その頃、その床に、/どんな子供（こども）がねかされ（寝かされ）て、/その夜の雪にさみしげに、/紙のお星を |
|
気象（雪） |
ねる さみしい きる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
剪(き)ったやら。//忘れられない、/病院の、/壁に煤(すす)けた、七つ星。 |
|
わすれる すすける |
|
|
| 511 |
|
きりぎりすの山登り |
|
きりぎりすのやまのぼり |
Ⅲ |
下203 |
278 |
きりぎっちょん、山のぼり（登り）、/
朝からとうから、山のぼり。/ ヤ、ピントコ、ドッコイ、ピントコ、ナ。// |
|
昆虫（きりぎりす） |
●★ のぼる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
山は朝日だ、野は朝露（あさつゆ）だ、/とても跳ねるぞ、元気だぞ。/
ヤ、ピントコ、ドッコイ、ピントコ、ナ。// |
|
植物（花・白桔梗） |
はねる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
あの山、てっぺん、秋の空、/つめたく触る（さわる）ぞ、この髭（ひげ）に。/
ヤ、ピントコ、ドッコイ、ピントコ、ナ。// |
|
さわる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
一（ひと）跳ね、跳ねれば、昨夜（ゆうべ）見た、/お星のとこへも、行かれるぞ。/
ヤ、ピントコ、ドッコイ、ピントコ、ナ。// |
|
はねる みる いく |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
お日（ひ）さま、遠いぞ、さァむい（さむい）ぞ、/あの山、あの山、まだとおい。/
ヤ、ピントコ、ドッコイ、ピントコ、ナ。// |
|
とおい さむい |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
見たよなこの花、白桔梗（しらぎきょう）、/昨夜のお宿だ、おうや、おや。/
ヤ、ドッコイ、つかれた、つかれた、ナ。// |
|
みた |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
山は月夜だ、野は夜露、/露でものんで、寝ようかな。/
ア─ア、ア─ア、あくびだ、ねむたい、ナ。 |
|
のむ ねる |
● |
|
| 512 |
|
巻末手記 |
|
かんまつしゅき |
Ⅲ |
下206 |
280 |
─できました、/
できました、/ かわいい詩集ができました。//我とわが身に訓（おし）うれど、/心おどらず/ |
|
できる おしえる おどる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
さみしさよ。//夏暮れ/秋もはや更（た）けぬ、/針もつひま（持つ暇）のわが手わざ、/ただにむなしき心地（ここち）する。// |
|
さみしい くれる たける |
むなしい |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
誰に見しょうぞ、/我さえも、心足らわず/さみしさよ。/（ああ、ついに、/登り得ずして帰り来し、/山のすがたは/ |
|
みせる たらう のぼる える |
かえる |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
雲に消ゆ。）//とにかくに/むなしきわざと知りながら、/秋の灯（ともし・ひ）の更（ふ）くるまを、/ただひたむきに/ |
|
きえる しる ふける |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
書きて来（こ）し。//明日よりは、/何を書こうぞ/さみしさよ。 |
|
かく |
|
|
| |
|
|
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|
|
|
|
|
|
|
|
|
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|
|
|
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|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
遺稿集外 |
|
遺稿集外 |
|
|
| 513 |
|
おとむらひ |
|
おとむらい |
別 |
-- |
-- |
ふみがらの、おとむらひ、/鐘もならない、お供もゐない、ほんにさみしいおとむらひ。//うす桃色のなつかしさ、/ |
|
T12.09 婦人画報 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
憎い、大きな、状ぶくろ、/涙ににじむだインクのあとも、/封じこめた花びらも、/めらめらと、/わけなく燃える、/ |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
焔（ほのお）が文字になりもせで、//すぎた、日のおもひ出は、/ゆるやかに、いま/夕ぐれの空へ立ちのぼる。 |
|
|
|
|
| 514 |
|
パチンコと雀 |
|
ぱちんことすずめ |
別 |
-- |
-- |
雀がお屋根で/ふくれてた/お手まりみたいに/ふくれてた//パチンコでびつくり/逃げてつた/ひとりでぷりぷり/ |
|
T13.04 主婦の友 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
おこつてた//ぷりぷりおこつて/ふくれてた。 |
|
|
|
|
| 515 |
|
浮き雲 |
|
うきぐも |
別 |
-- |
-- |
はなればなれの/浮き雲よ/やがて消えゆく/おなじ身の/おなじみ空に/ありながら/なぜにはなれた/浮き雲よ。/ |
|
T13.07 婦人世界 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
春のあをぞら/日のひかり/こころごころの/ひとり旅。 |
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先生 |
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せんせい |
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去年わかれた先生に/峠の茶屋であいました//おひげがのびて
先生は/なんだかこわくなりました//なにかいえそで いえ |
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S28.06 少女クラブ |
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なくて/だまって おじぎしてました//
峠の茶屋のにわとりは/ すまして なかをぬけました// 先生さよなら/ さよう |
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なら/私は馬車にのりました//私の馬車の来たみちを/先生はあるいて行きました |
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以下・参考 |
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項目 |
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ひらがな |
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同題で内容の異なる内容の作品 |
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雲 |
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くも |
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同題の作品
Ⅰ-6 (上14)
/ Ⅱ-86 (上132) |
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楽隊 |
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がくたい |
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同題の作品
Ⅰ-12 (上22)
/ Ⅰ-91 （上148） |
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夕顔 |
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ゆうがお |
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同題の作品
Ⅰ-34 (上54）
/ Ⅱ-81 (上124） |
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はつ秋 |
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はつあき |
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同題の作品
Ⅰ-54 （上84）
/ Ⅲ-49
(上68） |
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木 |
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き |
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同題の作品
Ⅰ-90 (上146）
/ Ⅱ-117 (上176） |
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くれがた |
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くれがた |
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同題の作品
Ⅰ-162 (下102）/
Ⅲ-226 (下134） |
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帆 |
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ほ |
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同題の作品
Ⅰ-223 (下192）/
Ⅲ-41 (上60） |
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さよなら |
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さよなら |
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同題の作品
Ⅰ-232 (下208）/
Ⅱ-210 (下94） |
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花火 |
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はなび |
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同題の作品
Ⅰ-239 (下217）/
Ⅱ-31 (上54） |
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学校 |
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がっこう |
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同題の作品
Ⅱ-212 (下96）
/ Ⅲ-248 (下164） |
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金米糖の夢 |
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こんぺいとうのゆめ |
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同題の作品
Ⅰ-ﾀｲﾄﾙのみ存在 /
Ⅱ-255 (下162） |
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項目 |
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ひらがな |
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類似題で内容の異なる内容の作品 |
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かくれんぼ/かくれんばう |
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かくれんぼ/かれんばう |
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類題の作品
Ⅰ-104 (下18） /
Ⅲ-266 (下190） |
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れんげ / げんげ |
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れんげ / げんげ |
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類題の作品
Ⅰ-208 (下170）
/ Ⅱ-249 (下154） |
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-*-*-* |
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-*-*-* |
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-*-*-* |
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項目 |
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ひらがな |
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新旧・同題だが内容に相違点がみられる作品 |
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芝草
/ 芝草 |
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しばくさ/しばくさ |
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新旧相違の作品
Ⅱ- 15 / Ⅱ-
(上30) |
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薔薇の根
/ 薔薇の根 |
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ばらのね/ばらのね |
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新旧相違の作品
Ⅱ- 36 / Ⅱ- (上60) |
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仔牛
/ 仔牛 |
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べえこ/べえこ |
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新旧相違の作品
Ⅱ- 96 / Ⅱ- (上148
) |
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ピンポン
/ ピンポン |
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ぴんぽん/ぴんぽん |
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新旧相違の作品
Ⅱ- 225 /
Ⅱ- (下118) |
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もういいの
/ もういいの |
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もういいの/もういいの |
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新旧相違の作品
Ⅱ- 247 /
Ⅱ- (下152) |
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女王さま
/ 女王さま |
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じょおうさま/じょおうさま |
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新旧相違の作品
Ⅲ- 153 / Ⅲ- (下36) |
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-＋-＋-＋ |
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-＋-＋-＋ |
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-＋-＋-＋ |
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項目 |
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ひらがな |
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新旧で題および内容に相違点がみられる作品 |
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お魚
/ おさかな |
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おさかな
/ おさかな |
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新旧相違の作品
Ⅰ-5 / Ⅰ-
(上12) |
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八百屋のお鳩/八百屋の鳩 |
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やおやのおはと/やおやのはと |
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新旧相違の作品
Ⅰ-10 / Ⅰ- (上18） |
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手帳
/ 燕の手帳 |
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てちょう/つばめのてちょう |
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新旧相違の作品
Ⅰ-81 / Ⅰ- (上130) |
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楽隊 / すねた時 |
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がくたい/すねたとき |
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新旧相違の作品
Ⅰ-91 /
Ⅰ- (上148) |
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花びらの波/
花びらの海 |
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はなびらのなみ/はなびらのうみ |
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新旧相違の作品
Ⅰ-153 / Ⅰ- (下90) |
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繭と墓
/ 繭とお墓 |
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まゆとはか/まゆとおはか |
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新旧相違の作品
Ⅱ-3 / Ⅱ- (上12) |
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振子
/ ふり子 |
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ふりこ/ふりこ |
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新旧相違の作品
Ⅱ-215 / Ⅱ- (下102) |
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丘の上で
/ 丘で |
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おかのうえで/おかで |
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新旧相違の作品
Ⅲ-212 / Ⅲ- (下118) |
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